第1話「忘れられた街」
ある日、国全体を同時に大きな地震が襲った。【災厄地震】、その地震はそう呼ばれている。
この国はもうダメだと判断したようで、政府のエラい人間は国を捨てて逃げた。
だが、すべてのエラい人間が逃げたわけではなかった。
一部のエラい人間は残った。
残って、大きな打撃を受けた国を立て直そうと奮闘した。
首都やその周辺、そして重要な場所を中心にして復興を開始した。
一部のエラい人間の奮闘によって、どうにか国として立ち直った。
だが、国のすべての場所が復興したわけではない。
後回しにされた場所もある。
後回しにされた結果、復興から忘れられた場所もある。
そして、そこには復興の手は回らず『最初からこの国に、そんな場所はなかった』とされるようになった。
【忘れられた街】……復興から忘れられ、『最初から存在していない』扱いを受けるようになった場所は、いつしかそう呼ばれるようになっていた。
これは、そんな【忘れられた街】で強く生きる少女たちの物語……。
◇◇◇
夜になれば活気づくが、昼間はとても静かな区画。その区画にある建物はいくつか崩れていて使いものにならないが、原形をとどめている建物もある。
その店は、そんな区画の中にあった。
ヒビだらけの壁の建物にある店。
【妖精のいる場所】、それがその店の名前である。
店内は薄暗い。半円形のステージがあり、その前にいくつものパイプ椅子がおかれている。パイプ椅子に座っているのは男たちだ。
店内は薄暗いが、半円形のステージだけは明るかった。
ステージには1人の少女がいる。
癖のない黒髪をロングにしている、美しい少女。年齢は11歳くらいに見えた。
白いタンクトップに白いパンティという格好である。
タンクトップの布地は薄いようで、乳首の形がポッチリと浮き上がって見えていた。
パンティの方も布地が薄いようだ。少女の証しであるスリット、その形がクッキリと浮き上がっている。
そんな格好の少女ハルカは、スピーカーから流れるアップテンポの曲に合わせて体を動かしていた。
腕を振り、ステップを踏み、腰を振る。
客席の男たちは、ステージで踊るハルカに注目した。
ステージを照らすスポットライトの光は熱い。その光を浴び、体を動かしていると、ハルカの肌は次第に汗ばんでいく。
布地の薄いタンクトップとパンティは汗を吸い、少しずつ肌が透けて見えるようになっていった。
ハルカは自分を見つめる男たちの視線の中に、ある欲望が込められていくのが分かった。
タンクトップ越しではなく直接、ハルカの肌をみたいという欲望。
ハルカは美しい顔に笑みを浮かべると、踊りを止めてタンクトップの裾に手をかけた。
そして、少しのためらいも見せずに汗で濡れたタンクトップをスルリと脱いだ。
上半身裸となるハルカ。
客席にいる男たちの視線は、裸となったハルカの上半身の集中した。
ハルカの胸は、まだ膨らんでいない。ただピンク色の愛らしい乳首がツンッと目立っている程度であった。腰は、ようやくくびれはじめたという感じだ。
脱いだタンクトップを放り投げたハルカは顔に浮かべている笑みを強め、長い黒髪をかき上げる。
踊りを再開するハルカ。
【妖精のいる場所】に集まった男たちは、ハルカのようなローティーンの少女の裸をみたくて集まっていた。
ここは、ローティーンの少女専門のストリップ劇場である。
【復興された街】では違法かもしれないが、ここ【忘れられた街】では少女のストリップは合法であった。
ここは、海外扱いの土地。この国のルールは適用されない。適用されるのは、【忘れられた街】のルールだ。
【忘れられた街】のルールは、ローティーンの少女のストリップを禁止していなかった。
踊っているうちに、ハルカの肌はさらに汗で濡れていく。
汗を吸うパンティは、どんどん透けていった。
男たちの視線は、ハルカの裸の上半身から下半身に移る。ハルカはまた踊りを止め、パンティの両端に指を引っかける。
下半身に向く男たちの視線を熱く感じながら、ハルカは汗で濡れたパンティをスルリと脱いだ。その動きには、やはり少しのためらいも感じられなかった。
脱いだパンティをステージの端に放り投げるハルカ。彼女の股間は無毛だ。
ただ少女の証しであるスリットがあるだけの股間。発毛の兆(きざ)しすら、見当たらない。
男たちの熱い視線は、そんなハルカの股間に集中した。
ハルカは無毛の股間を突き出し、ソコを強調するように踊る。
彼女はステップを踏みながら半ターンし、客席に背中を向けた。客たちの視線はお尻に向く。
ハルカのお尻はプリンッとしていて、可愛らしい形であった。
可愛らしい形のお尻を突き出し、音楽に合わせて左右に振るハルカ。
ときには速く大きく、ときには小さくゆっくりと、変化を付けてお尻を振る。
男たちの視線は、右に左に振られるハルカのお尻を追う。
肩越しに見えるハルカの顔には、楽しげな笑みが浮かんでいた。
大人の男が、子どもの時分に注目している……それが楽しくて仕方がない、そう言いたげな笑み。
男たちの視線が熱くなればなるほど、ハルカの顔に浮かぶ楽しげな笑みは強くなっていった……。
ハルカは事情があって【忘れられた街】で1人で生きていた。
11歳の少女が生きるための金を稼ぐ手段は、【忘れられた街】にはいくつもある。
ストリップ劇場はその1つだ。
少女を商売の道具に使う場所は、他にもある。
だから年端もいかない少女であるハルカは、1人で生きていくことができるのであった。
◇◇◇
よく見れば、やや傾いている3階建てのビル。
1階は店になっている。取り扱っている商品は【忘れられた街】では合法である、ローティーンの少女のヌードの写真集や映像作品だ。
【エンジェル・ハウス】、それが店の名前である。
2階と3階は【エンジェル・ハウス】で扱う商品を撮影するためのスタジオとなっていた。
今、ビルの3階では撮影が行われている最中であった。
コンクリの地肌がむき出しの壁の前に、1人の少女がいる。
癖のない茶色の髪をショートにしている、どこか少年的な顔立ちの少女だ。
名前はトオル、年齢は11歳。
Tシャツにジーパンという服装のトオルは、壁の前でさまざまなポーズをとっていく。
ポーズをとるトオルを撮るのは、2人の青年カメラマンだ。
スタジオにいるのはトオルと2人のカメラマンの他、20代の半ばと思われる男もいる。
その20代半ばの男が、トオルに指示を出していた。監督役である男。
トオルは監督役である男の指示に従って、ポーズをとっていった。
やがて男は、
「トオル、シャツを脱ごうか」
という指示を出した。
トオルはその指示に従い、Tシャツの裾に手をかけるとスルリと脱いだ。
Tシャツを脱いだ動きには、少しのためらいも感じられなかった。
トオルの腰は、ようやくくびれはじめたという感じだ。
Tシャツの下には、水色のハーフトップタイプのジュニアブラを着けていた。
脱いだTシャツを放り投げ、ハーフトップとジーパンだけになったトオルは、またさまざまなポーズをとっていく。
しばらくして監督役である男……ナカガワはトオルにジーパンも脱ぐように指示を出した。
トオルはその指示に従う。
ベルトとホックを外し、ファスナーを下げる。ジーパンの両端を掴むと、Tシャツを脱いだときと同じように、少しのためらいも見せずに脱いだ。
異性の前で服を脱ぐことに、何の抵抗もないようだ。
露わになったパンティは、ハーフトップと色を合わせたもの……水色である。
いくつかポーズをとってもらった後、ナカガワはハーフトップを脱ぐように言う。
やはりトオルは少しのためらいも見せずに、水色のハーフトップを脱ぐ。
彼女の胸に、まだ膨らみはない。ただピンク色の愛らしい乳首がツンッと目立っている程度である。
カメラマンの1人、髪の毛を金色に染めている青年がトオルのそんな胸をアップで撮った。
裸の胸を撮られても、見られても、トオルは気にしない。裸を見られることに慣れている様子である。
当然と言えるかもしれない。
トオルは男たちに裸を見せることで金を稼いでいる少女であった。
ヌードモデル……それがトオルの仕事だ。
【忘れられた街】では、ローティーンの少女のヌードモデルなど珍しいものではない。
多くいると言ってもよかった。
ナカガワはパンティも脱ぐように指示を出す。
トオルはパンティの両端に指を引っかけると、スッと脱いだ。
少年と間違えてしまいそうな顔のトオルだが、パンティを脱いで股間をむき出しにすれば、間違いなく少女であることが分かる。
股間には、少年の証しがない。あるのは少女の証しであるスリットだ。
トオルの股間は無毛だ。発毛の兆しすら見当たらなかった。
金髪の青年カメラマンは、トオルの無毛の股間をアップで撮る。
トオルは後ろを向き、お尻を見せた。
少年的な顔立ちのトオル。お尻の形もどこか少年的なものであった。
それでも、可愛らしいと感じさせる形のお尻だ。
肩越しに笑みを浮かべた顔を見せながら、トオルはどこか少年的な形のお尻を突き出して強調する。
金髪の青年カメラマンは、トオルのお尻をアップで撮った。彼は今にも、トオルのお尻にむしゃぶりつきそうな雰囲気だ。
しばらくの間、全裸のトオルにポーズをとってもらった後、ナカガワは撮影を一旦止めた。そしてトオルに下着と服を着てもらう。
撮影の場所を変える。
ナカガワはスタジオ内にいくつかあるドアのうち1つを開けた。
ドアの向こうは、大きなベッドがある部屋だ。
「どうせ脱がすのに、服を着る意味あるんですか?」
ナカガワに腰を抱かれ、一緒に部屋に入ったトオルは聞く。
「脱がす楽しみってのがある」
聞かれたナカガワは、そう答えた。
2人のカメラマンも部屋の中に入り、撮影が再開される。
ナカガワはトオルと一緒に、部屋の中央に置かれているベッドの上に乗った。
ベッドの上でトオルを抱きしめるナカガワ。そのまま彼女と唇を重ねる。
「んっ……」
重なり合った唇と唇のかすかな隙間から、トオルの声が小さく漏れ出た。
ナカガワはすぐに唇を離す。トオルは小さく開けた唇の間から、ピンク色の舌を伸ばした。ナカガワも舌を伸ばす。
舌と舌が触れ合う。
ナカガワは自分の舌をトオルの舌に絡め、そしてしごいた。
「あふ……んふ……」
しごかれる舌から快感が走ってきて、トオルは甘い声を聞かせる。
トオルの方からも舌を動かす。しごき合う舌と舌。
舌同士が奏でる淫らさを感じさせる音が部屋の中に響く。
2人のカメラマンのうち1人……髪の毛を赤く染めている青年は、絡み合う舌をアップで撮った。
やがてナカガワはトオルの舌から舌を離す。彼女に万歳のポーズをとらせ、Tシャツを脱がした。
トオルの上半身は、ハーフトップだけにされる。
ナカガワの手はハーフトップをたくし上げ、膨らみのないトオルの胸を露わにさせた。
両の手のひらを使い、トオルの胸を撫でるナカガワ。
「あんっ……」
撫でられる胸から快感が広がり、トオルは甘い声をこぼす。
彼女の敏感な反応を楽しむように、ナカガワは胸を撫でる手のひらの動きを強くさせた。
「ああ……あっ」
金髪のカメラマンは、撫でられる膨らみのない胸をアップで撮る。
赤い髪の毛のカメラマンは、頬をほんのりと赤く染めて甘く喘ぐトオルの顔をアップで撮った……。
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