パラ萌えな彼【七ツ森実】年齢フリーエロなし独白
昨日、街角で流行りのファッションに身を包んだ彼女をみた。楽しそうに校内でよく見かけるアイツの頬をつついたり腕を引っ張ったりしていて、なんだか無性に困らせたくて意地悪したくなったからって…訳じゃない。
なんか……そこに自分がいないのが切なくてくるしくて…悔しい…けど。自分の位置からじゃアイツの顔はよく見えなくて、…でも。
どうせ、まんざらでもない顔して彼女をみているんだろうってことぐらいは察しがつく。
たまたま、見かけた楽しそうな彼女のデート。あのときの様子を思い出しただけでも、信じられないぐらい、ざわつく感情に引くぐらい抑えが効かない。
校内で、彼女の顔を眺めてるだけでも、十分満足だと思ってた……ハズだけど?欲張りになった?
あれはやっぱり、初っぱなが…良くなかった。仲良くしたいなら別の話題にすべきだった。つくづく、言葉選びが下手で不器用な自分に納得のヘタレ感を感じる。話しかけるだけで精一杯って……なに?
ホント…バカみたいにカッコつけてあんなこと、言わなきゃよかった。なんで秘密にしてなんて言ってしまったんだろう?彼女なら無闇に俺の素性をバラすようなヤツじゃないってこと……ぐらいわかってた。
…そんなことわかってた、……ハズなのに。
「はぁ。ここ、学校だろ?」
やけに空しい独り言も校舎のなかだとリアルに大きく、響いた気がした。教室に入れば同級生として堂々と、彼女のことを眺める絶好のチャンスだ。我ながら思考回路が……ヤバい。
今日は、どんなアイテムの話でツインズやアイツと盛り上がってんのか楽しみにしてたハズだ。みちるさんもひかるさんも同業だし?2人の話についていけるってだけでも十分?
それでも、何だかんだと言い訳しながら無意味に賑やかな教室の窮屈な席で、めんどくさいふりして彼女を眺めるのが、たまんない。今でもちょっとしたマイブームで……癒しだ。
思わず自分の、呆れるぐらいキモいストーカー素質にゾッとして、同じ校内の同級生なんだからアリでしょって脳内で庇った自分に笑った。彼女とは、学校で少し話してちょっとデートした知り合い程度だったら、なおさら。
学校にいる彼女は、流行りものが好きでオシャレに敏感で、楽しげだ。キラキラくるくる輝く表情や姿ににいつの間にか目で追いかけて、気になる存在になっていたのは……いつの頃からだろう。
うっかり彼女が、落とした雑誌をわざと拾って声かけたぐらい、話すきっかけ探してたハズなのに、…結局。チャンスをモノに出来なかったってこと?
結局、思い上がって自分のことばかりで、あんたが俺に興味を持たないって選択肢があることまでは、わからなかった。マジであのときは正直、ここまでハマるなんて想像してなかったと……思う。
卑怯なくらいちょっと可愛くて、にぶくて。優しいあんた。
実際、デートのとき何度もウザイうるさいって言ってしまいそうなことも…あったし?だけど。
……だけどさ。
急に最近、周りが静かになったことに気が付いて、……また。
いつの間にか、無意識に目で追いかけている自分に気が付く。こんなにも、胸がざわつくこと、正直いままでになかったのに。
必死に目で追いかけてきてなんとなく自分でもわかっていることは、たいていいつも彼女は、アイツと一緒にいるってこと……。正直、もしかしたら勝ち目なんてどこにもない気がするけど……。
……でも。
そう。それでも。少しでいいから彼女の視界に入っていたいと思う。
…だから。
そう。だから、少しでも爪痕残してみたい。彼女の心のなかに、確かに俺がいた痕跡みたいなもん?残してみたいって思うじゃん?
天然っていうか、フワッとした彼女なら気にも止めないかも知れない、小さな痕跡なんだけど、さ。
すごく単純にほんの、一瞬でもいい。
なんだっていい。どんなことだっていいんだ。彼女の記憶のなかに、小さなシミを作るみたいに、きえないあとを残してみたいって思う。バカみたいで正直ハズいし、情けないけど。
今さらだって、……思うけど。
巻き戻せるなら。……彼女の視界に俺がしっかりうつってた時間軸まで。
「…あのさ」
彼女を呼び止めるだけで、バカみたいに……心臓がはねあがる。待ち合わせの場所が「アルカード」って、ハッキリ言えたかどうか、わからないぐらいだ。
放課後に階段の踊場で、振り返った彼女の笑顔と残り香が今でもリピートして身体じゅうが甘く痺れる。さっきまで騒々しく賑やかに囃し立てていた校内の喧騒が、びっくりするくらい静かに一瞬、ときが止まってしまったかのようだった。
ホント、あんたなにもんなの?俺を……壊す気?
……俺がさ。「好みのタイプ」だよって言ったらさ。あんたどんな顔すんだろう?
…だって。あんたは気が付かないだろ?それとも、わかってても気が付かなかったフリでも、すんの?
マジになってもいいかなんて聞くべきじゃない?あんたが好きなアイツから横取りしたい訳じゃないんだ。
ただ、あんたの視界に入りたいだけ。
【完】
なんか……そこに自分がいないのが切なくてくるしくて…悔しい…けど。自分の位置からじゃアイツの顔はよく見えなくて、…でも。
どうせ、まんざらでもない顔して彼女をみているんだろうってことぐらいは察しがつく。
たまたま、見かけた楽しそうな彼女のデート。あのときの様子を思い出しただけでも、信じられないぐらい、ざわつく感情に引くぐらい抑えが効かない。
校内で、彼女の顔を眺めてるだけでも、十分満足だと思ってた……ハズだけど?欲張りになった?
あれはやっぱり、初っぱなが…良くなかった。仲良くしたいなら別の話題にすべきだった。つくづく、言葉選びが下手で不器用な自分に納得のヘタレ感を感じる。話しかけるだけで精一杯って……なに?
ホント…バカみたいにカッコつけてあんなこと、言わなきゃよかった。なんで秘密にしてなんて言ってしまったんだろう?彼女なら無闇に俺の素性をバラすようなヤツじゃないってこと……ぐらいわかってた。
…そんなことわかってた、……ハズなのに。
「はぁ。ここ、学校だろ?」
やけに空しい独り言も校舎のなかだとリアルに大きく、響いた気がした。教室に入れば同級生として堂々と、彼女のことを眺める絶好のチャンスだ。我ながら思考回路が……ヤバい。
今日は、どんなアイテムの話でツインズやアイツと盛り上がってんのか楽しみにしてたハズだ。みちるさんもひかるさんも同業だし?2人の話についていけるってだけでも十分?
それでも、何だかんだと言い訳しながら無意味に賑やかな教室の窮屈な席で、めんどくさいふりして彼女を眺めるのが、たまんない。今でもちょっとしたマイブームで……癒しだ。
思わず自分の、呆れるぐらいキモいストーカー素質にゾッとして、同じ校内の同級生なんだからアリでしょって脳内で庇った自分に笑った。彼女とは、学校で少し話してちょっとデートした知り合い程度だったら、なおさら。
学校にいる彼女は、流行りものが好きでオシャレに敏感で、楽しげだ。キラキラくるくる輝く表情や姿ににいつの間にか目で追いかけて、気になる存在になっていたのは……いつの頃からだろう。
うっかり彼女が、落とした雑誌をわざと拾って声かけたぐらい、話すきっかけ探してたハズなのに、…結局。チャンスをモノに出来なかったってこと?
結局、思い上がって自分のことばかりで、あんたが俺に興味を持たないって選択肢があることまでは、わからなかった。マジであのときは正直、ここまでハマるなんて想像してなかったと……思う。
卑怯なくらいちょっと可愛くて、にぶくて。優しいあんた。
実際、デートのとき何度もウザイうるさいって言ってしまいそうなことも…あったし?だけど。
……だけどさ。
急に最近、周りが静かになったことに気が付いて、……また。
いつの間にか、無意識に目で追いかけている自分に気が付く。こんなにも、胸がざわつくこと、正直いままでになかったのに。
必死に目で追いかけてきてなんとなく自分でもわかっていることは、たいていいつも彼女は、アイツと一緒にいるってこと……。正直、もしかしたら勝ち目なんてどこにもない気がするけど……。
……でも。
そう。それでも。少しでいいから彼女の視界に入っていたいと思う。
…だから。
そう。だから、少しでも爪痕残してみたい。彼女の心のなかに、確かに俺がいた痕跡みたいなもん?残してみたいって思うじゃん?
天然っていうか、フワッとした彼女なら気にも止めないかも知れない、小さな痕跡なんだけど、さ。
すごく単純にほんの、一瞬でもいい。
なんだっていい。どんなことだっていいんだ。彼女の記憶のなかに、小さなシミを作るみたいに、きえないあとを残してみたいって思う。バカみたいで正直ハズいし、情けないけど。
今さらだって、……思うけど。
巻き戻せるなら。……彼女の視界に俺がしっかりうつってた時間軸まで。
「…あのさ」
彼女を呼び止めるだけで、バカみたいに……心臓がはねあがる。待ち合わせの場所が「アルカード」って、ハッキリ言えたかどうか、わからないぐらいだ。
放課後に階段の踊場で、振り返った彼女の笑顔と残り香が今でもリピートして身体じゅうが甘く痺れる。さっきまで騒々しく賑やかに囃し立てていた校内の喧騒が、びっくりするくらい静かに一瞬、ときが止まってしまったかのようだった。
ホント、あんたなにもんなの?俺を……壊す気?
……俺がさ。「好みのタイプ」だよって言ったらさ。あんたどんな顔すんだろう?
…だって。あんたは気が付かないだろ?それとも、わかってても気が付かなかったフリでも、すんの?
マジになってもいいかなんて聞くべきじゃない?あんたが好きなアイツから横取りしたい訳じゃないんだ。
ただ、あんたの視界に入りたいだけ。
【完】
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