沖田×桂
「ついに桂の野郎を捕まえやしたぜ」
「くっ……」
「ほれ、さっさと歩けィ」
いつも通りに江戸の街を散歩していたら、どこからともなく俺目掛けて飛んできたバズーカ。
また真選組(カス)共が懲りもせず、と思い素早く逃げようとしたら、ほんの少し、そうほんの少しの油断で……俺は真選組一番隊隊長沖田総悟にあっという間に捕まってしまい、気づけば縄で縛られ屯所まで歩かされ、今は拷問部屋に入れられてしまったところである。
「さ、ここがてめぇの部屋だ」
ドカッ
緊縛されて身動きのできない俺のことを、沖田は蹴って部屋へと入れた。
まあ、直にエリザベスが助けに来てくれるだろう……
……しかし、ここは本当に拷問部屋なのか?拷問部屋というよりは……。
「ほれ、これを詰めろ」
そう言って口に詰められたのは、さるぐつわと言う、声をたてさせないために布などを押し込んだり、かまえたりする物。これもそうだが、さっきからこの男のベビーフェイスに似合わないアダルトグッズがちらほらと見受けられる。
「むぐーっ!?」
なにをする気だと叫びたくても言葉にすることができない状態。
「へ、なにをする気だとでも言いたそうな顔ですねィ。アンタもだいたいわかってるんじゃねーのか。そんな女みたいな艶やかな髪しやがって、これからどうしてやろうかね」
女みたいな顔をしている貴様に言われたくはない。と思ったのも束の間で、己の衣服を相手の剣で引き裂かれる。
「まずは、脱いでもらおうか」
身体は傷つかず、衣服だけが綺麗に裂けていく。俺の肌があらわになってしまった。思わず目に涙が溜まってしまう。
「なんだ、泣いてんのか?反応まで女みてーなんだなァ、桂ァ」
沖田総悟の煽りとも取れる発言も、もはや耳には入ってこない。そのあらわになった肌に、今度はロウソクがゆっくりとたらされた。
「んんっ!」
「おや、熱かったかィ?熱いなら熱いって言ってくだせェよ、もっとやるから。ああ、声出すことできないんだったねィ。悪ぃ悪ぃ」
自分より年下の、しかも敵で爽やかフェイスをした野郎にこんな仕打ちを受けるのが悔しくて悔しくてたまらない。
「やめ………っ」
て、という最後の文字まで発することができなかった。
「え、なんだって?ごめーん、聞こえなかった〜」
と言って、垂らすロウソクの数と温度を増やすこの男は、まさにドSそのものだろう。真選組の一番隊隊長沖田総悟はドSという情報は本当だったのだな、と納得している場合ではない。
楽しそうに妖しそうに、そして狂ったようににやけるこの男のことを俺はとめることができないし、逃げることもできない。ああ、俺はこれからどうなってしまうのだろうか。
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