2話「クロガネシティ~211番道路」
クロガネジムを出発した日の夕方、僕はすでにハクタイシティに着いてジム戦を終えていた。サイクリングロードにはハクタイシティのサイクルショップと提携して自転車をその間だけ貸し出して利用できるサービスがあり、僕はクロガネシティからサイクリングロードを通ってハクタイシティに着くまでそう長くはかからず、当日にジム戦に挑むことも出来た。
ジム戦の結果だが、相性が良すぎた。マネネと新たにゲットしたポケモン・ブビィが相手のナエトルとロズレイドに効果抜群かつタイプ一致の技を繰り出す。余裕で今回のジム戦はクリアすることが出来た。
ブビィは207番道路で偶然発見したのを全く弱らせたりすることもなくゲットすることが出来た。初めて会ったにもかかわらず僕にだけは懐いてきてそれでゲットするに至ったわけだが、ブビィはとても臆病な性格でマネネとは正反対だった。
そんなブビィも活躍したジム戦を終えた後、ハクタイシティジムリーダーのナタネが声をかけてくる。
「お疲れ様!あなたのポケモン凄く強かったわ」
「そんなことないですよ。バトルを通してナタネさんの草ポケモンへの愛が伝わってきて、俺も負けてられないなと思いました」
「そういえば次どこのジムに挑戦するか決めてるの?もしテンガン山を通り抜けるなら、ちょうど良いタイミングかもね」
ナタネはそう言い、ハクタイシティのとあるビルを紹介して僕は向かう。そのビルとはニュースでも一時期話題になっていた、ギンガ団が占拠していたことのあるビルだ。
ギンガ団はその昔、あるポケモントレーナーによって野望を打ち砕かれ解散した。ギンガ団が解散した今も、そのビルは不吉だと誰も使っていない。
そんな誰もいないと思われたビルの中に1人、何やら怪しい動きをしている男がいる。年は僕と同じくらい。だが隣にはルカリオというかなり強そうなポケモンをパートナーにしていた。
「あの、あなたがナタネさんの言っていた方ですか?」
「ナタネさん?あぁもしかして、君新米トレーナーか。それで僕が任されたってわけか」
「っ初心者なのは認めますが、テンガン山を渡るにはあんたの力が必要だと聞いてここに来たんだ」
「あれ、そういう態度?要は君の力が足りないから僕に力を貸して欲しいってわけなんじゃないの?だったらどうやってものを頼んだらいいか、分かるよね」
(何て奴だ!こんな奴に頼まなくちゃいけないなんて、何が「タイミングが良い」だ!)
僕はそいつの態度に不満を募らせながらも、頭を下げて頼み込む。
「そうそう、それでいいんだよ。紹介が遅れたね、僕はコウキ。ナナカマド博士から図鑑を完成する命を受けた者さ。君は?・・・そう、良い名前だね」
コウキはそう言うと、またすぐに何かの作業に移った。
「何をしているんですか」僕がそう尋ねると、
「とっても面白いことだよ」不敵な笑みを浮かべながらそう言い、言葉を濁す。
しばらくすると、コウキは作業を止めてビルを出発しテンガン山に向かうことになった。
「マネネは僕も持っているよ、進化しても弱いから育ててないけどね」
僕は散々な悪口を叩かれながらも我慢した。テンガン山はこいつがいないと抜けることが出来ない。テンガン山は大きな岩を動かして通らないといけないところがたくさんあり、大きな岩を動かすには自分のポケモンでは無理だということをナタネに言われて、その時すでに無力だと思い知らされたのだから。
テンガン山の中間あたりでコウキが足を止め、
「ねぇ、あれを見てよ」そう言い僕の方を見ながら湖を指さす。
「あれはカイリュー?・・・とハクリューとミニリュウの群れですね。カイリューがあの群れのリーダー的立場なのかな」
「ちょっと待っててくれるかな」
コウキはそう言うとルカリオを繰り出し、なんとカイリューの方に攻撃を仕掛けるではないか!
「おい!何やってるんだよ!」
「何って、ただあのカイリューが強そうだから捕まえようと思っただけさ」
「リーダーのカイリューがいなくなったらあの群れはどうすればいいんだよ!」
「どうでもいいね。また新たなリーダーが出来るんじゃない?」
「カイリューじゃないとやっていけないかもしれないだろ!?」
「はぁ、無駄話だな。ルカリオ、冷凍パンチ」
ルカリオは冷凍パンチでカイリューを倒した。そしていとも簡単にカイリューを捕まえてしまう。群れのハクリュー達は怯えてコウキから目を離さないでいた。
「君はもう少し自分のことを考えた方が良い、弱い自分がどうやったら強くなれるかを。もし君が強かったら、僕のことを止められたかもね?」
「強くなるためにポケモンを無理やり奪うのは納得いかない。俺はポケモンを群れから無理やり引きはがすようなマネは絶対にしない」
「君は優しいね。でも、強くなきゃ何にも守れないよ」
そう言った後僕とコウキは無言のままテンガン山を抜ける。するとコウキが口を開き、
「そういえば僕がハクタイビルで何をしてたか聞いてたよね?」
「もういいってそんなこと」僕がそう言おうとしたと同時に、
「僕はあそこでマスターボールを探してたのさ。ギンガ団が各地から奪ったとされるマスターボール、利用価値があると思わないかい」
「そんな、盗んだものだぞ!?警察が許すわけない」
「でもあそこはもう誰も調べてないし、ばれなきゃいいんだよ、ばれなきゃ。まぁ僕を悪者と思ってもらって構わない。ただ僕は強いポケモンを求めるだけだし、その信念に乗っ取って行動しているだけさ」
「・・・別にお前を悪者にはしねぇよ。誰かを悪い奴にするのは、自分を正しいと思いたい奴がすることだ。お前の行動全てが悪いわけじゃないって悔しいが分かってる。お前の行動が俺の正義に反しているかどうかで俺はお前を止める。だからそれは見過ごせない、それだけだ」
僕たちはそう言い、2人で旅を続ける。
(現在手持ちポケモン マネネLv.23 ブビィLv.18)
ジム戦の結果だが、相性が良すぎた。マネネと新たにゲットしたポケモン・ブビィが相手のナエトルとロズレイドに効果抜群かつタイプ一致の技を繰り出す。余裕で今回のジム戦はクリアすることが出来た。
ブビィは207番道路で偶然発見したのを全く弱らせたりすることもなくゲットすることが出来た。初めて会ったにもかかわらず僕にだけは懐いてきてそれでゲットするに至ったわけだが、ブビィはとても臆病な性格でマネネとは正反対だった。
そんなブビィも活躍したジム戦を終えた後、ハクタイシティジムリーダーのナタネが声をかけてくる。
「お疲れ様!あなたのポケモン凄く強かったわ」
「そんなことないですよ。バトルを通してナタネさんの草ポケモンへの愛が伝わってきて、俺も負けてられないなと思いました」
「そういえば次どこのジムに挑戦するか決めてるの?もしテンガン山を通り抜けるなら、ちょうど良いタイミングかもね」
ナタネはそう言い、ハクタイシティのとあるビルを紹介して僕は向かう。そのビルとはニュースでも一時期話題になっていた、ギンガ団が占拠していたことのあるビルだ。
ギンガ団はその昔、あるポケモントレーナーによって野望を打ち砕かれ解散した。ギンガ団が解散した今も、そのビルは不吉だと誰も使っていない。
そんな誰もいないと思われたビルの中に1人、何やら怪しい動きをしている男がいる。年は僕と同じくらい。だが隣にはルカリオというかなり強そうなポケモンをパートナーにしていた。
「あの、あなたがナタネさんの言っていた方ですか?」
「ナタネさん?あぁもしかして、君新米トレーナーか。それで僕が任されたってわけか」
「っ初心者なのは認めますが、テンガン山を渡るにはあんたの力が必要だと聞いてここに来たんだ」
「あれ、そういう態度?要は君の力が足りないから僕に力を貸して欲しいってわけなんじゃないの?だったらどうやってものを頼んだらいいか、分かるよね」
(何て奴だ!こんな奴に頼まなくちゃいけないなんて、何が「タイミングが良い」だ!)
僕はそいつの態度に不満を募らせながらも、頭を下げて頼み込む。
「そうそう、それでいいんだよ。紹介が遅れたね、僕はコウキ。ナナカマド博士から図鑑を完成する命を受けた者さ。君は?・・・そう、良い名前だね」
コウキはそう言うと、またすぐに何かの作業に移った。
「何をしているんですか」僕がそう尋ねると、
「とっても面白いことだよ」不敵な笑みを浮かべながらそう言い、言葉を濁す。
しばらくすると、コウキは作業を止めてビルを出発しテンガン山に向かうことになった。
「マネネは僕も持っているよ、進化しても弱いから育ててないけどね」
僕は散々な悪口を叩かれながらも我慢した。テンガン山はこいつがいないと抜けることが出来ない。テンガン山は大きな岩を動かして通らないといけないところがたくさんあり、大きな岩を動かすには自分のポケモンでは無理だということをナタネに言われて、その時すでに無力だと思い知らされたのだから。
テンガン山の中間あたりでコウキが足を止め、
「ねぇ、あれを見てよ」そう言い僕の方を見ながら湖を指さす。
「あれはカイリュー?・・・とハクリューとミニリュウの群れですね。カイリューがあの群れのリーダー的立場なのかな」
「ちょっと待っててくれるかな」
コウキはそう言うとルカリオを繰り出し、なんとカイリューの方に攻撃を仕掛けるではないか!
「おい!何やってるんだよ!」
「何って、ただあのカイリューが強そうだから捕まえようと思っただけさ」
「リーダーのカイリューがいなくなったらあの群れはどうすればいいんだよ!」
「どうでもいいね。また新たなリーダーが出来るんじゃない?」
「カイリューじゃないとやっていけないかもしれないだろ!?」
「はぁ、無駄話だな。ルカリオ、冷凍パンチ」
ルカリオは冷凍パンチでカイリューを倒した。そしていとも簡単にカイリューを捕まえてしまう。群れのハクリュー達は怯えてコウキから目を離さないでいた。
「君はもう少し自分のことを考えた方が良い、弱い自分がどうやったら強くなれるかを。もし君が強かったら、僕のことを止められたかもね?」
「強くなるためにポケモンを無理やり奪うのは納得いかない。俺はポケモンを群れから無理やり引きはがすようなマネは絶対にしない」
「君は優しいね。でも、強くなきゃ何にも守れないよ」
そう言った後僕とコウキは無言のままテンガン山を抜ける。するとコウキが口を開き、
「そういえば僕がハクタイビルで何をしてたか聞いてたよね?」
「もういいってそんなこと」僕がそう言おうとしたと同時に、
「僕はあそこでマスターボールを探してたのさ。ギンガ団が各地から奪ったとされるマスターボール、利用価値があると思わないかい」
「そんな、盗んだものだぞ!?警察が許すわけない」
「でもあそこはもう誰も調べてないし、ばれなきゃいいんだよ、ばれなきゃ。まぁ僕を悪者と思ってもらって構わない。ただ僕は強いポケモンを求めるだけだし、その信念に乗っ取って行動しているだけさ」
「・・・別にお前を悪者にはしねぇよ。誰かを悪い奴にするのは、自分を正しいと思いたい奴がすることだ。お前の行動全てが悪いわけじゃないって悔しいが分かってる。お前の行動が俺の正義に反しているかどうかで俺はお前を止める。だからそれは見過ごせない、それだけだ」
僕たちはそう言い、2人で旅を続ける。
(現在手持ちポケモン マネネLv.23 ブビィLv.18)
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