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そして三人の男達を連行したあと、その場にいた古谷と赤井は再び口を開いた。
赤井「さて。彼女の様子を一目見て行きたいところだったが…あまりFBIが関与していた事を公にしない方がいいだろう。今回はここで失礼するよ。」
降谷「心配には及びませんよ。」
赤井「そうだな。…あぁ、少し君に頼みたいことがあるんだが。」
降谷「頼み?」
赤井「このUSBを彼女に渡しておいてくれないか。」
降谷「中身を見ても?」
赤井「構わんよ。いずれ降谷くんにも協力してもらわなければいけないだろう。」
降谷「話が見えませんね。」
赤井「近年例の組織がなくなってからというもの、さほど大きな組織が動いている様子はなかった。…が、少し気になる情報が入ってきてな…。彼女なら何か知っていると思って今回この合同捜査に出向いたが…まさかあんな無茶をすると思っていなかったからな…」
降谷「きになる情報?」
赤井「あぁ。ドイツの裏組織が日本で大きな取引をすると聞いてな。…ドイツ語の堪能な彼女に協力して貰いたいと思っている。…もちろん降谷くんにも協力して欲しいところだが…俺が直接頼むと君は引き受けてくれないだろう?」
降谷「それで矢神さんから僕に指令がいくように、と考えたということですか。」
赤井「そうだな。」
降谷「もしこの事を矢神さんに伝えなかったら?」
赤井「その可能性は考えていなかったよ。」
降谷「ホォ、随分とこちらを信用しているようですね。」
赤井「信用…か。そうだな。君が優秀で彼女を信用しているようだからな。」
降谷「赤井の指示に従うつもりはないが…先程ドイツと言ったな。」
赤井「あぁ。何か心当たりがあるのか?」
降谷「いや…。数ヶ月前もドイツ絡みの事件があった。…ドイツでの動きが少し多い気がする。」
赤井「やはり日本もか…」
降谷「日本も?」
赤井「アメリカでもドイツの動きが多い。…それも厄介な事件ばかりでな…医薬品関係から爆発…」
降谷「医薬品だと?!」
赤井「あぁ。PNDRという薬がばら撒かれそうになった。幸い彼女からの指示のおかげで難は逃れたが」
降谷「PNDR…日本と全く同じだ…」
赤井「やはり彼女は何か知っていそうだな。日本警察とFBI、両者の協力が必要になるだろう。…その時もまた一時休戦で君には協力してもらいたい。」
降谷「不本意ですが承諾せざるを得ない状況のようですね。」
赤井「詳細は彼女を通して連絡させてもらう。だからあまり牙を向かないでくれ。」
降谷「待て。」
赤井「?」
降谷「矢神さんは確かに優秀だ。…だが…」
赤井「疑っているか?」
降谷「その可能性も捨てきれません。…あまりにも矢神さんは情報を集めるのが早すぎる。FBIでさえ知り得ない情報、そしてドイツの組織。…何かあった時にFBIと直接連絡が取れる方がいい。」
そう言って降谷は手帳を取り出してそこに何かを書き込むと破った紙を赤井に渡した。
降谷「万が一の想定をしておきたい。」
赤井「まさか君から連絡先を渡される日が来るとはな…。ありがたく受け取ろう。…ただ一つ、彼女への疑いは必要ないだろう。…しかしそれよりも今回のように彼女と親しい人間が絡んでいた場合…君に直接連絡をさせて貰うだろう。」
降谷「親しい人間…」
赤井「PNDRの時もそうだろう。確か彼女と親しい人間が絡んでいたから無茶をした。…彼女は頭も身体能力も勘もいい。だが身内にはめっぽう弱い。時には鬼にならなければいけない時もある。そうなった時に彼女だけでは割り切れないだろう。」
降谷「そういう事ですか。」
赤井「頼んだよ、降谷くん。」
降谷「貴方に言われなくても。」
そう言って二人は別れた。
そして降谷は風見を連れて再び病院へと戻った。
病室を開けるとそこには大人しく寝ているはずの彼女…ではなく、呼吸器が繋がっているというのに体を起こして自分の荷物を探す姿があった。
風見「や、矢神さん?!」
「あ、風見さん」
降谷「矢神さん…?」
「あ、やば…」
降谷「何してるんですか!貴女死にそうだったんですよ?!手術も危なかったのになんで起き上がっているんですか!」
「あ、いや、目が覚めたので無事ですよーって連絡したかったんですけど、あ、私のスマホ知りません?」
降谷「知っていても教えません!」
風見「お願いですから矢神さん、今すぐ寝てください。降谷さん怒ってますから!!」
「あ、いやぁ思ったより傷も酷くなくて、手術が難航したのは私が駄々をこねたからで…お医者さんきっと紛らわしい言い方…」
と言いかけた時、彼女の担当医が部屋に入ってきた。
医者「えっ」
「あ、どうも」
医者「矢神さん?」
「はい?」
医者は降谷と風見を押し除ける勢いでズカズカと彼女の元まで大股で向かうと彼女に向かって声を上げた。
医者「あれほど安静だと言ったでしょう!!あなたは麻酔が覚めるのが早いだけで傷は全く持ってなおっていないんですからね?!いいですか?!大怪我ですよ?!死んでもおかしくなかったんですからね?!」
赤井「さて。彼女の様子を一目見て行きたいところだったが…あまりFBIが関与していた事を公にしない方がいいだろう。今回はここで失礼するよ。」
降谷「心配には及びませんよ。」
赤井「そうだな。…あぁ、少し君に頼みたいことがあるんだが。」
降谷「頼み?」
赤井「このUSBを彼女に渡しておいてくれないか。」
降谷「中身を見ても?」
赤井「構わんよ。いずれ降谷くんにも協力してもらわなければいけないだろう。」
降谷「話が見えませんね。」
赤井「近年例の組織がなくなってからというもの、さほど大きな組織が動いている様子はなかった。…が、少し気になる情報が入ってきてな…。彼女なら何か知っていると思って今回この合同捜査に出向いたが…まさかあんな無茶をすると思っていなかったからな…」
降谷「きになる情報?」
赤井「あぁ。ドイツの裏組織が日本で大きな取引をすると聞いてな。…ドイツ語の堪能な彼女に協力して貰いたいと思っている。…もちろん降谷くんにも協力して欲しいところだが…俺が直接頼むと君は引き受けてくれないだろう?」
降谷「それで矢神さんから僕に指令がいくように、と考えたということですか。」
赤井「そうだな。」
降谷「もしこの事を矢神さんに伝えなかったら?」
赤井「その可能性は考えていなかったよ。」
降谷「ホォ、随分とこちらを信用しているようですね。」
赤井「信用…か。そうだな。君が優秀で彼女を信用しているようだからな。」
降谷「赤井の指示に従うつもりはないが…先程ドイツと言ったな。」
赤井「あぁ。何か心当たりがあるのか?」
降谷「いや…。数ヶ月前もドイツ絡みの事件があった。…ドイツでの動きが少し多い気がする。」
赤井「やはり日本もか…」
降谷「日本も?」
赤井「アメリカでもドイツの動きが多い。…それも厄介な事件ばかりでな…医薬品関係から爆発…」
降谷「医薬品だと?!」
赤井「あぁ。PNDRという薬がばら撒かれそうになった。幸い彼女からの指示のおかげで難は逃れたが」
降谷「PNDR…日本と全く同じだ…」
赤井「やはり彼女は何か知っていそうだな。日本警察とFBI、両者の協力が必要になるだろう。…その時もまた一時休戦で君には協力してもらいたい。」
降谷「不本意ですが承諾せざるを得ない状況のようですね。」
赤井「詳細は彼女を通して連絡させてもらう。だからあまり牙を向かないでくれ。」
降谷「待て。」
赤井「?」
降谷「矢神さんは確かに優秀だ。…だが…」
赤井「疑っているか?」
降谷「その可能性も捨てきれません。…あまりにも矢神さんは情報を集めるのが早すぎる。FBIでさえ知り得ない情報、そしてドイツの組織。…何かあった時にFBIと直接連絡が取れる方がいい。」
そう言って降谷は手帳を取り出してそこに何かを書き込むと破った紙を赤井に渡した。
降谷「万が一の想定をしておきたい。」
赤井「まさか君から連絡先を渡される日が来るとはな…。ありがたく受け取ろう。…ただ一つ、彼女への疑いは必要ないだろう。…しかしそれよりも今回のように彼女と親しい人間が絡んでいた場合…君に直接連絡をさせて貰うだろう。」
降谷「親しい人間…」
赤井「PNDRの時もそうだろう。確か彼女と親しい人間が絡んでいたから無茶をした。…彼女は頭も身体能力も勘もいい。だが身内にはめっぽう弱い。時には鬼にならなければいけない時もある。そうなった時に彼女だけでは割り切れないだろう。」
降谷「そういう事ですか。」
赤井「頼んだよ、降谷くん。」
降谷「貴方に言われなくても。」
そう言って二人は別れた。
そして降谷は風見を連れて再び病院へと戻った。
病室を開けるとそこには大人しく寝ているはずの彼女…ではなく、呼吸器が繋がっているというのに体を起こして自分の荷物を探す姿があった。
風見「や、矢神さん?!」
「あ、風見さん」
降谷「矢神さん…?」
「あ、やば…」
降谷「何してるんですか!貴女死にそうだったんですよ?!手術も危なかったのになんで起き上がっているんですか!」
「あ、いや、目が覚めたので無事ですよーって連絡したかったんですけど、あ、私のスマホ知りません?」
降谷「知っていても教えません!」
風見「お願いですから矢神さん、今すぐ寝てください。降谷さん怒ってますから!!」
「あ、いやぁ思ったより傷も酷くなくて、手術が難航したのは私が駄々をこねたからで…お医者さんきっと紛らわしい言い方…」
と言いかけた時、彼女の担当医が部屋に入ってきた。
医者「えっ」
「あ、どうも」
医者「矢神さん?」
「はい?」
医者は降谷と風見を押し除ける勢いでズカズカと彼女の元まで大股で向かうと彼女に向かって声を上げた。
医者「あれほど安静だと言ったでしょう!!あなたは麻酔が覚めるのが早いだけで傷は全く持ってなおっていないんですからね?!いいですか?!大怪我ですよ?!死んでもおかしくなかったんですからね?!」
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