原村和 展開
後背は壁、常々迫りくる咲の凶手。
「京ちゃあん♡ ね?」
そんな明示性のない言葉を発しながら、咲は俺に自らのちっちゃく可愛らしい影をかぶせながら、雄々しく屹立した。
麻雀中の鬼神の如きオーラはそのままであるのだが、いつもと異なる事に、咲は精悍の仁王立ちを派手にキメて網膜にピクピク蠢くハートを這わせている。
さらには両手を左右両頬にあわせ、くねくね体をうねらせやがった。
ピンク色の背景が幻視できてしまって、オーラ色がオーラ色なだけに、打牌する時の、主人公然とした青や赤の感じは全く消えてしまっている。
加えて、猛虎と対したような恐怖感と、風俗でキモオタ童貞と相対したような貞操的にどうしようもない気持ち悪さを感じてしまう。
「京ちゃあん♡ 無言を貫くということは、OKってことだよね♡」
とか言いながら手は俺の制服をつかむ。OKなんていうのは、甚だ咲の妄想の中にしか存在しないのだが、いまは無駄な思考をする時間はない。
俺の貞操は言うまでもなく大事だが、こんな馬鹿げた状況で、さらには逆レ〇プで貞操をうしなう咲が不憫でならないのもまた事実である。
俺はもとより、世界が元にもどった時、咲は自殺とかしたくならないだろうか。
ますます咲の手は近く、俺の制服をなぞる。
咲の手による俺の制服の浸食具合は、25%といった所でいまだ余裕がある。
しかし処女であろう咲だが、童貞くさく忙しなくいやらしい手付きの所為で、服の侵食スピードら2秒で浸食率を1%あげてくる。これを思えば、泰然と事をかまえている余裕はなく、早急の行動が望まれた。
「ちょっ、おま!」
今、眼前のFPS視点またはエロゲ視点において、作中最大の描写的な危機を迎えようとしている。
R指定が15の作品なので詳述はできない。したらBANされてしまうから。だが、いままさに放送倫理的にやばすぎるモザイク状況を迎えたので、描写危機を逃れる為に、なんとか抵抗しようと手を縦横にふり回した。
そうすると手が何かにふれ、後背はガチャリという音をたて、俺と咲は体勢を崩し二人別々に倒れた。
俺がさっきまで壁だど認識していたところは、じつはドアだったのである。
「京ちゃん......?なにして、うわわわわっ!」
俺ににへら笑いを浮かべながら、ドアに体重をかけていた咲は、ドアが開くと共に体を廊下へと倒した。
「うぅぅっ! 手打っちゃったよぉ。あれ京ちゃん?」
勿論俺は咲から離れられる千載一遇のチャンスを逃すべからず、倒れこむ咲を尻目に、R18状況のズボンのチャックを締めながら急いで部室を後にした。
〓〓〓
「ハァハァ、どうにか逃げ切れたみたいだな......」
数分の遁走の後、先の目から逃れることに成功した。今は、咲から逃げ切れたことの喜びを感じながら、清澄高校2階の空き教室に身を潜めている
わずか数分程度という時間で逃げられたのは、咲のギャグめいた方向音痴に由来する。
あの方向音痴をまくのは簡単で、一瞬だけでも咲の目から逃れてやれば、音が反響する廊下の中で、咲は俺が逃げていった方向を得ることはできない。
しかしまあ、咲はよく5分近く俺を追い続けられたものだ......。普通なら10秒ともたなかったろうに。
性欲はギャグ時空をも凌駕してしまうのだろうか。
とりあえず、身体、心中共に汗だらだらだが、俺は空き教室の内で束の間の平穏を手にいれた。
〓〓〓
「しかし、これからどうしたらいいか」
それは、これから起こるであろう惨劇的事情を憂慮したからであった。
咲があんなんなら他もああだろうということだ。和、優希、染谷先輩、部長......、今みたいなのが後何回も続くことに対する寒気がしてきた。
だが、こう落ち込み続けるままではならない。現状は行動のみによって進展する。
そうだ、さっきは咲からなんとか逃げ切れたじゃないか。それに一先ずは、最重要項目である純潔の童貞保持は果たしたのだ。
だから、現状の打開案を振り絞るために、頭をフル回転させて思案することにした。
頭をひねり、ああでもないこうでもないと、俺は考え続ける。
そして、さっきのような憂慮すべき事態を回避しようとしたら、取れる手段はいくつかあることに気づく。
ひとつは、咲とか原村とか先輩とか部長とかタコスとか、このままありとあらゆる悩みの種を放棄して、頭ハッピーにして下校すること。
こうすれば俺は現状を完全に無視することで、この目の前にある難からは逃れられる。現実逃避してんじゃねぇよ、と思われるかもしれないが。
だがな、いいか読者諸君。俺の身にもなってみてくれ。
だってな、隕石が降ってくるとかの自然の脅威に人間がまともに対抗することは不可能なんだよ。咲の豹変も自然の脅威となんら変わりはないのだから、咲からの無条件撤退は一考どころか、十考の余地すらある。
明朝の地獄を無視して一度の安全をこの手に収められる、古来からニートはその方法で難を逃れてきたんだ。ニートも俺も問題を先送りにしているだけだが。
だが、ニートの末路がどうであるか等想像に難くないように、この案に問題がないとういうと、そういう訳ではない。
まず問題として考えられるのが、咲の存在だ。
咲は必ず俺を捕まえようと学校のどこかで待ち構えているだろう。それは、咲にはこの方法しか取り得る選択肢がないことから推測できる。
そして、あの方向音痴が唯一俺に取れる手段といえば、どこかでの陰湿な待ち伏せのみだ。
咲は自分の方向音痴をよくよく知っているから、自ら学校内で地理戦を仕掛けようというのは、絶対にないと思われる。
咲が俺に取る方法とは、地理感覚を必要としない待ち伏せだろう。
待ち伏せといっても学校のどこかに待機する—階段とか教室とか—のは、いかなる確率論な考察を経ても、俺が通らなければならない定点である学校の出口に劣る。
だったら咲は学校の出口において、もくもくとその性欲を高ぶらせていると、考えたくはないが、考えるのが無難だ。
今までの心内発話で、執拗に「学校の出口」と呼称し続けた理由はこの学校には複数の出口が存在するからだ。
正門、そして裏門、東門、西門と、四つの門が学校には存在する。俺が咲からの毒牙を逃れるには、この四分の一を突破しなければならない。
そこまで考えて、やはり、この案はなしだな、と思った。もしこのABCDのプラスチックの扉に勢いよく突っ込みましょうギャンブルに敗北したら、柔らかな泥土ではなく獰猛な獣さんのお腹に収まってしまってしまうのだ。考え得る敗因があるのなら、避けるべきだろう。
さて、次の案だが—
「原村和、華麗に空き教室に見参。さーて、すが君♡ 見つけました♡」
この世界では巨乳ってどう扱われるんだ......?
「京ちゃあん♡ ね?」
そんな明示性のない言葉を発しながら、咲は俺に自らのちっちゃく可愛らしい影をかぶせながら、雄々しく屹立した。
麻雀中の鬼神の如きオーラはそのままであるのだが、いつもと異なる事に、咲は精悍の仁王立ちを派手にキメて網膜にピクピク蠢くハートを這わせている。
さらには両手を左右両頬にあわせ、くねくね体をうねらせやがった。
ピンク色の背景が幻視できてしまって、オーラ色がオーラ色なだけに、打牌する時の、主人公然とした青や赤の感じは全く消えてしまっている。
加えて、猛虎と対したような恐怖感と、風俗でキモオタ童貞と相対したような貞操的にどうしようもない気持ち悪さを感じてしまう。
「京ちゃあん♡ 無言を貫くということは、OKってことだよね♡」
とか言いながら手は俺の制服をつかむ。OKなんていうのは、甚だ咲の妄想の中にしか存在しないのだが、いまは無駄な思考をする時間はない。
俺の貞操は言うまでもなく大事だが、こんな馬鹿げた状況で、さらには逆レ〇プで貞操をうしなう咲が不憫でならないのもまた事実である。
俺はもとより、世界が元にもどった時、咲は自殺とかしたくならないだろうか。
ますます咲の手は近く、俺の制服をなぞる。
咲の手による俺の制服の浸食具合は、25%といった所でいまだ余裕がある。
しかし処女であろう咲だが、童貞くさく忙しなくいやらしい手付きの所為で、服の侵食スピードら2秒で浸食率を1%あげてくる。これを思えば、泰然と事をかまえている余裕はなく、早急の行動が望まれた。
「ちょっ、おま!」
今、眼前のFPS視点またはエロゲ視点において、作中最大の描写的な危機を迎えようとしている。
R指定が15の作品なので詳述はできない。したらBANされてしまうから。だが、いままさに放送倫理的にやばすぎるモザイク状況を迎えたので、描写危機を逃れる為に、なんとか抵抗しようと手を縦横にふり回した。
そうすると手が何かにふれ、後背はガチャリという音をたて、俺と咲は体勢を崩し二人別々に倒れた。
俺がさっきまで壁だど認識していたところは、じつはドアだったのである。
「京ちゃん......?なにして、うわわわわっ!」
俺ににへら笑いを浮かべながら、ドアに体重をかけていた咲は、ドアが開くと共に体を廊下へと倒した。
「うぅぅっ! 手打っちゃったよぉ。あれ京ちゃん?」
勿論俺は咲から離れられる千載一遇のチャンスを逃すべからず、倒れこむ咲を尻目に、R18状況のズボンのチャックを締めながら急いで部室を後にした。
〓〓〓
「ハァハァ、どうにか逃げ切れたみたいだな......」
数分の遁走の後、先の目から逃れることに成功した。今は、咲から逃げ切れたことの喜びを感じながら、清澄高校2階の空き教室に身を潜めている
わずか数分程度という時間で逃げられたのは、咲のギャグめいた方向音痴に由来する。
あの方向音痴をまくのは簡単で、一瞬だけでも咲の目から逃れてやれば、音が反響する廊下の中で、咲は俺が逃げていった方向を得ることはできない。
しかしまあ、咲はよく5分近く俺を追い続けられたものだ......。普通なら10秒ともたなかったろうに。
性欲はギャグ時空をも凌駕してしまうのだろうか。
とりあえず、身体、心中共に汗だらだらだが、俺は空き教室の内で束の間の平穏を手にいれた。
〓〓〓
「しかし、これからどうしたらいいか」
それは、これから起こるであろう惨劇的事情を憂慮したからであった。
咲があんなんなら他もああだろうということだ。和、優希、染谷先輩、部長......、今みたいなのが後何回も続くことに対する寒気がしてきた。
だが、こう落ち込み続けるままではならない。現状は行動のみによって進展する。
そうだ、さっきは咲からなんとか逃げ切れたじゃないか。それに一先ずは、最重要項目である純潔の童貞保持は果たしたのだ。
だから、現状の打開案を振り絞るために、頭をフル回転させて思案することにした。
頭をひねり、ああでもないこうでもないと、俺は考え続ける。
そして、さっきのような憂慮すべき事態を回避しようとしたら、取れる手段はいくつかあることに気づく。
ひとつは、咲とか原村とか先輩とか部長とかタコスとか、このままありとあらゆる悩みの種を放棄して、頭ハッピーにして下校すること。
こうすれば俺は現状を完全に無視することで、この目の前にある難からは逃れられる。現実逃避してんじゃねぇよ、と思われるかもしれないが。
だがな、いいか読者諸君。俺の身にもなってみてくれ。
だってな、隕石が降ってくるとかの自然の脅威に人間がまともに対抗することは不可能なんだよ。咲の豹変も自然の脅威となんら変わりはないのだから、咲からの無条件撤退は一考どころか、十考の余地すらある。
明朝の地獄を無視して一度の安全をこの手に収められる、古来からニートはその方法で難を逃れてきたんだ。ニートも俺も問題を先送りにしているだけだが。
だが、ニートの末路がどうであるか等想像に難くないように、この案に問題がないとういうと、そういう訳ではない。
まず問題として考えられるのが、咲の存在だ。
咲は必ず俺を捕まえようと学校のどこかで待ち構えているだろう。それは、咲にはこの方法しか取り得る選択肢がないことから推測できる。
そして、あの方向音痴が唯一俺に取れる手段といえば、どこかでの陰湿な待ち伏せのみだ。
咲は自分の方向音痴をよくよく知っているから、自ら学校内で地理戦を仕掛けようというのは、絶対にないと思われる。
咲が俺に取る方法とは、地理感覚を必要としない待ち伏せだろう。
待ち伏せといっても学校のどこかに待機する—階段とか教室とか—のは、いかなる確率論な考察を経ても、俺が通らなければならない定点である学校の出口に劣る。
だったら咲は学校の出口において、もくもくとその性欲を高ぶらせていると、考えたくはないが、考えるのが無難だ。
今までの心内発話で、執拗に「学校の出口」と呼称し続けた理由はこの学校には複数の出口が存在するからだ。
正門、そして裏門、東門、西門と、四つの門が学校には存在する。俺が咲からの毒牙を逃れるには、この四分の一を突破しなければならない。
そこまで考えて、やはり、この案はなしだな、と思った。もしこのABCDのプラスチックの扉に勢いよく突っ込みましょうギャンブルに敗北したら、柔らかな泥土ではなく獰猛な獣さんのお腹に収まってしまってしまうのだ。考え得る敗因があるのなら、避けるべきだろう。
さて、次の案だが—
「原村和、華麗に空き教室に見参。さーて、すが君♡ 見つけました♡」
この世界では巨乳ってどう扱われるんだ......?
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