「前途多難な日常すら?!」
――隣人の部屋――
仁根「…」
男性「…」
ルガ『…』
先ほどの大騒ぎとは一転、リビングでは静寂が続いていた。聞こえるのはどこか専門店で購入した大きめのおしゃれな飾り時計の針の音と、涙目のルガの時折すする鼻の音。その静寂に耐えきれなくなり、一番目に切り出したのは仁根だった。ルガに顔を合わせ、男性に手のひらを向ける。
仁根「…で、なんであんなに揉めていたんですか?この人があなたに何かしたんですか?」
ルガ『…うん、した。』
仁根「何を?」
ルガはじろりと男性を睨みつけ大きな手で男性を指さす。
ルガ『このヒト、ウワキした。』
続けざまに、仁根の向けた手のひらが人差し指に変わる。
仁根「はい、この人が悪い、以上。では失礼します。」
??「ちょっと待てぃ!俺の言い分は聞かないんかい!」
立ち去ろうとする仁根の足をつかむ男性。
仁根「だって浮気したんでしょ?」
??「してない!断じてしてないから!」
ルガ『ウソ!このマエ スーツのポケットからタシュゾクのコ タチがいるキャバクラのメイシがデてキた、しかもサイキン カエりオソい!』
仁根「はい、疑惑が確信に変わりました、以上。失礼します。」
??「だ、か、ら!俺の言い分を聞いてからにしろって!」
力尽くで立ち去ろうとする仁根、よくある男女間の修羅場だ。この場合関われば関わるだけ面倒なのでさっさとお暇したかった。
しかし、引きづられながらも必死に足にしがみつく男性の悩ましい顔を見ていると、ここまできたら見捨てるのも後味悪いなと思ったので、とりあえず見守ることにした仁根。
??「ふぅ、キャバクラは仕事の付き合いで仕方なく…でも黙ってたのは事実なんでそれは謝るよ、ごめんな。…でいつも最近帰りが遅いのは、その…。」
ルガ『ナニ?』
問い詰めるルガに、なかなか口を割ろうとしない男性。その様子を見て次第に怒りが湧き始めたのか、ルガの体が明々と光だし熱を帯びていく。先ほど扉を吹き飛ばした爆発の前兆だと、仁根はにわかに確信した。
仁根「う!あのさ、何秘密にしてるかわかんないけど、素直に言っとかないと俺達本気で危ないんじゃない?!」
??「う~~ん、でもな~~、こういうのはタイミングが大事だと思うし~~~!」
仁根「そんな悠長なこと言ってる場合?!このままだとそのタイミングもないままこの世からおさらばだよ?」
??「くぅ~~、記念日まで何とか隠し通そうとしたのに~…。」
仁根「記念日?」
爆発寸前といった状態のルガの目前に何かを包み込む形で両手を差し出す男性、何事かと言った様子で、目をぱちくりと動かすルガ。一瞬しんとなった空気の中、ゆっくりその両手が開かれる。
ルガ『…え。』
仁根「これって…。」
開かれた両手にあったもの、それは小さなケースだった。そして、男性がそのケースをふたを開けると、中からはお世辞にも豪華とは言えない、こじんまりとした小さな指輪が、細やかに、けれど力強く輝いて、ルガの瞳を潤していく。
??「本当は、二人が初めて出会った日に渡すつもりだったんだけど、流石にもう隠し通せなかった。まあこそこそしてた俺も悪いんだけどな。」
男性は正座していた足を組み直し、片足を立て膝をつき姿勢を正す。
??「え~、こほん。ルガさん。」
ルガ『は、はい!』
突然の改まった男性の行動に、思わずルガも姿勢を正す。
??「俺、いや私、土肥野 成人(とひの なりと)は、今日までルガさんを愛し、こしてこれからも愛し続け、ルガさんを生涯の妻とし大切にすることを誓います。どうか、この指輪、受け取ってはもらえないでしょうか。」
男性(成人)の愛の告白にルガは嬉しさの涙を浮かべる。
ルガ『え、そんな、こんなことって…。」
成人「黙っててごめんな、この指輪買うお金をどうしても貯めたくて、残業して帰り遅くなってたんだ。素直に言うのが筋なんだろうけどさ、こればっかりは一生思い出になるもんだし、ちょっとはかっこつけてサプライズでもしようかと…。」
やっとのことで、成人が心の内を語りだしたところで、ルガがその大きな身体で成人を優しく包み込む。先ほどまでの熱く煮えたぎるような光は癒え、人と変わらない暖かな体温だ。
ルガ『ウレしい、ワタシも、ずっと、ずっとこのトキをマってた、ワタシのほうこそ、ちゃんとハナシをキかなくてごめんなさい。』
ルガ『はい、おウけします。こちらこそ、よろしくおネガいします。』
先程の修羅場とは一転、幸せな雰囲気が周りと包み込む。大惨事になることは一先ず回避できたことで胸をなでおろす仁根だが、これはこれで居づらくなってしまった。その様子に気づいた成人は、照れながら仁根に向き直す。
成人「いやあ、なんか色々迷惑かけました。」
ルガ『ごめんなさい。』
仁根「ほんとだよ。ま、二人が幸せになれたようなんで良しとします。」
成人「これからもお互い力を合わせて、頑張っていこうと思います。本当にありがとうございました。え~と…」
成人&ルガ「『…あなた誰?』」
仁根「うん、至極真っ当な質問だけど言わせて。今更か!!!」
――隣人の部屋前・廊下――
成人「まさかお隣さんだったとはねぇ、運命って不思議なもんだよ。」
ルガ『ねぇ。』
仁根「今日越してきたばかりなんですけどね、色々迷惑かけることもあるかもしれませんがよろしくお願いします。」
成人「いやいや、こちらの方こそさっそく迷惑かけたしね、これからもよろしく!」
互いに遅い自己紹介を済ませ、握手を交わす。その時ふと、ルガが何かに気づき仁根に問いかける。
ルガ『ということは、そちらもルームメイトさんいるんですよね。』
仁根「うん?」
成人「お、そうだよな。このマンション、他種族とのルームシェアが条件だし。」
仁根「…」
仁根「あーーーー!!!」
隣人のいざこざに巻き込まれ完全に忘れていたが、ルガのその一言で思い出し声を上げる仁根。
このマンションで新しい暮らしを始める上で気にかけていた大イベント、それは亜人との共同生活を送ることである。亜人は他種族間交流法によって人間社会に溶け込んではいるものの、単身での生活は認可されていない。その為、様々な条件をクリアしたホストファミリーとの共同生活をするのだ。しかし、昨今の不景気によるホストファミリー減少に加え、年々増加する他種族の留学希望者の対策案として政府が考えたのが、この「ホストファミリーマンション」なのだ。
仁根「今の今まで忘れてた~!もうこんな時間だよ、ルームメイトの亜人、もうきてんじゃないかな~。うわ~、大分待たせちゃったんじゃないかな~。」
挨拶も早々に、仁根は急いで自分の部屋に入っていく。
成人「なんか、面白いやつがお隣さんになったな。」
ルガ『ねぇ。良かった、いい人そうで。』
成人「だな。」
――仁根・自部屋――
記念すべき最初の入室を慌ただしく入ってしまう形になったが、そんな気も打ち消すほどのいたたまれない気持ちになる仁根。
仁根「あ~、どうしよう。亜人さんと会う時間過ぎてるし、もう部屋にいるんだろうか、てかいるよなぁ知らんヒールが置いてあるし。はあ…とりあえず、顔合わせたらまず土下座かな。」
そんなことを考えながらうつむき気味の仁根だったが、ある異変に気づいた。
仁根「…うん?ヒール?」
玄関に置かれているヒールは明らかに人用のもの。これから共同生活を始めるルームメイトの亜人は顔合わせこそ初めてだが、事前にどういう種族と暮らすかの詳しい情報は聞いていた。その情報だと、ルームメイトはケンタウロス種だったはず。ヒールが置いてあることはまずないのだ。
仁根「じゃあ、今部屋にいるのは一体…」
玄関を上がり、恐る恐るリビングへ歩み寄る仁根。一歩一歩近づくにつれ滲み出る汗を手で拭う。リビングに続くドアに手をかけ、緊張しながらも意を決して、そのドアを開ける。
??「あら、お帰りなさい。もめ事はもう解決したのかしら?」
仁根「…っ!だ、誰だ!」
リビングにいたのは、黒いスーツに身を包み、部屋の中だというのにサングラスをかけた妙に色気の漂う女性が椅子に腰かけていた。女性は、ティーカップに注がれたコーヒーを一啜りした後、仁根を見つめる
??「あぁ、これは失礼、自己紹介がまだだったわね。初めまして、私は政府から派遣された他種族間交流コーディネーターの墨須よ。よろしくね。」
仁根「他種族間交流…コーディネーター…。」
墨須「あら、聞いたことない?ホストファミリーとして許可された人だから、聞いたことくらいあると思ったんだけど。」
仁根「いや、採用試験の時に勉強はしてるからほんとに聞いたことあるだけで、確か、他種族間でのトラブルや外部との問題がないか監視・サポートする特殊機関、でしたっけ。」
墨須「そうそう、わかってるじゃない♪じゃあ話は早いわね。私が今日来たのは他でもないその他種族の子達の関係で、ね。」
再びコーヒーを一口啜ると、仁根をその鋭い目で睨む。その何とも言えない緊迫した空気に、思わず震え上がる。
仁根「ちょちょちょ、俺亜人に何もしてませんよ!?ていうかそもそも今日会うはずの亜人の人はまだ来てないみたいですし!」
墨須「そう、それよ!」
仁根「え?」
墨須「今日あなたと共に暮らすはずだったケンタウロスの子、理由あってここに住めなくなったから、私はそれを伝えに来たの。」
仁根「……え?」
仁根「…」
男性「…」
ルガ『…』
先ほどの大騒ぎとは一転、リビングでは静寂が続いていた。聞こえるのはどこか専門店で購入した大きめのおしゃれな飾り時計の針の音と、涙目のルガの時折すする鼻の音。その静寂に耐えきれなくなり、一番目に切り出したのは仁根だった。ルガに顔を合わせ、男性に手のひらを向ける。
仁根「…で、なんであんなに揉めていたんですか?この人があなたに何かしたんですか?」
ルガ『…うん、した。』
仁根「何を?」
ルガはじろりと男性を睨みつけ大きな手で男性を指さす。
ルガ『このヒト、ウワキした。』
続けざまに、仁根の向けた手のひらが人差し指に変わる。
仁根「はい、この人が悪い、以上。では失礼します。」
??「ちょっと待てぃ!俺の言い分は聞かないんかい!」
立ち去ろうとする仁根の足をつかむ男性。
仁根「だって浮気したんでしょ?」
??「してない!断じてしてないから!」
ルガ『ウソ!このマエ スーツのポケットからタシュゾクのコ タチがいるキャバクラのメイシがデてキた、しかもサイキン カエりオソい!』
仁根「はい、疑惑が確信に変わりました、以上。失礼します。」
??「だ、か、ら!俺の言い分を聞いてからにしろって!」
力尽くで立ち去ろうとする仁根、よくある男女間の修羅場だ。この場合関われば関わるだけ面倒なのでさっさとお暇したかった。
しかし、引きづられながらも必死に足にしがみつく男性の悩ましい顔を見ていると、ここまできたら見捨てるのも後味悪いなと思ったので、とりあえず見守ることにした仁根。
??「ふぅ、キャバクラは仕事の付き合いで仕方なく…でも黙ってたのは事実なんでそれは謝るよ、ごめんな。…でいつも最近帰りが遅いのは、その…。」
ルガ『ナニ?』
問い詰めるルガに、なかなか口を割ろうとしない男性。その様子を見て次第に怒りが湧き始めたのか、ルガの体が明々と光だし熱を帯びていく。先ほど扉を吹き飛ばした爆発の前兆だと、仁根はにわかに確信した。
仁根「う!あのさ、何秘密にしてるかわかんないけど、素直に言っとかないと俺達本気で危ないんじゃない?!」
??「う~~ん、でもな~~、こういうのはタイミングが大事だと思うし~~~!」
仁根「そんな悠長なこと言ってる場合?!このままだとそのタイミングもないままこの世からおさらばだよ?」
??「くぅ~~、記念日まで何とか隠し通そうとしたのに~…。」
仁根「記念日?」
爆発寸前といった状態のルガの目前に何かを包み込む形で両手を差し出す男性、何事かと言った様子で、目をぱちくりと動かすルガ。一瞬しんとなった空気の中、ゆっくりその両手が開かれる。
ルガ『…え。』
仁根「これって…。」
開かれた両手にあったもの、それは小さなケースだった。そして、男性がそのケースをふたを開けると、中からはお世辞にも豪華とは言えない、こじんまりとした小さな指輪が、細やかに、けれど力強く輝いて、ルガの瞳を潤していく。
??「本当は、二人が初めて出会った日に渡すつもりだったんだけど、流石にもう隠し通せなかった。まあこそこそしてた俺も悪いんだけどな。」
男性は正座していた足を組み直し、片足を立て膝をつき姿勢を正す。
??「え~、こほん。ルガさん。」
ルガ『は、はい!』
突然の改まった男性の行動に、思わずルガも姿勢を正す。
??「俺、いや私、土肥野 成人(とひの なりと)は、今日までルガさんを愛し、こしてこれからも愛し続け、ルガさんを生涯の妻とし大切にすることを誓います。どうか、この指輪、受け取ってはもらえないでしょうか。」
男性(成人)の愛の告白にルガは嬉しさの涙を浮かべる。
ルガ『え、そんな、こんなことって…。」
成人「黙っててごめんな、この指輪買うお金をどうしても貯めたくて、残業して帰り遅くなってたんだ。素直に言うのが筋なんだろうけどさ、こればっかりは一生思い出になるもんだし、ちょっとはかっこつけてサプライズでもしようかと…。」
やっとのことで、成人が心の内を語りだしたところで、ルガがその大きな身体で成人を優しく包み込む。先ほどまでの熱く煮えたぎるような光は癒え、人と変わらない暖かな体温だ。
ルガ『ウレしい、ワタシも、ずっと、ずっとこのトキをマってた、ワタシのほうこそ、ちゃんとハナシをキかなくてごめんなさい。』
ルガ『はい、おウけします。こちらこそ、よろしくおネガいします。』
先程の修羅場とは一転、幸せな雰囲気が周りと包み込む。大惨事になることは一先ず回避できたことで胸をなでおろす仁根だが、これはこれで居づらくなってしまった。その様子に気づいた成人は、照れながら仁根に向き直す。
成人「いやあ、なんか色々迷惑かけました。」
ルガ『ごめんなさい。』
仁根「ほんとだよ。ま、二人が幸せになれたようなんで良しとします。」
成人「これからもお互い力を合わせて、頑張っていこうと思います。本当にありがとうございました。え~と…」
成人&ルガ「『…あなた誰?』」
仁根「うん、至極真っ当な質問だけど言わせて。今更か!!!」
――隣人の部屋前・廊下――
成人「まさかお隣さんだったとはねぇ、運命って不思議なもんだよ。」
ルガ『ねぇ。』
仁根「今日越してきたばかりなんですけどね、色々迷惑かけることもあるかもしれませんがよろしくお願いします。」
成人「いやいや、こちらの方こそさっそく迷惑かけたしね、これからもよろしく!」
互いに遅い自己紹介を済ませ、握手を交わす。その時ふと、ルガが何かに気づき仁根に問いかける。
ルガ『ということは、そちらもルームメイトさんいるんですよね。』
仁根「うん?」
成人「お、そうだよな。このマンション、他種族とのルームシェアが条件だし。」
仁根「…」
仁根「あーーーー!!!」
隣人のいざこざに巻き込まれ完全に忘れていたが、ルガのその一言で思い出し声を上げる仁根。
このマンションで新しい暮らしを始める上で気にかけていた大イベント、それは亜人との共同生活を送ることである。亜人は他種族間交流法によって人間社会に溶け込んではいるものの、単身での生活は認可されていない。その為、様々な条件をクリアしたホストファミリーとの共同生活をするのだ。しかし、昨今の不景気によるホストファミリー減少に加え、年々増加する他種族の留学希望者の対策案として政府が考えたのが、この「ホストファミリーマンション」なのだ。
仁根「今の今まで忘れてた~!もうこんな時間だよ、ルームメイトの亜人、もうきてんじゃないかな~。うわ~、大分待たせちゃったんじゃないかな~。」
挨拶も早々に、仁根は急いで自分の部屋に入っていく。
成人「なんか、面白いやつがお隣さんになったな。」
ルガ『ねぇ。良かった、いい人そうで。』
成人「だな。」
――仁根・自部屋――
記念すべき最初の入室を慌ただしく入ってしまう形になったが、そんな気も打ち消すほどのいたたまれない気持ちになる仁根。
仁根「あ~、どうしよう。亜人さんと会う時間過ぎてるし、もう部屋にいるんだろうか、てかいるよなぁ知らんヒールが置いてあるし。はあ…とりあえず、顔合わせたらまず土下座かな。」
そんなことを考えながらうつむき気味の仁根だったが、ある異変に気づいた。
仁根「…うん?ヒール?」
玄関に置かれているヒールは明らかに人用のもの。これから共同生活を始めるルームメイトの亜人は顔合わせこそ初めてだが、事前にどういう種族と暮らすかの詳しい情報は聞いていた。その情報だと、ルームメイトはケンタウロス種だったはず。ヒールが置いてあることはまずないのだ。
仁根「じゃあ、今部屋にいるのは一体…」
玄関を上がり、恐る恐るリビングへ歩み寄る仁根。一歩一歩近づくにつれ滲み出る汗を手で拭う。リビングに続くドアに手をかけ、緊張しながらも意を決して、そのドアを開ける。
??「あら、お帰りなさい。もめ事はもう解決したのかしら?」
仁根「…っ!だ、誰だ!」
リビングにいたのは、黒いスーツに身を包み、部屋の中だというのにサングラスをかけた妙に色気の漂う女性が椅子に腰かけていた。女性は、ティーカップに注がれたコーヒーを一啜りした後、仁根を見つめる
??「あぁ、これは失礼、自己紹介がまだだったわね。初めまして、私は政府から派遣された他種族間交流コーディネーターの墨須よ。よろしくね。」
仁根「他種族間交流…コーディネーター…。」
墨須「あら、聞いたことない?ホストファミリーとして許可された人だから、聞いたことくらいあると思ったんだけど。」
仁根「いや、採用試験の時に勉強はしてるからほんとに聞いたことあるだけで、確か、他種族間でのトラブルや外部との問題がないか監視・サポートする特殊機関、でしたっけ。」
墨須「そうそう、わかってるじゃない♪じゃあ話は早いわね。私が今日来たのは他でもないその他種族の子達の関係で、ね。」
再びコーヒーを一口啜ると、仁根をその鋭い目で睨む。その何とも言えない緊迫した空気に、思わず震え上がる。
仁根「ちょちょちょ、俺亜人に何もしてませんよ!?ていうかそもそも今日会うはずの亜人の人はまだ来てないみたいですし!」
墨須「そう、それよ!」
仁根「え?」
墨須「今日あなたと共に暮らすはずだったケンタウロスの子、理由あってここに住めなくなったから、私はそれを伝えに来たの。」
仁根「……え?」
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