白雪姫
※グリム童話にそって話を書いておりますが、結末は途中の話の流れも多々違う部分がございます。
真冬凍てつくような寒さの中、窓辺でお后(おきさき)が縫物をしていました。
窓辺は黒檀で出来ており、縫物をして窓から雪を見ている間に、お后はその奥に見える赤く熟した木の実を見て、雪のように白い肌、木の実のように赤い唇の、窓枠の木のように黒い髪の子供が欲しいわ」と思いました。
その後、まもなくしてお后は女の子を産みました。
その子は雪のように白く、木の実のように赤く、髪は黒檀のように黒かったので、「白雪姫」と呼ばれました。そして、悲しいことに、子供が生まれた時に、お后は亡くなりました。
1年過ぎたころ、王様は新しい妻を迎えました。
このお后はたいそう美しい人でしたが、高慢で気位が高く、他のだれかが自分より美しいのは我慢できませんでした。お后は不思議な鏡を持っていて、その鏡の前に立ち、映っている自分を見て言いました。
風間「聞くまでもないが聞いてやろう。鏡よ、壁の鏡よ、この国で一番美しいのは誰だ?」
鏡は答えました。
沖田「知らないよ。君なんじゃない?(適当)今忙しいからどっか行ってくれる?」
風間「割ってやろうかこの鏡。」
お后は満足げでした。鏡がいくら適当でこちらを一瞥すらしないとしても、鏡の中で仰向けに寝そべって何かを読んでケラケラと笑っていようが彼が嘘をつくことはないと知っていたからです。
しかし、白雪姫は成長していくにつれて、だんだん美しくなり、7歳の時には昼と同じくらい美しく、お后自身よりも美しい姿へと成長していました。
そしてある時、お后がまた鏡に尋ねました。
沖田「あーそれね、この間までは君が一番美しいって占い結果だったけど今は白雪姫の方が美しいね。やっぱりその高慢な性格のせいじゃない?後今忙しいからいちいち聞いて来ないでよ」
それにはお后もショックを受け、そして妬みました。
自分よりもきれいな物があるだなんて許せるはずがありません。
その時からお后は白雪姫を見るたびに心臓が胸で盛り上がるくらいの動悸がして、娘を影から睨みつけるように見張るようになりました。
風間「我妻め…俺よりも美しい存在になろうとは…」
それを影から見ていた鏡は嫌そうに顔を歪めると近くにいた兵隊にこそこそっと話し掛けます。
沖田「お后って実はストーカー気質なんじゃないかな?通報していいと思う?」
南雲「いいんじゃないかな。隙をついてさくっと殺っちゃおうよ」
沖田「そうだね。いい加減毎日毎日千鶴ちゃんが怪我してないかとか鏡に映すようにせがんでくるの鬱陶しいし」
南雲「君ってそういう役割で使われるものだっけ?」
その日の夜、お后は猟師を呼びつけ「アイツを森へ連れて行け。そこで何かに襲われたところで俺が華麗に助けに出て「素敵」と思わせる場面を作り出すのだ」と言いました。
猟師はそんなお后にドン引きながらも、命令に従い白雪姫を城下町にある森へと連れて行きました。けれど、そこで怖い思いをさせるのも可哀想だと思った猟師は、連れ帰った後でもあのお后のいる城に閉じ込めておくのも不憫だと思い直し、「逃げなさい」と言いました。
そして、猟師はお后に「白雪姫をうんと遠くの隣町の森へ置いてきました」と伝え、走り去っていくお后を見送りながら出来るだけ早く白雪姫がお后から逃げられるようにと祈ります。
白雪姫は先に森を出て行ってしまった猟師に、不安になりながら森の中を歩き回ります。
そして、森にたった一軒だけある小屋の前へとたどり着きました。
誰かいるだろうか。白雪姫は小屋に近付くとトントン、と扉を叩き中の様子を伺います。けれどいくら待っても何の返答もありません。
雪村「誰もいないのかな」
そう呟き、その場を後にしようとした白雪姫は風でキイキイ、と音を立てた扉に、少しだけ好奇心が勝りそっと中を覗き込みます。
小屋の中はあらゆるものが小さく、そして綺麗に整えられていました。
部屋の中央には食卓があり、その上には白いカバーがかぶっていて、7枚の小さなお皿がのっています。それぞれの皿には小さなスプーンがあり、さらに7つのナイフやフォーク、カップが置いてありました。壁際にはこれまた小さな7のベッドがあります。
白雪姫は扉の隙間からそれらを見ていましたが、やがて人の家を覗き見ていた事を恥じ、そっとその場を離れようとしたときです。
藤堂「あれ、誰だ?左之さん、今日誰かお客さんでも来る予定あったっけ?」
原田「知らねぇなぁ。土方さん、近藤さんからそんなこと聞いてたか?」
土方「いや、聞いちゃいねぇが。斎藤、聞いていたか?」
斎藤「いえ、俺も特には聞いていません。」
ぞろぞろとやってきたのは7人の小人たち。
子の小人たちは山を掘って鉱石を探していた小人でした。
彼らは白雪姫を見て口々にそう言うと、白雪姫は今までの経緯を話します。
母親の代わりに城にやってきたお后に四六時中見張られていて、それを気の毒に思った猟師がここへ逃がしてくれたのだということや、そこでこの小屋を見つけて誰かいないかと声を掛けていたのだという事も。
土方「そりゃとんだ災難だったな。中に入れ、外は冷え込む」
小人たちは事情を知り、そして城に住まう姫の事は知っていた為中へと案内するとひとりの小人が「じゃあ行く宛がねぇのか?」と白雪姫に尋ねます」
藤堂「そうなのか?ならここに住めばいいじゃねぇか」
斎藤「そんな無責任なことを言うものじゃないぞ平助。」
藤堂「だってさ、俺らだって困ってたじゃん。コイツが料理と洗濯に掃除をやってくれたら俺らは仕事に専念できる。こいつも森をさまよわなくて済む。」
斎藤「しかし…男所帯に女を招くことなど」
山南「まあまあ、斎藤君。良いではないですか。こんな幼気な少女を森へ放つのも良心が痛むというもの。彼女がいいのならば、ここに住んでもよいのでは?」
土方「山南さんが言うなら俺は反対しねぇよ。近藤さんもきっと見捨てねぇと思うしな」
原田「そうと決まれば自己紹介からだな」
後からやって着た近藤と永倉も、白雪姫を歓迎し、7人と白雪姫はこの森の小屋で一緒に住むことになりました。
つづく
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