第15話
「んな小さなおち○ちんを見て誰が興奮するか! 女が喜ぶのは、もっと大きなお○んちんだっつうの!」
なに言ってんだろうね、あたし。
でも、今の言葉は案外この変態の胸に響いているようで。
「なっ!? わ、私のナニが……ち、小さいですってっ!?」
ふらふらとよろめきながら、後退していく。
あたしのことを抑えていた『百の白子』も、突然消えた。
『今じゃ!』
叫び、人間の姿のシャルが現れる。
「くらうのじゃ! 『母乳の嵐(マザーミルクスプラッシュ)』!!」
掛け声とともに、シャルの胸の前に魔法陣が出現する。
そして、そこから白い液体が大量に現れた。
色と掛け声からして、牛乳かな?
「百の白――ぬぉおおおおおおおおっ!?」
正気を取り戻し、能力を展開しようとする変態だったが、百の白子が現れる前に牛乳の波に巻き込まれる。
「これはただの脅しにしかならん! あすか、いまのうちににげるのじゃ!」
「っ! い、言われなくてもわかってるって!」
あたしは、シャルに言われた通り急いでその場から逃げだした。ここの裏路地を出て少し走れば、商店街通りだ。
そこまで行けば、守護部隊もいることだろうし、あの変態も手が出ないはず。
問題は、そこまでの距離がまだ少しあることだけど……。
「……ふう」
そんなあたしの心配は杞憂に終わり、無事に商店街通りまでたどり着くことができた。
周囲を見渡すが、あの変態の姿はない。
あるのは、遊んでいる大人たちと守護部隊の姿だけだ。
「……帰るか」
少し商店街通りで時間を潰した後、あたしは帰宅することにした。
今度は、人通りの多い道を選んで、ね。
◆
『始まりの男』と椎名飛鳥が向かい合っている最中。
二人の近くにあるビルの屋上から、一人の男がそれを見下ろしていた。
漆黒の仮面と、漆黒の鎧を身に纏った、騎士。
「……逃げたか」
視線の先では、椎名飛鳥が始まりの男の隙をついて逃走していた。
「…………」
それを確認すると、騎士は屋上から飛び降りた。
「わ、私のナニは……小さくなんか……」
白濁液に巻き込まれ、壁に叩きつけられた始まりの男。その牛乳は、どうやら幻覚の類らしく、すでに跡形もなく消え去っていた。
立ち上がり、今もまだ錯乱する始まりの男の後ろに近づく。
雑魚め。騎士の口が、そう動いた。
「フンッ!」
「ぬぐぉっ!?」
手刀が、始まりの男の首を襲う。
始まりの男の身体は、支えを失ったかのように、その場に倒れこんだ。
その始まりの男を抱え、騎士は裏路地から、広い道へと向かった。
「奈々子様の命を守れんやつには、断罪を」
この愚かな男に、罰を与えるために。
◆
『始まりの男』とか名乗っていた変態に襲われた翌日(正確には同日なのだが)。
銀髪碧眼の幼女姿になったシャルと一緒に朝ご飯を食べていると、テレビの映ったあるニュースに、目を疑った。
「コイツ……」
「うむ……おどろいたのう」
ニュースの内容は、不審者が捕まったということ。
不審者の名は、二川蟹蔵(にかわかにぞう)。
『私のナニは、小さくなんかない……』
画面の中でそう呟いている男は、昨日あたしを襲った変態、『始まりの男』だった。
なに言ってんだろうね、あたし。
でも、今の言葉は案外この変態の胸に響いているようで。
「なっ!? わ、私のナニが……ち、小さいですってっ!?」
ふらふらとよろめきながら、後退していく。
あたしのことを抑えていた『百の白子』も、突然消えた。
『今じゃ!』
叫び、人間の姿のシャルが現れる。
「くらうのじゃ! 『母乳の嵐(マザーミルクスプラッシュ)』!!」
掛け声とともに、シャルの胸の前に魔法陣が出現する。
そして、そこから白い液体が大量に現れた。
色と掛け声からして、牛乳かな?
「百の白――ぬぉおおおおおおおおっ!?」
正気を取り戻し、能力を展開しようとする変態だったが、百の白子が現れる前に牛乳の波に巻き込まれる。
「これはただの脅しにしかならん! あすか、いまのうちににげるのじゃ!」
「っ! い、言われなくてもわかってるって!」
あたしは、シャルに言われた通り急いでその場から逃げだした。ここの裏路地を出て少し走れば、商店街通りだ。
そこまで行けば、守護部隊もいることだろうし、あの変態も手が出ないはず。
問題は、そこまでの距離がまだ少しあることだけど……。
「……ふう」
そんなあたしの心配は杞憂に終わり、無事に商店街通りまでたどり着くことができた。
周囲を見渡すが、あの変態の姿はない。
あるのは、遊んでいる大人たちと守護部隊の姿だけだ。
「……帰るか」
少し商店街通りで時間を潰した後、あたしは帰宅することにした。
今度は、人通りの多い道を選んで、ね。
◆
『始まりの男』と椎名飛鳥が向かい合っている最中。
二人の近くにあるビルの屋上から、一人の男がそれを見下ろしていた。
漆黒の仮面と、漆黒の鎧を身に纏った、騎士。
「……逃げたか」
視線の先では、椎名飛鳥が始まりの男の隙をついて逃走していた。
「…………」
それを確認すると、騎士は屋上から飛び降りた。
「わ、私のナニは……小さくなんか……」
白濁液に巻き込まれ、壁に叩きつけられた始まりの男。その牛乳は、どうやら幻覚の類らしく、すでに跡形もなく消え去っていた。
立ち上がり、今もまだ錯乱する始まりの男の後ろに近づく。
雑魚め。騎士の口が、そう動いた。
「フンッ!」
「ぬぐぉっ!?」
手刀が、始まりの男の首を襲う。
始まりの男の身体は、支えを失ったかのように、その場に倒れこんだ。
その始まりの男を抱え、騎士は裏路地から、広い道へと向かった。
「奈々子様の命を守れんやつには、断罪を」
この愚かな男に、罰を与えるために。
◆
『始まりの男』とか名乗っていた変態に襲われた翌日(正確には同日なのだが)。
銀髪碧眼の幼女姿になったシャルと一緒に朝ご飯を食べていると、テレビの映ったあるニュースに、目を疑った。
「コイツ……」
「うむ……おどろいたのう」
ニュースの内容は、不審者が捕まったということ。
不審者の名は、二川蟹蔵(にかわかにぞう)。
『私のナニは、小さくなんかない……』
画面の中でそう呟いている男は、昨日あたしを襲った変態、『始まりの男』だった。
※会員登録するとコメントが書き込める様になります。