マヨネーズ野郎
そして銀さんが応急手当をしてくれた。
新八君が銀さんに慌てて救急セットを手渡した。
「なんだか、慌しいね」
私が呑気にそんなことを呟くと
誰のせいだと思ってるんだ!!×3の突っ込みがとんできた。
慌しいけど、暖かい。
それが万事屋。
そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴った。
「誰だよ、こんな時間に……」
私の頭の手当てをし終わった銀さんは、渋々玄関へと足を向けた。
「北条、迎えにきた」
来客は私のことを迎えに来た土方さんだった。口にはタバコがくわえられている。
「なーんだ、土方君かぁ。で、何の用?」
新八君と神楽ちゃんと私も、ひょっこりと玄関へ顔を出した。
「今迎えに来たっつったばかりだろうがあぁ!というわけで北条、帰るぞ。頭の怪我も治った頃だろ……って、おい?なんか前よりひどくなってね?」
「気のせいアルよこのニコ中野郎。ついにマヨネーズのせいで頭や目がおかしくなってしまったアルか」
「マヨネーズは関係ねぇだろぉぉ!!まさか、北条。こいつらに何かされたんじゃ……」
「いいえ、何も~」
本当は定春に噛まれたのだが、噛まれたのは自分も悪いのはわかっているので口には出さなかった。
もし土方さんに言ったら銀さん達を責めそうだとも思ったから。
そんなやり取りをぱっつぁんは苦笑気味に見ていた。
「俺はこいつらと違って忙しいんだ、さっさと行くぞ北条。ったく、何回言わせんだよ」
そう言って土方さんは私を帰るように急かす。どうやら土方さんは一刻も早くここから出て行きたいようだ。
土方さんの言葉に対し私は
「嫌です」
こう答えた。
案の定、土方さんはもちろん、他の3人も私の言葉に驚きの表情を見せた。
「私、万事屋の皆さんが好きなので」
「はぁ??」
土方さんはわけがわからない、という顔をしている。
「私、万事屋ファミリーになります!ってかなってます。もう私ここで暮らします」
「何言ってんだ北条、あんまふざけたこと言ってっと……」
「だって、しばらくここで過ごしていたら、なんだか居心地がいいんですもん。あ、もちろん真選組も良い所なんですけど、ここに慣れたっていうかぁ~」
「アリスちゃんもこう言ってるし、そういうことだ土方君。銀さん、男だらけの所にアリスちゃんがいるの不安だったんだよねーこれで一件落着つーことで」
「万事屋ぁ!てめーも男だろが!」
「うちには神楽ちゃんがいますぅ~~」
なんか銀さんと土方さんが言い争いし始めた。ほんの冗談だったんだけどな。私はちゃんと帰りますよ真選組に。
「だいたいよぉ、仮に北条がここで過ごすことになったら、おめー、この小説のタイトルどうすりゃいんだよ!?」
何の話しをしているんだ土方さんは。まあわかってはいるけど。
「あ、それなら土方さん。『アリスは大変な万事屋に居候していきました』とかに変更すればいいんじゃないでしょうか」
そもそも『大変な』ってどういう意味?私よくわかってません。
「アリス、居候じゃ聞こえが悪いネ、入隊の方がかっこいいネ」
「それもそうだね、じゃあこのままでいいや」
「それ神楽ちゃんが言う?ってかアリスさんもそれで納得しちゃうの!?」
突っ込みメガネは今日も元気です。
なんやかんやで、私は土方さんと一緒に万事屋を後にしました。
しかし、土方さんと2人ってなんとなく気まずいな。なんか喋ってよ。
「北条……」
と思っていると土方さんが口を開いた。私の心の声聞こえちゃってたのかな?
「なんですか?」
「その……なんだ。前に言いそびれたんだけどよ、すまなかった」
土方さんのことだから、開口一番お説教でもされるのかと思いきや、突然謝られた。
「え……?」
私は謝られた意味がわからず、首をかしげる。
「すぐに助けに行ってやれなくて、悪かったっつってんだ」
ああ、そのこと。
「いいんですよ、それよりお礼がまだでしたね。来てくれて、助けに来てくれて、ありがとうございます」
私がお礼を言うと土方さんは突然怒り出した。
「おめーもおめーだよ。あんな奴らに騙されやがって、雑魚共だったからよかったものの……過激派のやつらだったり、もっと危険なやつらだったらどうなってたかわかってんのかコラ」
開口一番じゃなくて、開口二、三番にお説教でしたか。
「うぅ、すみません」
私はしょんぼりしながら返事をする。
それから屯所に戻るまで、しばらく土方さんの怒りは続いた。
お前は危なっかしいだの、山崎が万事屋によけいなことを喋っただの、だから山崎でなく俺が迎えにきたんだが、なんで俺がこいつのお守りなんか……等など。
み、耳が痛い……
あの事件以来、私服の時でもなるべく剣を携帯するようにしている。
ついでに銃はいつも懐に忍ばせている。この銃や剣が有効に使える時が、役に立つ時がいつくるのだろう。
一応、私、隊士だし。隊士らしいことってあんまりしてない気がするな。今さらながら、女の私なんかが入隊して、迷惑だったのでないか、なんて考えてしまう。
剣と銃を常に携帯、記憶喪失前の私は。
新八君が銀さんに慌てて救急セットを手渡した。
「なんだか、慌しいね」
私が呑気にそんなことを呟くと
誰のせいだと思ってるんだ!!×3の突っ込みがとんできた。
慌しいけど、暖かい。
それが万事屋。
そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴った。
「誰だよ、こんな時間に……」
私の頭の手当てをし終わった銀さんは、渋々玄関へと足を向けた。
「北条、迎えにきた」
来客は私のことを迎えに来た土方さんだった。口にはタバコがくわえられている。
「なーんだ、土方君かぁ。で、何の用?」
新八君と神楽ちゃんと私も、ひょっこりと玄関へ顔を出した。
「今迎えに来たっつったばかりだろうがあぁ!というわけで北条、帰るぞ。頭の怪我も治った頃だろ……って、おい?なんか前よりひどくなってね?」
「気のせいアルよこのニコ中野郎。ついにマヨネーズのせいで頭や目がおかしくなってしまったアルか」
「マヨネーズは関係ねぇだろぉぉ!!まさか、北条。こいつらに何かされたんじゃ……」
「いいえ、何も~」
本当は定春に噛まれたのだが、噛まれたのは自分も悪いのはわかっているので口には出さなかった。
もし土方さんに言ったら銀さん達を責めそうだとも思ったから。
そんなやり取りをぱっつぁんは苦笑気味に見ていた。
「俺はこいつらと違って忙しいんだ、さっさと行くぞ北条。ったく、何回言わせんだよ」
そう言って土方さんは私を帰るように急かす。どうやら土方さんは一刻も早くここから出て行きたいようだ。
土方さんの言葉に対し私は
「嫌です」
こう答えた。
案の定、土方さんはもちろん、他の3人も私の言葉に驚きの表情を見せた。
「私、万事屋の皆さんが好きなので」
「はぁ??」
土方さんはわけがわからない、という顔をしている。
「私、万事屋ファミリーになります!ってかなってます。もう私ここで暮らします」
「何言ってんだ北条、あんまふざけたこと言ってっと……」
「だって、しばらくここで過ごしていたら、なんだか居心地がいいんですもん。あ、もちろん真選組も良い所なんですけど、ここに慣れたっていうかぁ~」
「アリスちゃんもこう言ってるし、そういうことだ土方君。銀さん、男だらけの所にアリスちゃんがいるの不安だったんだよねーこれで一件落着つーことで」
「万事屋ぁ!てめーも男だろが!」
「うちには神楽ちゃんがいますぅ~~」
なんか銀さんと土方さんが言い争いし始めた。ほんの冗談だったんだけどな。私はちゃんと帰りますよ真選組に。
「だいたいよぉ、仮に北条がここで過ごすことになったら、おめー、この小説のタイトルどうすりゃいんだよ!?」
何の話しをしているんだ土方さんは。まあわかってはいるけど。
「あ、それなら土方さん。『アリスは大変な万事屋に居候していきました』とかに変更すればいいんじゃないでしょうか」
そもそも『大変な』ってどういう意味?私よくわかってません。
「アリス、居候じゃ聞こえが悪いネ、入隊の方がかっこいいネ」
「それもそうだね、じゃあこのままでいいや」
「それ神楽ちゃんが言う?ってかアリスさんもそれで納得しちゃうの!?」
突っ込みメガネは今日も元気です。
なんやかんやで、私は土方さんと一緒に万事屋を後にしました。
しかし、土方さんと2人ってなんとなく気まずいな。なんか喋ってよ。
「北条……」
と思っていると土方さんが口を開いた。私の心の声聞こえちゃってたのかな?
「なんですか?」
「その……なんだ。前に言いそびれたんだけどよ、すまなかった」
土方さんのことだから、開口一番お説教でもされるのかと思いきや、突然謝られた。
「え……?」
私は謝られた意味がわからず、首をかしげる。
「すぐに助けに行ってやれなくて、悪かったっつってんだ」
ああ、そのこと。
「いいんですよ、それよりお礼がまだでしたね。来てくれて、助けに来てくれて、ありがとうございます」
私がお礼を言うと土方さんは突然怒り出した。
「おめーもおめーだよ。あんな奴らに騙されやがって、雑魚共だったからよかったものの……過激派のやつらだったり、もっと危険なやつらだったらどうなってたかわかってんのかコラ」
開口一番じゃなくて、開口二、三番にお説教でしたか。
「うぅ、すみません」
私はしょんぼりしながら返事をする。
それから屯所に戻るまで、しばらく土方さんの怒りは続いた。
お前は危なっかしいだの、山崎が万事屋によけいなことを喋っただの、だから山崎でなく俺が迎えにきたんだが、なんで俺がこいつのお守りなんか……等など。
み、耳が痛い……
あの事件以来、私服の時でもなるべく剣を携帯するようにしている。
ついでに銃はいつも懐に忍ばせている。この銃や剣が有効に使える時が、役に立つ時がいつくるのだろう。
一応、私、隊士だし。隊士らしいことってあんまりしてない気がするな。今さらながら、女の私なんかが入隊して、迷惑だったのでないか、なんて考えてしまう。
剣と銃を常に携帯、記憶喪失前の私は。
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