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君と僕との

原作: その他 (原作:君の膵臓をたべたい) 作者: rokomoko
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そして日は輝き続ける

夏休みになるまでは彼女に合うことはなく、メールでのやり取りが頻繁になっていた。

「おはよう!昨日数学の宿題送ってくれない?友達と遊んだあと、疲れて寝ちゃって(笑)」
「自業自得だよ。クラスの友達にでも見せてもらいなよ」
「う~、面目ない(>_<)でも、授業一時間目だから間に合わないよ!お願い!君だけが頼りなんだよー(-人-;)」

「はぁ…、朝からなにかと思えば宿題か…」
せっかく朝の大事な読書の時間がとは思ったが、困っているみたいだし、送るか。

「はい。今度はちゃんと自分でやりなよ。」
「ありがとうー!助かったよ!今度は私が見せてあげるね!それじゃあ学校でね!」

こんな感じのメールが何件も続いた。
テレビが面白かっただの、友達の誰々がカラオケで何々してとか、僕にはどうでもいいメールばかりだったが、嫌な気分にはならなかった。
いつの間にか朝早く起きては本を読み、彼女のメールを待っているのか僕の日常になっていた。

そして、夏休みの初日に彼女に呼び出された。

ドサッ。
「どうしたの?その荷物?」
「君こそなんで手ぶら?服とはどうするの?」
「は?服?どういうこと?」
「うーん…、服は後で買えばいいか」
「どういうこと?」
さっぱり状況がわからなかったが、彼女はお構いなしに重い荷物と共に僕の手を引き新幹線へと乗り込んだ。

「説明してよ。何がどうなってるの?」
「やっぱり、どこかへ出掛けるなら遠くへ行ってみたいと思って!」
「はい!これお弁当」
そういって、彼女は先程の大きな鞄からお弁当箱を取り出した。
「手作り?どうしたの?急に?」
「いいから、食べてみて」
蓋を開けて見てみると、そのには色鮮やかな野菜やお肉が綺麗に並べられていた。
「これ君のお母さんがつくったの?美味しそうだね」
「違うよ、これつくったのは私!朝早く起きてつくったんだから残さないで食べてね!」
「…」
「毒とか入ってないよね?」
「失礼だな!君は!入ってないよ!むー!」
「それじゃあ、頂きます」
「あっ!」
「うん、美味しい」
「…よかった」
「それで?さっきの服っていうのは?」
「今回はなんと一泊二日の福岡への旅行なのです!」
「…はぁ、そんなことだろうと予想はできたけど。親御さんは心配するんじゃないの?」
「親には京子の家に泊まってるってことにしてる」
「それでも、男との二人だけの旅行は問題あるだろ」
「私は別に大丈夫だよ。ちゃんとホテルも予約してきたんだから」
「それより君はどうするの?親御さん心配するでしょ?」
「君には言われたくない台詞だよ。」
「僕は、どうにかするから心配しないでよ」
「帰るとは言わないんだ」
「…」
「そんなことより!どこに行きたい??まずはラーメン食べて、水族館いって夜はねー…」
「そんなに焦らないでよ」
「いいじゃない!スッゴく楽しみにしてたんだから」
「今日も一生分付き合ってもらうよ!」
「わかっているよ。もう慣れたから」
「あっ、そうだ!」
また、彼女は鞄から何かを取り出したと思ったら「共病文庫」であった。
彼女は彼女の毎日をそれに綴っていると言っていたが、隣で多分僕の事を書いているであろうところを見ると少し照れくさかった。

「ねぇ、君の名字は知ってるけど名前は私まだ知らないや(笑)」
「どーゆー字書くの?」
「あぁ、えっと…」
「○○だよ」
「どうしたの?」
「いや、なんか凄いなぁー!私と君が出会ったのが運命だったのかもね」
「?」
「言ってる意味がよくわからないi「まもなく福岡。福岡です。出口は…」」
「もう着いた!さ、降りる準備して!」
「そんなに急がなくても逃げていきはしないよ」
「何ってるの!時間は有限なの!時は金なりって言うでしょ?ほら!早く!」
「はい。はい。」
急がされるように何かに逃げるかのように僕たちは新幹線を降りた。

「まずは、水族館よね!」
「福岡だったらマリンワールドに行くの?」
「何元々福岡に住んでたの?」
「いや、それぐらい有名だよ。そこの水族館」
「私が一生懸命ネットで探して、秘密で計画立てたのにー」
「なんで、わかるのよ!むー!」
「いいだろ、そんなこと。それより行くなら件買わないと」
「ふっふっーん!そのなこともあろうかと、事前に予約しておいたのだー」
「おー」
「私を称えたまえー」
「…」
「なんで、無言で行っちゃうのよー!待ってよー!」

なぜか少し懐かしいような気がして、嬉しかった。

「うわー!おっきいーね!鯉!」
「静かに!君って図書館で声がいつも大きいよ」
「いいでしょ!小さくて聞こえないって言われるより大きくて胸を張っていられる方がいいでしょ!」
「君らしいね」
「君ももっとハキハキ大きな声で喋ること!」
「君のように騒がしいのさ嫌いだよ」
「でも、少しそう言うことも大切なのかなって今では思っているよ」
「えっ?」
「いや、別になんでもない」
「何それー(笑)照れないの!」 
「照れてないよ!」

二人の会話は周りのお客さんに聞こえてしまうほど大きな声ではあったが、二人はそんなこと気にせず会話を続けた。
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