第5話
……考えるのはやめよう。人間、努力すればなんだってできる。リア充にだってなれる! 諦めなければ、何にだってなれるんだ!!!!
そんな俺の気持ちなんてまるで知らないかのように、自己紹介大会はテンポよく続いていく。
『――です。よろしくお願いします』
ぺこりときれいなお辞儀。すっかり名前を聞き忘れた女子生徒は、そのままゆっくりと椅子に腰を下ろした。
「はいはいはーい! ありがとうございました!!! では、最後の人、よろしくお願いしますー」
いつの間にやら自己紹介大会はだいぶ進んでいたようで、気がつけば残すところあと一人となっていた。よほど長い間考えごとをしていたらしい。
窓際の最後列の席に座る少女が、その腰まで伸びる茶色がかった髪を風になびかせながらゆっくりと立ち上がる。
丁度俺の座る席からその少女の横顔が見れるので、どんな人かと顔を横に向ける。
そして、そこにいた人物に俺は驚いた。
「……えと、仲山劉華(なかやまりゅうか)です」
ゆっくりと綺麗な声で紡ぐ言葉は、誰の耳にも聞き取りやすい美しい旋律を奏でていた。
「……趣味は……その、読書です。特技は……これといってありません」
しかし、緊張のせいか彼女の言葉はとぎれとぎれだ。
せっかくの綺麗な声がもったいない。
「……す、すいませんです。あの、よろしく……お願いします」
ところどころつっかえつつもなんとか自己紹介を終えると、立ち上がる時とは打って変わって素早い動作で座る仲山劉華。
高校に入学しても全く変わっていない様子の彼女に、俺は苦笑した。
仲山劉華。小学校入学から五年生の時に仲山が転校するまで、そして俺が進学した中学校に転入してきてから一年間の間交流があった、まあ幼馴染みたいな存在。
もっとも、中学校で再会してからはそんなに話していないけど。小学生の時は結構仲が良かったのにね。これが成長するということなのか。悲しくなるよ。
しっかし、風のうわさで学園都市内の学校に進学するとは聞いていたけど、まさか同じ高校になるとは思いもしなかった。これも運命ってやつなのかな? なんて気障なセリフをかけようかどうか悩むところだ。
「はい、みなさん自己紹介ありがとうございました。これから力を合わせて生き残っていきましょうね!」
小さくガッツポーズをする長宗我部。そんな仕草に男子達が心奪われる。俺もヤバイ。めっちゃ可愛い。お持ち帰りしたい。
「ではでは、織館(おりたて)高校一年一組全三十人、頑張っていきまっしょい! えいえい、おーっ!」
『『『『『『『 お、おぉ~……? 』』』』』』』
「元気がないですよー。さあ、みなさん一緒に! えいえい、おーっ!」
『『『『『『『 お、おぉぉぉぉぉおおおおおおおお―――――――っ! 』』』』』』』
ちびっ子先生に触発されてか、クラス中から元気のよい声があがる。
こうして、俺の織館高校での学校生活は(・・・・・・・・・・・)、幕を開けた。
ん?
大帝国学園?
適性テストに落ちたんだよ!
落ちたからこんな学園都市の端っこの学校に入学せざるをえなかったんだよ!
ここしか空いてなかったんだよ!
そんな俺の気持ちなんてまるで知らないかのように、自己紹介大会はテンポよく続いていく。
『――です。よろしくお願いします』
ぺこりときれいなお辞儀。すっかり名前を聞き忘れた女子生徒は、そのままゆっくりと椅子に腰を下ろした。
「はいはいはーい! ありがとうございました!!! では、最後の人、よろしくお願いしますー」
いつの間にやら自己紹介大会はだいぶ進んでいたようで、気がつけば残すところあと一人となっていた。よほど長い間考えごとをしていたらしい。
窓際の最後列の席に座る少女が、その腰まで伸びる茶色がかった髪を風になびかせながらゆっくりと立ち上がる。
丁度俺の座る席からその少女の横顔が見れるので、どんな人かと顔を横に向ける。
そして、そこにいた人物に俺は驚いた。
「……えと、仲山劉華(なかやまりゅうか)です」
ゆっくりと綺麗な声で紡ぐ言葉は、誰の耳にも聞き取りやすい美しい旋律を奏でていた。
「……趣味は……その、読書です。特技は……これといってありません」
しかし、緊張のせいか彼女の言葉はとぎれとぎれだ。
せっかくの綺麗な声がもったいない。
「……す、すいませんです。あの、よろしく……お願いします」
ところどころつっかえつつもなんとか自己紹介を終えると、立ち上がる時とは打って変わって素早い動作で座る仲山劉華。
高校に入学しても全く変わっていない様子の彼女に、俺は苦笑した。
仲山劉華。小学校入学から五年生の時に仲山が転校するまで、そして俺が進学した中学校に転入してきてから一年間の間交流があった、まあ幼馴染みたいな存在。
もっとも、中学校で再会してからはそんなに話していないけど。小学生の時は結構仲が良かったのにね。これが成長するということなのか。悲しくなるよ。
しっかし、風のうわさで学園都市内の学校に進学するとは聞いていたけど、まさか同じ高校になるとは思いもしなかった。これも運命ってやつなのかな? なんて気障なセリフをかけようかどうか悩むところだ。
「はい、みなさん自己紹介ありがとうございました。これから力を合わせて生き残っていきましょうね!」
小さくガッツポーズをする長宗我部。そんな仕草に男子達が心奪われる。俺もヤバイ。めっちゃ可愛い。お持ち帰りしたい。
「ではでは、織館(おりたて)高校一年一組全三十人、頑張っていきまっしょい! えいえい、おーっ!」
『『『『『『『 お、おぉ~……? 』』』』』』』
「元気がないですよー。さあ、みなさん一緒に! えいえい、おーっ!」
『『『『『『『 お、おぉぉぉぉぉおおおおおおおお―――――――っ! 』』』』』』』
ちびっ子先生に触発されてか、クラス中から元気のよい声があがる。
こうして、俺の織館高校での学校生活は(・・・・・・・・・・・)、幕を開けた。
ん?
大帝国学園?
適性テストに落ちたんだよ!
落ちたからこんな学園都市の端っこの学校に入学せざるをえなかったんだよ!
ここしか空いてなかったんだよ!
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