にじゅうきゅうこめ
レジャーシートを敷いて、カバンの中に詰められていた弁当箱や飲み物を出していく。
重箱にぎっしりと詰められているのはこの日のためにとワイミーさんが手作りしてくれたおかずたち。
もちろんデザートのほうも豪勢だった。
メロ、マットが山菜を摂りに行っている中、どこまでもマイペースなLとニアは好きなように動いていた。
Sと月はそんな2人を見て苦笑いしながらレジャーシートの上にテーブルを設置して食事の支度をしていく。
月「ワタリも来られればよかったのにな」
S「私たちが留守の間誰も居ないという訳にもいかないのでしょう。いつか一緒に来てみたい気はしますが」
キラ事件が終わったと言えど世界から事件がなくなったわけではない。
むしろキラのいた時に静かにしていた凶悪犯が野に放たれた世界は今、キラの現れる前の状態にすっかり戻っていた。
ついこの間まで怯えていた者たちもすっかり昔のように戻っている。
月「S、そっちのバスケットを取ってくれないかい?」
S「はい。月君、そちらにあるフルーツを取っていただけませんか?」
お互いにてきぱきと仕事をこなしながら準備を整えていくと向こうのほうからやってきたメロ、マットも合流した。
簡易的とはいえ、気分はすでにピクニックである彼らはそれぞれ椅子に座ると目の前に並べられたバスケットに入ったサンドイッチや色とりどりのおかず、お皿に盛られたフルーツに目を輝かせていた。
S「ニア、Lもそろそろこっちに来てくださいね。準備がととの…い…何をしているのです?」
L「見てわかりませんか?大きな葉っぱがあったので即席のお面を作ってみました」
N「私は泥のついていないものを持ち帰って後で遊ぼうかと」
大きな穴が3つ開けられたお面をかぶりながら振り向いたLは新しいものを作るつもりなのかその手には何枚かまだ穴の開いていない葉っぱが握られている。
ニアはどこから出したのか透明の袋に色とりどりの葉っぱを摘めていた。
彼らに手を拭うように言うと顔にはっぱをつけながらやってきたLは、月の手によりその葉っぱを剥がされてしまい若干不機嫌そうな表情を浮かべながらも椅子に腰かけた。
L「さすがワタリ、個々の好みにも応えるラインナップですね。」
ニア「このエリアは私向きですね。キャラ弁というやつでしょうか」
メロ「この辺は絶対俺用だろ。チョコサンドとか、チョコフォンデュ用のチョコまで入ってる」
バスケットの中にはそれぞれの好みのものが平等にケンカにならない程度に入っており、それぞれ満足そうに自分好みのバスケットを手繰り寄せた。
他にもLには糖分たっぷりのサンドイッチやお菓子の詰め合わせ、マット・月・Sには野菜や肉類がはさまれたサンドイッチ、フルーツサンドが栄養バランス抜群に入っていた。
食後、またそれぞれ好き勝手に出歩き始めた彼らに、テーブルとイスを片付けたレジャーシートでのんびり過ごしている月とS。肌寒さを危惧して少し厚手できた一行だったが、木々に風を遮られ、日当たりのいいこの場所は温かく必要なかったようだった。
月「あと1時間くらいしたらワタリが迎えにくるみたいだ」
S「ではその前に他の人たちを迎えに行かねばなりませんね」
月「そうだな。メロとマットは何処まで行ったんだ?山菜取りなんて興味ないと思っていたんだけど」
S「ハウスに居る時に、紅葉狩りで山菜取りもしたのです。もしかしたらその時を懐かしく思っているのかもしれませんね」
月「へぇ、そう言えば全員同じ出身なんだったな。Sたちは参加しなかったのか?」
自分たちの後ろでパズルをしているニアとお面をじっと見つめていたLに月が問い掛けると2人は少し黙ってから首を横に振った。
N「私たちはどちらかというとインドア派でしたから、参加していませんね。メロとマットはそのような行事に積極的に参加していたと思いますよ。スポーツも得意なお2人でしたから」
月「あの2人は素性知らなきゃただのヤンキーだもんな…」
L「月君がヤンキーだと言っていたとお2人に伝えておきます。話題提供ありがとうございます、月君」
月「やめてくれ、ただでさえメロには時々敵視されているのがわかるくらいに睨まれるんだ」
思い出すのは、偶然目が合った時のメロの反応である。
カチッと視線が合った後驚いた顔を見せるメロは、一瞬で鬼の形相に変わっていた。
キラ事件のこともあり絶対的に信頼を置かれるなんてことはないのは分かっているけれど、メロはあからさまにそれが見て取れた。
これ以上彼を刺激するようなことはあってほしくないと正直に話した月に、Sは少し考えてからそれを否定した。
S「?月君、彼は別に月君のことを敵視していませんよ」
月「そうなのか?でも目が合うと何だか睨まれているような気が…絶対に気のせいなんかじゃないんだが」
S「彼の場合目つきが悪いだけですので」
L「つまり彼は目つきの悪いヤンキーだと。月君がそう感じたと伝えておきます」
月「Lには俺の声が聞こえていないんだな」
L「聞こえていて敢えてそうしています」
月「たちが悪い」
じとっとLを睨んだ月を無視して、手に持っていた葉っぱのお面を顔に被ったLに向こうのほうからメロとマットの声が響いた。
(メロ、さっき月君がですね)(?)
(メロ君先程Lが君のチョコをつまみ食いしていましたよ)
(ちょっとそれは黙っておいてと言ったじゃないですかニア)
重箱にぎっしりと詰められているのはこの日のためにとワイミーさんが手作りしてくれたおかずたち。
もちろんデザートのほうも豪勢だった。
メロ、マットが山菜を摂りに行っている中、どこまでもマイペースなLとニアは好きなように動いていた。
Sと月はそんな2人を見て苦笑いしながらレジャーシートの上にテーブルを設置して食事の支度をしていく。
月「ワタリも来られればよかったのにな」
S「私たちが留守の間誰も居ないという訳にもいかないのでしょう。いつか一緒に来てみたい気はしますが」
キラ事件が終わったと言えど世界から事件がなくなったわけではない。
むしろキラのいた時に静かにしていた凶悪犯が野に放たれた世界は今、キラの現れる前の状態にすっかり戻っていた。
ついこの間まで怯えていた者たちもすっかり昔のように戻っている。
月「S、そっちのバスケットを取ってくれないかい?」
S「はい。月君、そちらにあるフルーツを取っていただけませんか?」
お互いにてきぱきと仕事をこなしながら準備を整えていくと向こうのほうからやってきたメロ、マットも合流した。
簡易的とはいえ、気分はすでにピクニックである彼らはそれぞれ椅子に座ると目の前に並べられたバスケットに入ったサンドイッチや色とりどりのおかず、お皿に盛られたフルーツに目を輝かせていた。
S「ニア、Lもそろそろこっちに来てくださいね。準備がととの…い…何をしているのです?」
L「見てわかりませんか?大きな葉っぱがあったので即席のお面を作ってみました」
N「私は泥のついていないものを持ち帰って後で遊ぼうかと」
大きな穴が3つ開けられたお面をかぶりながら振り向いたLは新しいものを作るつもりなのかその手には何枚かまだ穴の開いていない葉っぱが握られている。
ニアはどこから出したのか透明の袋に色とりどりの葉っぱを摘めていた。
彼らに手を拭うように言うと顔にはっぱをつけながらやってきたLは、月の手によりその葉っぱを剥がされてしまい若干不機嫌そうな表情を浮かべながらも椅子に腰かけた。
L「さすがワタリ、個々の好みにも応えるラインナップですね。」
ニア「このエリアは私向きですね。キャラ弁というやつでしょうか」
メロ「この辺は絶対俺用だろ。チョコサンドとか、チョコフォンデュ用のチョコまで入ってる」
バスケットの中にはそれぞれの好みのものが平等にケンカにならない程度に入っており、それぞれ満足そうに自分好みのバスケットを手繰り寄せた。
他にもLには糖分たっぷりのサンドイッチやお菓子の詰め合わせ、マット・月・Sには野菜や肉類がはさまれたサンドイッチ、フルーツサンドが栄養バランス抜群に入っていた。
食後、またそれぞれ好き勝手に出歩き始めた彼らに、テーブルとイスを片付けたレジャーシートでのんびり過ごしている月とS。肌寒さを危惧して少し厚手できた一行だったが、木々に風を遮られ、日当たりのいいこの場所は温かく必要なかったようだった。
月「あと1時間くらいしたらワタリが迎えにくるみたいだ」
S「ではその前に他の人たちを迎えに行かねばなりませんね」
月「そうだな。メロとマットは何処まで行ったんだ?山菜取りなんて興味ないと思っていたんだけど」
S「ハウスに居る時に、紅葉狩りで山菜取りもしたのです。もしかしたらその時を懐かしく思っているのかもしれませんね」
月「へぇ、そう言えば全員同じ出身なんだったな。Sたちは参加しなかったのか?」
自分たちの後ろでパズルをしているニアとお面をじっと見つめていたLに月が問い掛けると2人は少し黙ってから首を横に振った。
N「私たちはどちらかというとインドア派でしたから、参加していませんね。メロとマットはそのような行事に積極的に参加していたと思いますよ。スポーツも得意なお2人でしたから」
月「あの2人は素性知らなきゃただのヤンキーだもんな…」
L「月君がヤンキーだと言っていたとお2人に伝えておきます。話題提供ありがとうございます、月君」
月「やめてくれ、ただでさえメロには時々敵視されているのがわかるくらいに睨まれるんだ」
思い出すのは、偶然目が合った時のメロの反応である。
カチッと視線が合った後驚いた顔を見せるメロは、一瞬で鬼の形相に変わっていた。
キラ事件のこともあり絶対的に信頼を置かれるなんてことはないのは分かっているけれど、メロはあからさまにそれが見て取れた。
これ以上彼を刺激するようなことはあってほしくないと正直に話した月に、Sは少し考えてからそれを否定した。
S「?月君、彼は別に月君のことを敵視していませんよ」
月「そうなのか?でも目が合うと何だか睨まれているような気が…絶対に気のせいなんかじゃないんだが」
S「彼の場合目つきが悪いだけですので」
L「つまり彼は目つきの悪いヤンキーだと。月君がそう感じたと伝えておきます」
月「Lには俺の声が聞こえていないんだな」
L「聞こえていて敢えてそうしています」
月「たちが悪い」
じとっとLを睨んだ月を無視して、手に持っていた葉っぱのお面を顔に被ったLに向こうのほうからメロとマットの声が響いた。
(メロ、さっき月君がですね)(?)
(メロ君先程Lが君のチョコをつまみ食いしていましたよ)
(ちょっとそれは黙っておいてと言ったじゃないですかニア)
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