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貞操逆転in 咲 京ちゃんは淑女なのか?

原作: 咲-Saki- 作者: リョーマ
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原村和 展開 3

「そう、教室がこんな狂騒だったわけですから、女子高生より明らかにモラルが欠落した職員室なんて……。語るまでもなく、淫語ニルバーナです」



「先生という教室の支配権力がわたしたちと同じ状況だったわけですから、当然、私を含めたクラスの女子全員はハッピーすぎてトリップ状態です。だれそれくんはかっこいいからはじまって下世話な話まで。性に関する神羅万象の話が惜しげもなく繰り広げられていました。そのピンク具合は桜舞い散る名勝のようでしたね」





「そして、この狂騒はある『話題』をもって収束します。性に関する話が女性的に収束するといえば、一つしかないでしょう。もちろん、チ〇ポです」




「え、なにをそんなに驚かれることがあるのですか? ほら、男の子だってそうでしょう? 胸が大きいとか小さいとかで日夜語り過ごすことがのが男なのだと、私ネットでみたことがあります」




「まさに、それの女性版です。ま、下世話の終着点、結実だとすれば何ら違和感はないでしょう」


「それで、さっきのチ◯ポが大きい男の子のようにですね、女性徒が生活一般で見聞きしたクラス中の男子のチ〇ポ情報を、口伝でクラス内にチ◯ポ情報ネットワークとして集約させていったのです」





「いやぁ、あれは圧巻でしたね」





「集約された情報はわたしたちの芸術となって教室にあらわれました」


「まずはじめに、教室の先生が発狂しながらえっちなチ〇ポ小説をながながと黒板にかきつけました」


「それを皮切りに、ほかの女生徒が絵、音楽、詩を遊びだし、あの破廉恥さと混迷さといったらまるで天照大御神の天岩戸のようでしたね。実際の天照大御神もたまったもんじゃなかっただろうと、あの狂騒を見て感じてしまいました」




「私もテンションが爆上がりでしてね、それはもうたくさんの……」




「あれ? すがくんどうかしました? 顔が青ざめていますけれど。『もうこれ以上はききたくない』、あら、そうですか。じゃあ話をちょっと飛ばしますね」




「ある時、私たち、クラス中の興奮しきった女子たちは壁にぶち当たったのです。それは、男子たちの顔が青を通りこして、白とか無色になっていたときのことだったとおもいます」




「そこで一つの深刻な問題が発生しました。チ〇ポの<美>についての問題です」




「切実な悩みでありました。チ〇ポの何を美しいと思うか、というのは即ちチ〇ポ的なイデオロギーの問題だからです」




「なぜ切実な問題なのか。イデオロギーが集団の間で合致していなければ、集団はかならず瓦解してしまうからです。現代アメリカでもいまだ人種間差別が存在するように、思想信条がバラバラな状態で存在するというのは本質的な、共存においての不可能性を孕むのです」




「それゆえ、私たちはチ〇ポ美学的なイデオロギーの統合を急がなければならなかった。クラス中のだれもがこの性欲的に甘美な楽園を壊したくなどなかったから」




「そして、私たちは、この問題に対処するために、教室の中央で各々のチ〇ポ論を語る座談会を開催しました。わたしも座布団片手にご臨席賜りました」




「この座談会の論題は『チ〇ポにおける美とは何か』、この目的に皆さんなんの異議を申し立てなかったので、この危機意識的な議題は各人にとって重要な論題だったのでしょう」




「ですが、正直に言うとですね、私はこの座談会に考えなしで、つまり勢いで参加してしまったのです」




「本当はこの座談会に力なきもの(性についての見識をもちあわせていないもの)が参加してはいけなかった。だけれど、私はこの現象の原因、発起人ともいえる人物です。それと、なんだか、私には使命感というものがありました、“あの出来事”が突発的で神秘性を帯びているできごとだから、これは神さまの啓示といってもいいのかもしれないと思ったのです」


「とにかく、私はこの座談会に参加しなければならなかった」




「だから、わたしはこれといったチ〇ポ論を持ち合わせているわけではなく、この会議に参加してしまいました。然してこれ、つまり私による、私のための私のチ〇ポ論を作り上げるということ、それが私にとって解決すべき喫緊の課題になるのでした」




「これは個人的で非常に困難な思索的作業です。ですが、不可能ではないと私は思っていました。私自身が努力できる確信をもっていたし、何よりも神さまのご加護があるのだからと安心していました」





「しかしながら、作業は遅々として進まず、座談会の他者の発言を聞いている間、私は悩みに悩みました。座談会は熱気を帯び、一人ひとりの参加者の目は知性によってピンク色に染まっていました。各論は、この筆舌に尽くしがたい狂騒の中でも、確固とした論理性を保ち、私たち座談会員に素晴らしいチ〇ポ美学のお話を聞かせていただきました」




「あと少しで私の番がまわってくるときです。私はこまり果てていました。私は、いまだありあわせで幼稚なチ〇ポ論しか練り上げていなかったからです。それは私の努力を私自身が裏切ることになるし、何よりも神さまのご期待に添えなくなってしまう。本当に本当に悔しくて泪がこぼれてきそうでした」
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