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恋心

原作: 僕のヒーローアカデミア 作者: かむたん
目次

恋心

出勝♀


爆豪勝己 女体化です。





僕とかっちゃんは、家がお隣だったこともあり家族のように過ごしてきた。

一緒にヒーローごっこもしたし、オールマイトの動画も一緒に見て、
気がつけば常に一緒にいた気がする。

おままごとをした時に、なんでも知ってたかっちゃんは僕に
「18歳過ぎたらアタシたちは結婚出来るんだぞ!」
って言って僕にシロツメクサで出来た指輪を作ってくれた。
「出久はアタシの旦那さんだからな」
「僕、かっちゃんと結婚する!」
だなんて会話してたらお母さん達が号泣してたのをうっすらおぼえてる。

幼稚園に入り、かっちゃんに個性が出たのに僕には出なかった。
そのせいでかっちゃんは僕のことを何もできない木偶の坊の「デク」というあだ名をつけ、「無個性ではヒーローになれない。」と言ってたんだっけ。

小学校に上がる頃、かっちゃんの中で僕は[幼馴染]ではなく[嫌いなやつ]になってたと思う。
一緒に遊ばなくなったし、かっちゃんのお家にお呼ばれしたときも会話がなかったし。
ずっともらってたバレンタインもかっちゃんからではなく、かっちゃんのお母さんから頂いた。

中学では個性がないことを馬鹿にし「来世に期待してワンチャンダイブ」と言われたり…
ヒーローノートを爆破されたり、ヘドロに捕まったり、、、
かっちゃんとの仲は史上最悪ってくらい一方的に嫌われていた。

高校に入っても僕たちの関係は拗れていた。
僕に個性があったことがそんなに嫌だったのか。
戦闘訓練で当たると本気で殺しにかかってきて怖かった。

でも、僕のヒミツを共有してから木偶の坊の[デク]ではなくヒーローの[デク]を[ライバル]として見てくれてたと思う。
今までは話しかけるだけで爆破だったのに、寮生活での会話は少しづつ増えて目が合う回数も増え僕は嬉しかった。


高校を卒業して僕は海外に渡り、オールマイトがヤングエイジ時代を過ごしたアメリカで僕はヒーロー修行をすることにした。
旅立つ前に爆豪家で夕飯を頂いた。
かっちゃんが料理全部したらしく、めちゃくちゃ美味しくさすが天才マンだなーと思った。
「かっちゃんはいいお嫁さんになるね」って褒めたら殴られ、かっちゃんのお母さんから「出久くんと結婚してくれたらいいのに〜」といじられかっちゃんが放つオーラが怖かった。
爆豪家からお暇しようとしたらかっちゃんに「ぜってぇお前に負けないからな」って言われ爆発がなかったものの応援してくれてるってわかり嬉しかった。

次の日空港までクラスメイトを始め先生方、エリちゃんにコウタくんが来てくれた。
みんなに見送られ僕は大号泣で飛行機に乗り、アメリカでの生活が始まった。

初めての一人暮らしだが生活は苦じゃなかった。
救助活動だけでなくボランティア活動に力をいれ、ヒーローとして学べることがたくさんあった。
アメリカに来てから新しく作ったヒーローノートは3冊目に突入し、毎日辛いこともあるがヒーローデクとして順調だった。

ヒーロースーツを脱いでスグに携帯でニュースを確認するようになり、
1Aのクラスメイトが日本で活躍している記事は必ずチェックしていた。
かっちゃんがニュースに出ていると僕も頑張らなきゃいけないな。と自然にやる気が出てくる。
熱愛報道が多く出ている彼女になぜか苛立ちを覚える。
好き。とか嫌い。とか恋愛感情うんぬんではないこの感情をなんて呼ぶのか分からずにいた。



それから僕がかっちゃんに会えたのは高校を卒業して5年。
ヒーローとしての拠点を日本に戻し、帰国祝いを1Aの同窓会兼ねて開かれた。
飛行機のせいで同窓会の会場に遅刻し、着いた頃にはみんなほろ酔い状態だった。
かっちゃんは、女子グループに囲まれワイワイやってるようだった。
わざわざ声掛けに行ってガールズトークをぶち壊すのも嫌だった僕は、轟君と飯田くんの近くに座りお酒を煽る。
久々に会う友達に涙をしながら、アメリカでの活動が話から峰田くんが下ネタを言い出したので僕はトイレに立つ。

途中かっちゃんがトイレから出てきた。
「あ、かっちゃん」

「…あんだよ。くそデク」

「いやぁ、、久しぶりだね。……そのぉ…見ないうちに…キレ…イになったね」

かっちゃんは5年前と比べ綺麗になった。
元々綺麗なのに色白な肌に赤い口紅がよく似合い目元に乗せているラメが華やかにする。
海外セレブのような服装も似合っていて、ずっと見ていられるほど美人になっていた。

「あぁ? てめーはそーやって女口説いてたんか」

「え?そうゆう訳じゃないけど」

「ちっ。平和の象徴様はアメリカで遊び放題だったってか」


かっちゃんが僕に背中を向けて宴会場に歩みを進めていた。

「僕は思ったことを言ったんだけど!!」

かっちゃんが一瞬足を止める。

「お前でも、あたしはそんなんじゃ落とせねーよ」

振り向きざま、笑いながら言うとヒールをカツカツさせながら行ってしまった。

なんだいまの。かわいすぎかよ。

かっちゃんが言った言葉をトイレに入りながら考える。
口説こうとしたわけではないけど、、、、
あまりに可愛すぎて、、愛しすぎて、、

僕は、はっ!として急いで身支度をし、宴会場に戻る。
クラスメイトに話しかけられるも無視してかっちゃんの元へ進む。

「かっちゃん!!!!」

かっちゃんを前にし、声を大にして叫ぶ。
どんちゃん騒ぎをしていた宴会場は一瞬にして静まり返る。


「あぁ?」

「…僕とっ!!…結婚を、前提に…お付き合いしてください!!!」

「「「えぇぇぇぇ!!!!」」」

恐る恐るかっちゃんを見るとニヤつきながら僕を見るかっちゃん。

「えっ!?いいの?ほんっっっっっとに僕でいいの!?」

かっちゃんの両肩を掴み僕は返答を待つ。



「はっ。テメーみたいなクソナードを待ってやったんだ。有難く思えよ」

僕は、かっちゃんのことをずっと好きだったみたいだ。


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