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降谷「そういう調べ物も僕たち部下に任せればいいものを…」
「今回の件は少し薬品関係でしたので専門の知識が必要でしたから…」
降谷「成る程…それなら確かに専門の方の方が詳しいでしょうね。」
「はい…」
美弥妃は降谷の隣を通り過ぎて自分のデスクに座るなりコンビニの袋からウィダーインゼリーを取り出し、それを少し飲むとまた蓋をしてぽいっと机の隅に置いた。
次に鞄から手帳を取り出すとそのメモを見ながらカタカタとパソコンに入力して資料を作成しているようだった。
そんな彼女に降谷は近くと机の様におかれたコンビニの袋を持ち上げて中身を確認するとはぁ。と溜息をついた。
降谷の溜息が気になったのか、美弥妃は降谷と風見に向けて帰っていいと伝えた。
「すみません、私が戻ってくるの遅くなってしまって。…報告書の類なら置いてて貰えればやっておきますし、きりのいいところで切り上げて下さいね」
降谷「僕達にできる仕事はないんですか」
今までが忙しすぎたからか、彼女が来てから手持ち無沙汰で仕事人間の降谷は仕事がしたいらしい。
「今日は特に…あっ」
降谷「?」
「…」
何かを思い出したと思うと美弥妃は突然考え込んでちらりと降谷を見た。
降谷「何かあるなら言ってください」
「そ…」
降谷「そ?」
相談に乗って欲しい。その一言が言えなかった。
しかしそんな美弥妃に助け舟を出したのは意外にも風見だった。
風見「早く言った方が楽になりますよ…降谷さんに隠し事なんて今すぐやめた方がいいです。」
まるで取り調べ中の犯人に言う言葉だ。
降谷「風見、僕をなんだと思っているんだ」
風見「あ、いや、その…」
そんな二人の様子をじっと見ていた美弥妃はまた何かを考え出して「あの…」と遠慮がちにこえをかけた。
「相談があって…今回の指揮監督を降谷さんと風見さんにお任せしたいなと考えていたのですが…。降谷さんが指示係を、降谷さんの指示を部下に発信する役目を風見さんにして頂きたいのですが…」
降谷「かまいませんよ」
風見「自分もかまいませんが…。ですが降谷さんはともかく自分でいいのですか?そういうことこそ矢神さんがやった方がいいのでは…」
「それは…風見さんの方が適任ですよ。私より仕事できるでしょうし」
そういうと美弥妃は眉を下げて笑った。そして風見に耳を貸してくれたちょちょいと手招きすると風見に耳打ちした。
「降谷さんはきっと得体の知れない私より仲良しの風見さんとの方がやりやすいと思うんです。それに、剛田さんも他の方達も私が伝えるより風見さんから伝えてもらった方がイライラせずに仕事ができるでしょうから最悪の事態も避けられます」
そこまで言い終わると美弥妃は立ち上がって二人に頭を下げた。
「不甲斐ない上司で申し訳ありません。指揮監督、引き受けて下さい。お願いします。」
風見「いや、そんな、頭を上げてください」
上司に頭を下げられて狼狽える風見を横に降谷は堂々とわかりましたと言い、その後に風見を横目で見ると「風見も、いいな?」と半ば強制的に引き受けさせた。
2人が引き受けてくれたことにひどく感謝した美弥妃はありがとうございます!と再び頭を下げると顔を覆ってその場にヘナヘナと座り込んでしまった。
降谷「え、矢神さん…?」
風見「大丈夫で…」
「よかったぁぁー…」
降谷・風見「は?/へ?」
「断られたらどうしようかと思ってなかなか言えなかったんです。何十、いや何百通りの計画を立てても指揮監督が降谷さん風見さんペアでないと他の人達が計画通りに動かなくて困り果てるという結果にいきついてしまって…これで最悪の事態は避けられそうです。」
そういうと今度は勢いよく立ち上がり椅子に座りなおすと靴を放り投げるように脱ぎ捨てて椅子の上で体育座りをするとパソコンに向き合った。
「明日にはお二人専用の計画表をお渡しいたしますので!今日はもう帰って大丈夫ですよ!お疲れ様です!」
顔はパソコンに向いたままそう言うと本格的に集中し始めたようで目つきが真剣そのものにかわった。
そのあと降谷と風見が何度呼びかけても応答することはなく、仕方なく二人は帰宅することにした。
翌朝、降谷は登庁時間より1時間程早く本部に来ていた。
すると化粧室のすぐ近くの廊下でうつ伏せになってのたれ死んでいる美弥妃を見つけてあわてて駆け寄った。
降谷「矢神さん?!」
呼びかけても応答がないのであわてて彼女の顔を確認するとただ死んだように眠っていただけだった。
降谷「なんて所で寝ているんですか…」
降谷は仕方なく彼女を仮眠室に連れて行こうと抱き上げようとすると「んー」という声が聞こえたので手を止めた。
目をごしごしとこすりながら起きた彼女は降谷を見るなり「おはようございます」とのんきに欠伸をしていた。
降谷「なぜこんなところで寝ているんです」
「昨日一気に集中しちゃったものですから、化粧を落として仮眠室に行こうとしたら耐え切れなくて気が付いたら寝ちゃってました。…シャワー浴びてきます」
「今回の件は少し薬品関係でしたので専門の知識が必要でしたから…」
降谷「成る程…それなら確かに専門の方の方が詳しいでしょうね。」
「はい…」
美弥妃は降谷の隣を通り過ぎて自分のデスクに座るなりコンビニの袋からウィダーインゼリーを取り出し、それを少し飲むとまた蓋をしてぽいっと机の隅に置いた。
次に鞄から手帳を取り出すとそのメモを見ながらカタカタとパソコンに入力して資料を作成しているようだった。
そんな彼女に降谷は近くと机の様におかれたコンビニの袋を持ち上げて中身を確認するとはぁ。と溜息をついた。
降谷の溜息が気になったのか、美弥妃は降谷と風見に向けて帰っていいと伝えた。
「すみません、私が戻ってくるの遅くなってしまって。…報告書の類なら置いてて貰えればやっておきますし、きりのいいところで切り上げて下さいね」
降谷「僕達にできる仕事はないんですか」
今までが忙しすぎたからか、彼女が来てから手持ち無沙汰で仕事人間の降谷は仕事がしたいらしい。
「今日は特に…あっ」
降谷「?」
「…」
何かを思い出したと思うと美弥妃は突然考え込んでちらりと降谷を見た。
降谷「何かあるなら言ってください」
「そ…」
降谷「そ?」
相談に乗って欲しい。その一言が言えなかった。
しかしそんな美弥妃に助け舟を出したのは意外にも風見だった。
風見「早く言った方が楽になりますよ…降谷さんに隠し事なんて今すぐやめた方がいいです。」
まるで取り調べ中の犯人に言う言葉だ。
降谷「風見、僕をなんだと思っているんだ」
風見「あ、いや、その…」
そんな二人の様子をじっと見ていた美弥妃はまた何かを考え出して「あの…」と遠慮がちにこえをかけた。
「相談があって…今回の指揮監督を降谷さんと風見さんにお任せしたいなと考えていたのですが…。降谷さんが指示係を、降谷さんの指示を部下に発信する役目を風見さんにして頂きたいのですが…」
降谷「かまいませんよ」
風見「自分もかまいませんが…。ですが降谷さんはともかく自分でいいのですか?そういうことこそ矢神さんがやった方がいいのでは…」
「それは…風見さんの方が適任ですよ。私より仕事できるでしょうし」
そういうと美弥妃は眉を下げて笑った。そして風見に耳を貸してくれたちょちょいと手招きすると風見に耳打ちした。
「降谷さんはきっと得体の知れない私より仲良しの風見さんとの方がやりやすいと思うんです。それに、剛田さんも他の方達も私が伝えるより風見さんから伝えてもらった方がイライラせずに仕事ができるでしょうから最悪の事態も避けられます」
そこまで言い終わると美弥妃は立ち上がって二人に頭を下げた。
「不甲斐ない上司で申し訳ありません。指揮監督、引き受けて下さい。お願いします。」
風見「いや、そんな、頭を上げてください」
上司に頭を下げられて狼狽える風見を横に降谷は堂々とわかりましたと言い、その後に風見を横目で見ると「風見も、いいな?」と半ば強制的に引き受けさせた。
2人が引き受けてくれたことにひどく感謝した美弥妃はありがとうございます!と再び頭を下げると顔を覆ってその場にヘナヘナと座り込んでしまった。
降谷「え、矢神さん…?」
風見「大丈夫で…」
「よかったぁぁー…」
降谷・風見「は?/へ?」
「断られたらどうしようかと思ってなかなか言えなかったんです。何十、いや何百通りの計画を立てても指揮監督が降谷さん風見さんペアでないと他の人達が計画通りに動かなくて困り果てるという結果にいきついてしまって…これで最悪の事態は避けられそうです。」
そういうと今度は勢いよく立ち上がり椅子に座りなおすと靴を放り投げるように脱ぎ捨てて椅子の上で体育座りをするとパソコンに向き合った。
「明日にはお二人専用の計画表をお渡しいたしますので!今日はもう帰って大丈夫ですよ!お疲れ様です!」
顔はパソコンに向いたままそう言うと本格的に集中し始めたようで目つきが真剣そのものにかわった。
そのあと降谷と風見が何度呼びかけても応答することはなく、仕方なく二人は帰宅することにした。
翌朝、降谷は登庁時間より1時間程早く本部に来ていた。
すると化粧室のすぐ近くの廊下でうつ伏せになってのたれ死んでいる美弥妃を見つけてあわてて駆け寄った。
降谷「矢神さん?!」
呼びかけても応答がないのであわてて彼女の顔を確認するとただ死んだように眠っていただけだった。
降谷「なんて所で寝ているんですか…」
降谷は仕方なく彼女を仮眠室に連れて行こうと抱き上げようとすると「んー」という声が聞こえたので手を止めた。
目をごしごしとこすりながら起きた彼女は降谷を見るなり「おはようございます」とのんきに欠伸をしていた。
降谷「なぜこんなところで寝ているんです」
「昨日一気に集中しちゃったものですから、化粧を落として仮眠室に行こうとしたら耐え切れなくて気が付いたら寝ちゃってました。…シャワー浴びてきます」
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