第12話「花陽、先輩とアイドル対決!?その2」
アイドル対決をすることになったかよちんとにこ先輩。
最初の対決は海未ちゃん主導のダンス対決だ。
いよいよ海未ちゃんから課題曲が発表される。
「それで、課題曲はどうするんだい?」
「私の好きな曲でいきます」
「ほぅ。それってどんな曲?」
「EZ DO DANCEです」
あたり一面に不穏な空気が漂う。「えっ、なんでそれ……?」みたいな顔をする穂乃果。
やめろ、海未ちゃんがまるでセンスないみたいじゃないか。やめろよことりちゃん。下を向くなよ!!
「EZ DO DANCE……? なんでまたそんな古い曲を」
「あ、凛知ってるよ! 腹筋がシックスパックでコアワンダーな曲だよね!」
「いえいえ、TRFの曲ですが。腹筋ってなんのことでしょうか」
にこは雑談を終わらせようと、ひとつため息をついてから話す。
「とりあえずその曲でいいわ。小泉花陽、アンタは私がコテンパンにしてやるわ!」
にこ先輩が煽る。その煽りに乗ったのはまさかの真姫ちゃん。
「花陽があなたなんかに負けるわけがないでしょ!?」
「そうにゃ! そうにゃ!」
っていうか凛ちゃん、なんでそんなノリノリなの……?
「という訳で、最初の動きです」
そう言って海未は高らかにジャンプし地面に手をつく。そして、手だけ使って逆立ちしながら回転を始めた。
「あれは……っ!?」
「どうした!? 穂乃果!!」
穂乃果は興奮しながら解説を始める。
「海未ちゃんの得意技! ウインド○ルレ○テーション!」
「なんだよそれ……」
なんで伏せ字になってるんだ。そういうアレな技なのか。各方面から文句言われても知らないからな俺。
「フッフッフ……実は私もストリート系の心得はあるのよ! 見てなさい!」
にこ先輩は負けじとそう言って回転しようとするも、うまく逆立ちができずズッコケてしまった。
全員その場で凍りついたようににこ先輩を見つめる。あんなにドヤ顔でやろうとしたのにこれかよ。そんな心情がメンバー間で渦巻く。
「えぇ……」
声に出る者もいた。
しかし、唯一何も感じなかったメンバーがいた。かよちんだ。
正直自分のパフォーマンスで頭いっぱいでにこ先輩のことは案外どうでもよかったりするんじゃなかろうか。
顔が必要以上にこわばってる。これ絶対緊張してるやつだ。
「それじゃあ私もやってみます!!」
そう言ってかよちんはおそるおそる地面に手をつく。
そして。
「かよちんすごいにゃ~!」
「すごい……!」
かよちんは見事やってのけた。なんと海未ちゃんがやったあのダンスをほいそれとやってのけたのだ。
手を地面について大胆に回る。ウッソだろお前、運動苦手なイメージあったのにどういうことだ。
それで、何も驚いているのは俺だけでなく海未ちゃんもそうだった。
「どこでそんな技身につけたんですか?」
不思議そうに問う。
「えっとね……凛ちゃんが前にダンスの練習だよって言って教えてくれたんだ……」
「えっへへ~!!」
教えてくれてどうこうなる技じゃねぇだろ。凛ちゃん何者だよ。
「それでそれで竜さんどうでした!? 良かったですよね! よね!」
かよちんがぐいぐいと迫ってくる。距離近い。
「あ、ああ、すっげーフリーダムだったぞ!」
「やったぁ!」
そして運命の審査結果。こんなの勝利は言うまでもなく。
「花陽ちゃんの勝ちだね」
「ああ」
「上に同じくね」
満場一致でかよちんの勝利だ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
次のステージは空き教室。
今回のオピニオンはことりちゃん。
「次はファッションの対決だよ!」
「ファッション!?」
驚くかよちん。それも無理はない。アイドルとファッション、あまり接点がないように思えるからだ。
しかしそういうわけではない。
「アイドルたるもの、人々を惹き付けるファッションセンスを持ってなきゃいけないと思うんだ。これは俺のアイデアだぞ」
これに真っ先に反論したのはにこ先輩。
「ぬぁんでよ! ファッションならスタイリストにでもやらせればいいじゃない!」
ごもっとも。ごもっともだが惜しい。
そのことに気付いた穂乃果がにこ先輩にささやく。
「にこ先輩」
「何!?」
「私達、スクールアイドルだよ」
そう、μ'sはスクールアイドル。プロのアイドルではない。アマチュア集団なのだ。
「スタイリストなんていないんだよ」
その言葉を聞いて焦ったようににこ先輩は返す。
「そ、そうよね! 私達はスクールアイドル! 乗ったわ!」
「私も頑張ります!」
かよちんも乗ってくれたようだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、ここからはルール説明。ことりちゃんは得意げに懐から透明なカードを取り出す。
「ここに衣装カードがあります!」
真っ先に食いついたのは穂乃果。
「わぁ懐かしい! おもちゃのカードだよね! 穂乃果も持ってるよ!」
あ、俺これ知ってる。ミル○ィーコレ○ションだ。
しかしことり曰く違うようで。
「違いまーす。ことりのお手製でーす」
「そうなんだ……」
「それでね、この勝負ではカードの組み合わせ、いわゆるコーデを作ってもらいまーす! 一番かわいい衣装を作った人が勝ち!」
一見ただの絵合わせだが、センスが問われる。これはこれで面白い勝負になるだろう。
「つまり、このトップス、ボトムス、シューズ、ヘアアクセの組み合わせが一番上手い人が勝ちなのね」
にこ先輩は相変わらず飲み込みが早い。
「そゆこと、ではいってみよー」
最初の対決は海未ちゃん主導のダンス対決だ。
いよいよ海未ちゃんから課題曲が発表される。
「それで、課題曲はどうするんだい?」
「私の好きな曲でいきます」
「ほぅ。それってどんな曲?」
「EZ DO DANCEです」
あたり一面に不穏な空気が漂う。「えっ、なんでそれ……?」みたいな顔をする穂乃果。
やめろ、海未ちゃんがまるでセンスないみたいじゃないか。やめろよことりちゃん。下を向くなよ!!
「EZ DO DANCE……? なんでまたそんな古い曲を」
「あ、凛知ってるよ! 腹筋がシックスパックでコアワンダーな曲だよね!」
「いえいえ、TRFの曲ですが。腹筋ってなんのことでしょうか」
にこは雑談を終わらせようと、ひとつため息をついてから話す。
「とりあえずその曲でいいわ。小泉花陽、アンタは私がコテンパンにしてやるわ!」
にこ先輩が煽る。その煽りに乗ったのはまさかの真姫ちゃん。
「花陽があなたなんかに負けるわけがないでしょ!?」
「そうにゃ! そうにゃ!」
っていうか凛ちゃん、なんでそんなノリノリなの……?
「という訳で、最初の動きです」
そう言って海未は高らかにジャンプし地面に手をつく。そして、手だけ使って逆立ちしながら回転を始めた。
「あれは……っ!?」
「どうした!? 穂乃果!!」
穂乃果は興奮しながら解説を始める。
「海未ちゃんの得意技! ウインド○ルレ○テーション!」
「なんだよそれ……」
なんで伏せ字になってるんだ。そういうアレな技なのか。各方面から文句言われても知らないからな俺。
「フッフッフ……実は私もストリート系の心得はあるのよ! 見てなさい!」
にこ先輩は負けじとそう言って回転しようとするも、うまく逆立ちができずズッコケてしまった。
全員その場で凍りついたようににこ先輩を見つめる。あんなにドヤ顔でやろうとしたのにこれかよ。そんな心情がメンバー間で渦巻く。
「えぇ……」
声に出る者もいた。
しかし、唯一何も感じなかったメンバーがいた。かよちんだ。
正直自分のパフォーマンスで頭いっぱいでにこ先輩のことは案外どうでもよかったりするんじゃなかろうか。
顔が必要以上にこわばってる。これ絶対緊張してるやつだ。
「それじゃあ私もやってみます!!」
そう言ってかよちんはおそるおそる地面に手をつく。
そして。
「かよちんすごいにゃ~!」
「すごい……!」
かよちんは見事やってのけた。なんと海未ちゃんがやったあのダンスをほいそれとやってのけたのだ。
手を地面について大胆に回る。ウッソだろお前、運動苦手なイメージあったのにどういうことだ。
それで、何も驚いているのは俺だけでなく海未ちゃんもそうだった。
「どこでそんな技身につけたんですか?」
不思議そうに問う。
「えっとね……凛ちゃんが前にダンスの練習だよって言って教えてくれたんだ……」
「えっへへ~!!」
教えてくれてどうこうなる技じゃねぇだろ。凛ちゃん何者だよ。
「それでそれで竜さんどうでした!? 良かったですよね! よね!」
かよちんがぐいぐいと迫ってくる。距離近い。
「あ、ああ、すっげーフリーダムだったぞ!」
「やったぁ!」
そして運命の審査結果。こんなの勝利は言うまでもなく。
「花陽ちゃんの勝ちだね」
「ああ」
「上に同じくね」
満場一致でかよちんの勝利だ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
次のステージは空き教室。
今回のオピニオンはことりちゃん。
「次はファッションの対決だよ!」
「ファッション!?」
驚くかよちん。それも無理はない。アイドルとファッション、あまり接点がないように思えるからだ。
しかしそういうわけではない。
「アイドルたるもの、人々を惹き付けるファッションセンスを持ってなきゃいけないと思うんだ。これは俺のアイデアだぞ」
これに真っ先に反論したのはにこ先輩。
「ぬぁんでよ! ファッションならスタイリストにでもやらせればいいじゃない!」
ごもっとも。ごもっともだが惜しい。
そのことに気付いた穂乃果がにこ先輩にささやく。
「にこ先輩」
「何!?」
「私達、スクールアイドルだよ」
そう、μ'sはスクールアイドル。プロのアイドルではない。アマチュア集団なのだ。
「スタイリストなんていないんだよ」
その言葉を聞いて焦ったようににこ先輩は返す。
「そ、そうよね! 私達はスクールアイドル! 乗ったわ!」
「私も頑張ります!」
かよちんも乗ってくれたようだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、ここからはルール説明。ことりちゃんは得意げに懐から透明なカードを取り出す。
「ここに衣装カードがあります!」
真っ先に食いついたのは穂乃果。
「わぁ懐かしい! おもちゃのカードだよね! 穂乃果も持ってるよ!」
あ、俺これ知ってる。ミル○ィーコレ○ションだ。
しかしことり曰く違うようで。
「違いまーす。ことりのお手製でーす」
「そうなんだ……」
「それでね、この勝負ではカードの組み合わせ、いわゆるコーデを作ってもらいまーす! 一番かわいい衣装を作った人が勝ち!」
一見ただの絵合わせだが、センスが問われる。これはこれで面白い勝負になるだろう。
「つまり、このトップス、ボトムス、シューズ、ヘアアクセの組み合わせが一番上手い人が勝ちなのね」
にこ先輩は相変わらず飲み込みが早い。
「そゆこと、ではいってみよー」
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