110
安室はやはりなという顔でゆりを抱き上げて自分の車に乗せると自分の家へと向かった。
そして家に着くとまたゆりを抱き上げ、自分の家のベッドへと寝かせた。
「…ん…」
安室「あ、起こしちゃいましたか?」
「…え…ここ…っいっ…たっ…。」
ゆりは起き上がったが痛みが酷くて蹲った。
安室「あ、無理に起きなくていいですよ。ここは僕の家です。すみません、あまりに体調が悪そうでしたので…」
「…わっ、服も着替えてないのにごめん…。」
安室「いえ、高温で暖房をつけていらしたので服は乾いてますよ。」
「あぁ、通りで寒かったのもマシに…。」
安室「とりあえず服貸しますから着替えて下さい。あ、お風呂もよければ使ってください。」
「ごめん、シャワー浴びたい。」
安室「ちょっと待っててくださいね。お風呂お湯ためてきます。」
「あ、いい。いつもシャワーだけだから。」
安室「疲れ取れないですよ…;」
「長く浸かると立ちくらみがひどいの。」
安室「…。シャワーもお風呂はあっちです。タオルはこれ使ってください。服は…これをどうぞ。」
「ごめん、ありがと。」
ゆりはフラフラと歩いてお風呂へと向かった。
暫くするとゆりは安室の服を借りてフラフラと戻ってきた。
「ありがと。先に入ってごめんね。」
安室「いえ、かまいませんよ。」
「迷惑かけたわね。ごめん。」
安室「いえ。僕のせいでもありますから。」
「そんな責任感じないでよ。…別に悪くないわよ。私もあなたのこと調べたんだし。」
安室「いえ…。」
「私どこまで話したのかしら。」
安室「いえ、もうおおよそは聞きましたので」
「そう。…ま、でもそういうことだから、組織のこと以外は貴方に従うことにするわ。」
安室「僕は貴方の後輩にあたりますから。」
「いいわよ。ま、でも私のこの態度も悪いわね。ちゃんと敬語で話します。」
安室「今更きもちわるいですよ^^;」
「失礼ね。…ま、でもそれならこのままていいかしら。」
安室「ええ。その方がいいです。」
「…はぁ。さ、髪乾かしたら帰ろうかしら。服は後日返すわ。」
安室「今日は返せませんよ。」
「帰るわよ。これ以上厄介になるわけにはいかないわ。」
安室「そんな青い顔して帰られても心配ですから。」
「…じゃあお言葉に甘えてここで寝ていくわ。」
安室「どうぞ、ベッドで寝てください。」
「いい。家主の寝床を奪うほど態度デカくないの。」
安室「はぁ…」『後で運べばいいか…』
「それよりお酒ない?」
安室「酒は控えろと言われたところじゃないですか。」
「眠れないのよ。」
安室「今日はダメです。」
「…ケチ…」
安室「ケチで結構です。」
「…じゃあ一緒に飲も。」
安室「そういう問題じゃなくて…はぁ。何言っても無駄か…」
「ロックで♪」
安室「はぁ…」
「ごめんね。」
安室「それ1杯だけですよ。」
「はーい。」
安室「珍しく素直ですね。」
「飲んでもねれない気がするから。大分寝たわ。」
安室「たった2時間くらいですよ」
「十分ね。寝過ぎなくらいよ。」
安室「…いつも寝てないんですか?」
「そうね。だから毎日飲みまくってるわけじゃないのよ。」
安室「…病院には…」
「薬もらうだけ。あまり好きじゃないのよ。」
安室「…;高校生が無理をして…」
「ま、どうせ今さら何かしたところで治るわけじゃないしね。」
安室「…はぁ。…あなたは自分をもっと大事にするべきです。」
「いいわよ。大事にしたところで無駄だもの。使い捨て、だしね。…さすがにちょっと信用しかけてた人に言われると、こたえちゃったけど。」
ゆりはそう言ってふっと笑った。
安室「さ、それ飲んだら寝ますよ。」
「勝手に寝てて、私も適当に寝るから。」
安室「…あなたが寝るまで僕も寝れませんよ。」
「…じゃあ寝る。」
安室『ちゃんと寝れるじゃないですか…』
安室がそう安心したのもつかの間、ゆりはまた悪夢を見て起きてしまった。
「…ハァッハァッ………なんだ、夢…」
安室「大丈夫ですか」
「…バーボン…」
…コツン
安室はゆりが起き上がったベッドの隣に腰を下ろしおでこをくっつけた。
安室「熱が上がってきたみたいですね。」
「…大丈夫。」
安室「大丈夫じゃないのに大丈夫と言うのは癖ですか」
安室はため息混じりに言った。
「…さぁ。」
ゆりはゆっくり目を閉じて安室の肩にもたれた。
安室「ゆりさん?」
「…こうしてもたれてると落ち着くの。…って迷惑だな、私。」
そう言ってゆりは頭を上げようとすると安室の手でやんわり抑えられてしまった。
安室「少しくらい頼ってもいいんじゃないですか。」
「………ダメよ。」
安室「…せめて今日くらい。」
「……熱のせいよ。……」
安室「そういうことにしておきましょう^^」
「………はぁ…情けな…」
安室「え…?」
「………頼らないといけなくなるまでになってるなんて。…ほんっと、バカみたい…」
安室「………ばかですよ。」
「…」
安室「何でも1人でするより、誰かと一緒にした方が早く片付くじゃないですか。」
「………それは今のあなたもでしょう。」
そして家に着くとまたゆりを抱き上げ、自分の家のベッドへと寝かせた。
「…ん…」
安室「あ、起こしちゃいましたか?」
「…え…ここ…っいっ…たっ…。」
ゆりは起き上がったが痛みが酷くて蹲った。
安室「あ、無理に起きなくていいですよ。ここは僕の家です。すみません、あまりに体調が悪そうでしたので…」
「…わっ、服も着替えてないのにごめん…。」
安室「いえ、高温で暖房をつけていらしたので服は乾いてますよ。」
「あぁ、通りで寒かったのもマシに…。」
安室「とりあえず服貸しますから着替えて下さい。あ、お風呂もよければ使ってください。」
「ごめん、シャワー浴びたい。」
安室「ちょっと待っててくださいね。お風呂お湯ためてきます。」
「あ、いい。いつもシャワーだけだから。」
安室「疲れ取れないですよ…;」
「長く浸かると立ちくらみがひどいの。」
安室「…。シャワーもお風呂はあっちです。タオルはこれ使ってください。服は…これをどうぞ。」
「ごめん、ありがと。」
ゆりはフラフラと歩いてお風呂へと向かった。
暫くするとゆりは安室の服を借りてフラフラと戻ってきた。
「ありがと。先に入ってごめんね。」
安室「いえ、かまいませんよ。」
「迷惑かけたわね。ごめん。」
安室「いえ。僕のせいでもありますから。」
「そんな責任感じないでよ。…別に悪くないわよ。私もあなたのこと調べたんだし。」
安室「いえ…。」
「私どこまで話したのかしら。」
安室「いえ、もうおおよそは聞きましたので」
「そう。…ま、でもそういうことだから、組織のこと以外は貴方に従うことにするわ。」
安室「僕は貴方の後輩にあたりますから。」
「いいわよ。ま、でも私のこの態度も悪いわね。ちゃんと敬語で話します。」
安室「今更きもちわるいですよ^^;」
「失礼ね。…ま、でもそれならこのままていいかしら。」
安室「ええ。その方がいいです。」
「…はぁ。さ、髪乾かしたら帰ろうかしら。服は後日返すわ。」
安室「今日は返せませんよ。」
「帰るわよ。これ以上厄介になるわけにはいかないわ。」
安室「そんな青い顔して帰られても心配ですから。」
「…じゃあお言葉に甘えてここで寝ていくわ。」
安室「どうぞ、ベッドで寝てください。」
「いい。家主の寝床を奪うほど態度デカくないの。」
安室「はぁ…」『後で運べばいいか…』
「それよりお酒ない?」
安室「酒は控えろと言われたところじゃないですか。」
「眠れないのよ。」
安室「今日はダメです。」
「…ケチ…」
安室「ケチで結構です。」
「…じゃあ一緒に飲も。」
安室「そういう問題じゃなくて…はぁ。何言っても無駄か…」
「ロックで♪」
安室「はぁ…」
「ごめんね。」
安室「それ1杯だけですよ。」
「はーい。」
安室「珍しく素直ですね。」
「飲んでもねれない気がするから。大分寝たわ。」
安室「たった2時間くらいですよ」
「十分ね。寝過ぎなくらいよ。」
安室「…いつも寝てないんですか?」
「そうね。だから毎日飲みまくってるわけじゃないのよ。」
安室「…病院には…」
「薬もらうだけ。あまり好きじゃないのよ。」
安室「…;高校生が無理をして…」
「ま、どうせ今さら何かしたところで治るわけじゃないしね。」
安室「…はぁ。…あなたは自分をもっと大事にするべきです。」
「いいわよ。大事にしたところで無駄だもの。使い捨て、だしね。…さすがにちょっと信用しかけてた人に言われると、こたえちゃったけど。」
ゆりはそう言ってふっと笑った。
安室「さ、それ飲んだら寝ますよ。」
「勝手に寝てて、私も適当に寝るから。」
安室「…あなたが寝るまで僕も寝れませんよ。」
「…じゃあ寝る。」
安室『ちゃんと寝れるじゃないですか…』
安室がそう安心したのもつかの間、ゆりはまた悪夢を見て起きてしまった。
「…ハァッハァッ………なんだ、夢…」
安室「大丈夫ですか」
「…バーボン…」
…コツン
安室はゆりが起き上がったベッドの隣に腰を下ろしおでこをくっつけた。
安室「熱が上がってきたみたいですね。」
「…大丈夫。」
安室「大丈夫じゃないのに大丈夫と言うのは癖ですか」
安室はため息混じりに言った。
「…さぁ。」
ゆりはゆっくり目を閉じて安室の肩にもたれた。
安室「ゆりさん?」
「…こうしてもたれてると落ち着くの。…って迷惑だな、私。」
そう言ってゆりは頭を上げようとすると安室の手でやんわり抑えられてしまった。
安室「少しくらい頼ってもいいんじゃないですか。」
「………ダメよ。」
安室「…せめて今日くらい。」
「……熱のせいよ。……」
安室「そういうことにしておきましょう^^」
「………はぁ…情けな…」
安室「え…?」
「………頼らないといけなくなるまでになってるなんて。…ほんっと、バカみたい…」
安室「………ばかですよ。」
「…」
安室「何でも1人でするより、誰かと一緒にした方が早く片付くじゃないですか。」
「………それは今のあなたもでしょう。」
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