13
「だから皆さんに頭を下げられる原因も資格もないんです。」
狩生「矢神、それは俺たちが…」
「今更謝られたって困るんですよ!!謝られたって何一つ戻っても来ないし変わりもしない!!大変な時には誰も助けてくれなかったのに!!今更…何のつもりでっ…365日ずーっと!ずーっと!私は嫌な目で見られて、そんなこと気にしてなるべく自分という存在が皆さんの邪魔にならないようにすることと私がこんな風にされる元凶を捉えることだけ考えて生きてきて、感情も押し殺して全部全部全部我慢してきたのに!!ごめんなさいの一言でどうにかなるとでも思うんですか?!私は…私はずっと死にたかった!!死にたいほど辛くて、死ぬことさえさせて貰えなくて!!いっそ殺してくれればよかったのに!!本当は皆さんが憎くて憎くて仕方なかったんです!!何も知らないくせに!!私をこんなにボロボロにしたのに!!…今更ごめんなさいって…!!」
狩生「矢神…俺たちが悪かったんだ…許してもらえるとは思っていない。だけど…」
「……やめてくださいよ………。…あぁ、もう…何言ってるんだろ…こんなこと言わないように感情も押し殺してたのに…皆さんにこんな風に当たりたくないから黙って我慢してたのに…猫かぶっていい人してたのに…台無しだ…ハハッ…」
狩生「矢神…」
「…すみませんでした。今のは忘れてください。なんて無理ですよね。…私はこの通り最低な人間です。………組織も潰しましたし、もうこれ以上私がここにいる意味はありません。…本日限りで辞めさせていただきます。…残っている仕事もありませんし引き継ぎの必要もありませんので。…私はこれで失礼します。私物は全て処分していただいてかまいませんので。…今までお世話になりました。」
ゆりはそういって頭を下げるとドアの方へと足を進めた。そしてドアの前で立ち止まると
「狩生さん。最低でごめんなさい。狩生さんには感謝しています。ありがとうございます。…降谷さんも、組織のためとはいえ、ありがとうございました。…風見さんも、唯一話のわかる方で良かったです。…ありがとうございました。…皆、さようなら。」
そして会議室を出ていったゆりは屋上へと向かった。
降谷『さよなら…?』
ゆりのそんな言葉に嫌な予感がした降谷はすぐさま彼女の後を追いかけた。
…pi…
赤井「どうした?」
「私、仕事辞めてきました。」
赤井「それはよかった。やっと解放されるな」
「えぇ…。これでやっと…全てから解放されます」
赤井「ゆり…?」
「皆さんに酷いこと言っちゃったんです…。でも、なぜかすっきりしました。最低ですね、私…。」
赤井「そんなことないさ。当たり前のことだろう。」
「そんな風に言ってくれるのはいつだって赤井さんだけでしたね…。」
赤井「おい…」
「今日は空が青くて綺麗ですね、このまま飛べちゃいそう…」
赤井「おい、ゆり、今どこにいる」
「頑張る意味も、頑張る目的も、もうなくなった。…これで解放されるかな…?私…」
赤井「まて、ゆり。落ち着くんだ」
「私、次は普通の子に生まれ変われるかな…?…友達がいて、恋人もできて、両親もいて、普通の生活、できるかな…?」
赤井「早まるな、ゆり」
「どうして?…もう組織もいない、仕事は終わった。私が死んで困る人なんていないでしょ…?むしろ安心する人や喜ぶ人だっているかもしれない」
赤井「俺が困る。お前さんに死なれたら困る。」
「そんなこと言って、何も困らないくせに笑…私もう疲れちゃったんです。何もかも。…私が…」
…バンッ!
降谷「矢神!!」
「え…降谷さん…?」
…カツカツカツ…ガシッ…
降谷「お前…今、何しようとしてた…!」
「…死のうとしてました^^…だから、邪魔、しないでもらえますか?」
降谷「断る」
「だったらいいです、勝手に死ぬだけなので^^」
降谷「死ぬな」
「?私が死んで困るような仕事はありませんよ?」
降谷「仕事なんかどうだっていい。もう、大切な人を失いたくない…」
「大切な人?何言ってるんですか笑降谷さんにとって私は組織のために組まされたただのバディ。でも組織は壊滅して組む必要もなくなった、イコール私は大切な人ではない。そういうことですよ?」
降谷「違う!…お前は…もう俺の失いたくない人なんだ…」
「…嘘でも、最期にそんな言葉が聞けてよかったです…」
"サヨナラ"
そう言って初めて本当の笑顔を見せた彼女はまるで羽ばたくかのように両手を広げて屋上から落ちて行った。
幸にも彼女は一命を取り留めた。
が、1ヶ月近く眠り続けて目を覚ました時には…
「すみませんでした!!」
なぜかこちらを向いて謝っていた。
彼女が目を覚ましたと聞いて公安のほとんどの人間が一斉に病室に集まったのにこちらが謝る前に彼女は謝ってきたのだ。
狩生「ど、どうして謝るんだ…?」
「私…皆さんに最低なこと言ってしまって…全部自分のせいなのに…。それに何言ったかもあまり覚えていないくらいで…。みなさんにはよくして頂いてたのに…なんて最低なことを…本当にすみませんでした!」『なーんてね。』
彼女がそう言った翌日、彼女の病室はもぬけの殻で、彼女は消息を経ってしまった。
狩生「矢神、それは俺たちが…」
「今更謝られたって困るんですよ!!謝られたって何一つ戻っても来ないし変わりもしない!!大変な時には誰も助けてくれなかったのに!!今更…何のつもりでっ…365日ずーっと!ずーっと!私は嫌な目で見られて、そんなこと気にしてなるべく自分という存在が皆さんの邪魔にならないようにすることと私がこんな風にされる元凶を捉えることだけ考えて生きてきて、感情も押し殺して全部全部全部我慢してきたのに!!ごめんなさいの一言でどうにかなるとでも思うんですか?!私は…私はずっと死にたかった!!死にたいほど辛くて、死ぬことさえさせて貰えなくて!!いっそ殺してくれればよかったのに!!本当は皆さんが憎くて憎くて仕方なかったんです!!何も知らないくせに!!私をこんなにボロボロにしたのに!!…今更ごめんなさいって…!!」
狩生「矢神…俺たちが悪かったんだ…許してもらえるとは思っていない。だけど…」
「……やめてくださいよ………。…あぁ、もう…何言ってるんだろ…こんなこと言わないように感情も押し殺してたのに…皆さんにこんな風に当たりたくないから黙って我慢してたのに…猫かぶっていい人してたのに…台無しだ…ハハッ…」
狩生「矢神…」
「…すみませんでした。今のは忘れてください。なんて無理ですよね。…私はこの通り最低な人間です。………組織も潰しましたし、もうこれ以上私がここにいる意味はありません。…本日限りで辞めさせていただきます。…残っている仕事もありませんし引き継ぎの必要もありませんので。…私はこれで失礼します。私物は全て処分していただいてかまいませんので。…今までお世話になりました。」
ゆりはそういって頭を下げるとドアの方へと足を進めた。そしてドアの前で立ち止まると
「狩生さん。最低でごめんなさい。狩生さんには感謝しています。ありがとうございます。…降谷さんも、組織のためとはいえ、ありがとうございました。…風見さんも、唯一話のわかる方で良かったです。…ありがとうございました。…皆、さようなら。」
そして会議室を出ていったゆりは屋上へと向かった。
降谷『さよなら…?』
ゆりのそんな言葉に嫌な予感がした降谷はすぐさま彼女の後を追いかけた。
…pi…
赤井「どうした?」
「私、仕事辞めてきました。」
赤井「それはよかった。やっと解放されるな」
「えぇ…。これでやっと…全てから解放されます」
赤井「ゆり…?」
「皆さんに酷いこと言っちゃったんです…。でも、なぜかすっきりしました。最低ですね、私…。」
赤井「そんなことないさ。当たり前のことだろう。」
「そんな風に言ってくれるのはいつだって赤井さんだけでしたね…。」
赤井「おい…」
「今日は空が青くて綺麗ですね、このまま飛べちゃいそう…」
赤井「おい、ゆり、今どこにいる」
「頑張る意味も、頑張る目的も、もうなくなった。…これで解放されるかな…?私…」
赤井「まて、ゆり。落ち着くんだ」
「私、次は普通の子に生まれ変われるかな…?…友達がいて、恋人もできて、両親もいて、普通の生活、できるかな…?」
赤井「早まるな、ゆり」
「どうして?…もう組織もいない、仕事は終わった。私が死んで困る人なんていないでしょ…?むしろ安心する人や喜ぶ人だっているかもしれない」
赤井「俺が困る。お前さんに死なれたら困る。」
「そんなこと言って、何も困らないくせに笑…私もう疲れちゃったんです。何もかも。…私が…」
…バンッ!
降谷「矢神!!」
「え…降谷さん…?」
…カツカツカツ…ガシッ…
降谷「お前…今、何しようとしてた…!」
「…死のうとしてました^^…だから、邪魔、しないでもらえますか?」
降谷「断る」
「だったらいいです、勝手に死ぬだけなので^^」
降谷「死ぬな」
「?私が死んで困るような仕事はありませんよ?」
降谷「仕事なんかどうだっていい。もう、大切な人を失いたくない…」
「大切な人?何言ってるんですか笑降谷さんにとって私は組織のために組まされたただのバディ。でも組織は壊滅して組む必要もなくなった、イコール私は大切な人ではない。そういうことですよ?」
降谷「違う!…お前は…もう俺の失いたくない人なんだ…」
「…嘘でも、最期にそんな言葉が聞けてよかったです…」
"サヨナラ"
そう言って初めて本当の笑顔を見せた彼女はまるで羽ばたくかのように両手を広げて屋上から落ちて行った。
幸にも彼女は一命を取り留めた。
が、1ヶ月近く眠り続けて目を覚ました時には…
「すみませんでした!!」
なぜかこちらを向いて謝っていた。
彼女が目を覚ましたと聞いて公安のほとんどの人間が一斉に病室に集まったのにこちらが謝る前に彼女は謝ってきたのだ。
狩生「ど、どうして謝るんだ…?」
「私…皆さんに最低なこと言ってしまって…全部自分のせいなのに…。それに何言ったかもあまり覚えていないくらいで…。みなさんにはよくして頂いてたのに…なんて最低なことを…本当にすみませんでした!」『なーんてね。』
彼女がそう言った翌日、彼女の病室はもぬけの殻で、彼女は消息を経ってしまった。
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