第三十七話 近況報告
風呂上がりに食べるルブラン・カレーは最高だった。怪盗団のメンバーとSNSを交わしながら、ゆっくりとカレーを食べていく。行儀が悪いが、至福の時ではある。
『けっきょく、双葉はマンガ研究会……ってのに、入ったらしいぜ』
『そーだー、私は、同好の士を得たぞー!!みんな、眼鏡フレンズでもある!!』
『部活動かー、私はそういうのしてないのよね。モデルの仕事のために、鍛えてるぐらいだけど?』
『モデル……ふむ。絵のモデルを、探さなければな』
『モデル。祐介は本当にマジメというか、流れを読まないわね』
『真に言われるか』
『え?私、流れ読んでいると思うケド……?』
『真は、合気道の達人だしなー』
『合気道って、相手の流れを読んでブン投げるような武道なんだけど……』
『深読みすんなっつーの。それで、春はどんなカンジ?』
『そうだね。大学生って、自分で受ける授業とか選べるから、ワクワクというか、ちょっと混乱はする。自主性が重んじられてるカンジ、かな?』
『マジメなコメントだー……』
『竜司に杏も、進学のためにも成績を上げるようになさい』
『わかっちゃいるけど、そう簡単に上がってはくれないのよね。英語があるから、助かっているけど』
『オレは体育が……って、そんなもん受験には役立ちそうにねえなあ。ぶっちゃけ、就職も有りかもって思ってる』
『個人の選択だしね。それも悪くはないけれど、目先の目標が無いなら、とりあえず勉強しなさい』
『真がマジメ過ぎる……マザーみたいだ』
『双葉、からかわないの。私は子供いるような年じゃないわよ?』
『おけー』
『それで。双葉、学校はどうだったの?』
『まあ、シュージンは悪くないぞ。同好の士も出来たし……頑張るためのモチベーションもあるんだ』
『そうなんだね。双葉ちゃん、学校に適応しているようで、良かったよ』
『春は癒やしだなー……で。蓮は?』
……蓮は今日、起きたことをかいつまんで説明した。
『女の子を家に招くか……さすがは、オレたちのレンレンっていうか……』
『やるな。さすがだぞ』
『……え?褒めるところなの?ていうか、その子もちょっと迂闊というか……』
『蓮、エッチなことをしちゃダメだぞ?』
『え、えっちなことって……いきなり初日で、そんなことはしていないよね、蓮くん?』
『してない。モルガナもいるしな』
『モナがいなかったら、あんなことやこんなことに!?つ、通報だーっ!!』
『落ち着けって。まあ、いいじゃないの?オレたちのレンレンが、故郷で楽しく過ごせそうってんならさ?』
『そうだ。故郷で受け入れられないのではないかと、心配していたんだぞ?』
『まあ。それはそうよね。たしかに、そこはちょっと心配だったから、安心した』
『……でも。不純異性交遊は、元・生徒会長としては見過ごせないわね。エッチなことは、しないように』
『了解した』
『……あー。こえーよ。レンレンの恋愛が、真に遠隔管理されてる……』
『……うむ。少し、怖いな……』
『男ども、黙りなさい』
『……すみません。真サンは怖くないです』
『……ああ。真は、正論を語っている……しかし、本当に故郷で受け入れられて、良かったぞ』
『心配をかけたな、祐介』
『フッ。なあに、お前の器用さは知っている。ヒトを引きつける魅力を持っていることもな』
『そうだね。蓮くんは、私たちのリーダーだった。皆の心を惹きつけられるもの。だから、きっとそっちでも大丈夫だね』
『ああ。春も元気そうで良かった』
『うん。皆、順調なスタートってカンジかな?』
『そーみたいだー。私も、オタクな友だちが出来て、学校生活がワクワク!』
『部活動だけじゃなく、幅広い人間関係を築けるようになるのも、学校生活で学び取るべきことですからね』
『わかってるよー。でも、まあ、リハビリの一歩目じゃん。私の社会復帰の』
『そうね……でも、双葉は賢いし、趣味の合う友だちもいれば、大丈夫。問題なのは、竜司ね。バカだもの』
『ストレート過ぎるだろ!?』
『たしかにな』
『こら、蓮。同調するんじゃねーよ!?』
『あはは。竜司、勉強を見てやろうか?』
『うぐ。新入生だけど、双葉の方が絶対に賢いって分かるのが情けねえ……ッ』
『勉強あるのみだよ、竜司くん。私が使っていた参考書とか、送ってあげるね』
『ああ、春はやっぱり癒やしだな……でも、まあ……オレの学力はともかく。皆、それぞれの新生活に適応できてるようで、何よりだよな!』
『そうだよね!……離れ離れになっているのは、さみしいけれど。皆が、今日あったことを話し合えもするし……うん。なんだか、安心した』
『そうね。でも、新生活に体は慣れていないわ。夜風も冷えるし、体調管理には気をつけましょう』
『そうだよね。じゃあ、そろそろ。皆、また明日ね!』
真と春の大学生コンビのメッセージで近況報告には終止符が打たれた。
『皆、元気そうで何よりだな』
「ああ。だけど、確かに夜は少し冷えるな……」
『そうだな。意外と、冷える……まだ、早いけれど。さっさと寝ちまうか?二日連続での遅刻は、神代殿に多大な迷惑をかけるし……信用を大きく失ってしまうぞ?』
「分かっている」
『うむ。戸締まりして、さっさと眠ってしまおう……今日は、何というかボリューム満点な一日ではあったし……それに、あの変な鐘も聞いちまったしな』
「……七不思議の鐘か」
『まあ、ただのウワサだ。気にする必要はないと思うが……何か、疲れてしまってな』
「……真の言う通り、新しい生活に、まだ体もリズムも慣れていないということだろう」
『そう思う。賢いヤツの言うことを聞いて、さっさと眠っちまおうとしようぜ』
『けっきょく、双葉はマンガ研究会……ってのに、入ったらしいぜ』
『そーだー、私は、同好の士を得たぞー!!みんな、眼鏡フレンズでもある!!』
『部活動かー、私はそういうのしてないのよね。モデルの仕事のために、鍛えてるぐらいだけど?』
『モデル……ふむ。絵のモデルを、探さなければな』
『モデル。祐介は本当にマジメというか、流れを読まないわね』
『真に言われるか』
『え?私、流れ読んでいると思うケド……?』
『真は、合気道の達人だしなー』
『合気道って、相手の流れを読んでブン投げるような武道なんだけど……』
『深読みすんなっつーの。それで、春はどんなカンジ?』
『そうだね。大学生って、自分で受ける授業とか選べるから、ワクワクというか、ちょっと混乱はする。自主性が重んじられてるカンジ、かな?』
『マジメなコメントだー……』
『竜司に杏も、進学のためにも成績を上げるようになさい』
『わかっちゃいるけど、そう簡単に上がってはくれないのよね。英語があるから、助かっているけど』
『オレは体育が……って、そんなもん受験には役立ちそうにねえなあ。ぶっちゃけ、就職も有りかもって思ってる』
『個人の選択だしね。それも悪くはないけれど、目先の目標が無いなら、とりあえず勉強しなさい』
『真がマジメ過ぎる……マザーみたいだ』
『双葉、からかわないの。私は子供いるような年じゃないわよ?』
『おけー』
『それで。双葉、学校はどうだったの?』
『まあ、シュージンは悪くないぞ。同好の士も出来たし……頑張るためのモチベーションもあるんだ』
『そうなんだね。双葉ちゃん、学校に適応しているようで、良かったよ』
『春は癒やしだなー……で。蓮は?』
……蓮は今日、起きたことをかいつまんで説明した。
『女の子を家に招くか……さすがは、オレたちのレンレンっていうか……』
『やるな。さすがだぞ』
『……え?褒めるところなの?ていうか、その子もちょっと迂闊というか……』
『蓮、エッチなことをしちゃダメだぞ?』
『え、えっちなことって……いきなり初日で、そんなことはしていないよね、蓮くん?』
『してない。モルガナもいるしな』
『モナがいなかったら、あんなことやこんなことに!?つ、通報だーっ!!』
『落ち着けって。まあ、いいじゃないの?オレたちのレンレンが、故郷で楽しく過ごせそうってんならさ?』
『そうだ。故郷で受け入れられないのではないかと、心配していたんだぞ?』
『まあ。それはそうよね。たしかに、そこはちょっと心配だったから、安心した』
『……でも。不純異性交遊は、元・生徒会長としては見過ごせないわね。エッチなことは、しないように』
『了解した』
『……あー。こえーよ。レンレンの恋愛が、真に遠隔管理されてる……』
『……うむ。少し、怖いな……』
『男ども、黙りなさい』
『……すみません。真サンは怖くないです』
『……ああ。真は、正論を語っている……しかし、本当に故郷で受け入れられて、良かったぞ』
『心配をかけたな、祐介』
『フッ。なあに、お前の器用さは知っている。ヒトを引きつける魅力を持っていることもな』
『そうだね。蓮くんは、私たちのリーダーだった。皆の心を惹きつけられるもの。だから、きっとそっちでも大丈夫だね』
『ああ。春も元気そうで良かった』
『うん。皆、順調なスタートってカンジかな?』
『そーみたいだー。私も、オタクな友だちが出来て、学校生活がワクワク!』
『部活動だけじゃなく、幅広い人間関係を築けるようになるのも、学校生活で学び取るべきことですからね』
『わかってるよー。でも、まあ、リハビリの一歩目じゃん。私の社会復帰の』
『そうね……でも、双葉は賢いし、趣味の合う友だちもいれば、大丈夫。問題なのは、竜司ね。バカだもの』
『ストレート過ぎるだろ!?』
『たしかにな』
『こら、蓮。同調するんじゃねーよ!?』
『あはは。竜司、勉強を見てやろうか?』
『うぐ。新入生だけど、双葉の方が絶対に賢いって分かるのが情けねえ……ッ』
『勉強あるのみだよ、竜司くん。私が使っていた参考書とか、送ってあげるね』
『ああ、春はやっぱり癒やしだな……でも、まあ……オレの学力はともかく。皆、それぞれの新生活に適応できてるようで、何よりだよな!』
『そうだよね!……離れ離れになっているのは、さみしいけれど。皆が、今日あったことを話し合えもするし……うん。なんだか、安心した』
『そうね。でも、新生活に体は慣れていないわ。夜風も冷えるし、体調管理には気をつけましょう』
『そうだよね。じゃあ、そろそろ。皆、また明日ね!』
真と春の大学生コンビのメッセージで近況報告には終止符が打たれた。
『皆、元気そうで何よりだな』
「ああ。だけど、確かに夜は少し冷えるな……」
『そうだな。意外と、冷える……まだ、早いけれど。さっさと寝ちまうか?二日連続での遅刻は、神代殿に多大な迷惑をかけるし……信用を大きく失ってしまうぞ?』
「分かっている」
『うむ。戸締まりして、さっさと眠ってしまおう……今日は、何というかボリューム満点な一日ではあったし……それに、あの変な鐘も聞いちまったしな』
「……七不思議の鐘か」
『まあ、ただのウワサだ。気にする必要はないと思うが……何か、疲れてしまってな』
「……真の言う通り、新しい生活に、まだ体もリズムも慣れていないということだろう」
『そう思う。賢いヤツの言うことを聞いて、さっさと眠っちまおうとしようぜ』
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