原村 転話 1
「だからすがくん、チ〇ポみせてくだい」
「いやです」
即答した。過去、俺が原村にしたことについての謝意はある。だが、こんな意味の分からない新興宗教の神に俺のチ〇ポをささげるつもりはない。
「なぜですか! 私の覚悟が、思いが足りなかったとでも言うんですか!」
「いや、覚悟も思いも足りすぎてる。足りすぎてしまっていて、俺が手出しできる領域にはない」
「そんな、すがくん……。どうしてもチ〇ポをみせていただくことができないのですか?」
表情がガチなので、恐怖を覚える。あと、どことない猫撫で声で俺に懇願するので、一瞬気の迷いが生じる。もちろん、チ〇ポを晒すつもりはないが。
「できるわけないだろ」
「仕方ない、皆さんの思いを裏切るわけにはいきません。こうなれば強硬手段をとるまでです!」
そういった矢先に、原村は脚を前屈して前方へと飛び出し、一目散に俺へと接近してきた。
俺は身を翻して原村から逃げ、ちょうどあった机を持って、何台が原村が来るであろう箇所に設置し、原村との間に簡易バリケードをつくった。。
「いったん、俺の分かる言語で話合わないか? お前もちょっと疲れているだけだと思うし」
「いえ、話合う必要はありません。私にはすがくんのチ〇ポさえあれば十分ですので」
やはり、原村の言語は俺の解する言語ではなく、話合いに持ち込むのは無理らしい。いま、原村は高尚なチ〇ポ美学を思考するための能力を手に入れた代わりに、元来の話ことばの能力を失っている。端的にいえば、チ〇ポバーサーカーなのかもしれない。
ちょっと俺の思考も毒されてきたな。
「ああそうかよっ!」
そう言葉を残して、俺は教室の出口に向かった。いまの原村を相手にするのは狂人を相手にするのと等しい。いや、いまのあいつは狂人だが。ともかくも、こいつを相手にするのは時間の無駄だ。
「あらあら逃げてしまっていいのですか。外は猛獣でいっぱいですよ♡」
原村の言葉に危機を感じ、俺は足を止めて原村の言葉に耳を傾けた。
「どういうことだ……?」
「んふ♡ 逃げようとなんて無駄ですよ、すがくん。すがくんのチ〇ポイデアを求めているのが、まさか私一人だとお思いですか?」
質問の意味が分からなかった。いや、想像がつかないということはないのだが、正確にいえば、解りたくなかった。
「私一人ではなく、私のクラス中の女生徒、ひいては全校の女性徒です。彼女らは全員私のチ〇ポ美学を聞いて虜になり、その現実媒体であるすがくんを求めています」
原村の口から、衝撃の真実が明かされる。まじか、そんなやばい奴らにも貞操が狙われているのか……。しかも全校女性徒までに。
「そして、これはもはや私のクラスに留まる現象ではなくなりました。私のクラスのチ〇ポ美学家たちは、その素晴らしさを波及しようと学校内の女生徒を対象に伝道を行いました」
「伝道は、すぐさま清澄高校の全女子生徒に響き渡り、皆、すがくんのチ〇ポにメロメロになってしまいました」
「もうお分かりですね? この学校中の女生徒はすべてチ〇ポイデオロギーの徒となったのです。私は電話一本で信徒たちを呼びよせられるのです」
教室から出たら、最期ということか。原村の脚力が俺にかなわないとしても、携帯を使って原村の言う信徒を呼び出せば、俺を捕まえるのは容易い。
いまの俺は、まさに袋の鼠なのだろう。
「さあ、すがくん。あきらめて投降してください。投降したところでとくに扱いが軽くなるわけではありませんが」
喜々として言い放つ原村は、もう勝利を完全に確信した様子だ。たしかに、このまま俺一人では逃げる術なんてない。どんな方法で逃げたとしても、必ず原村の術中にはまる。
「わかった原村……。投降する……。」
言葉にあきらめを含ませながら、俺はつぶやいた。
すると原村は、こんどこそ念願が叶うといった喜びで恍惚の表情をした。そして、俺に、ゆっくり、ゆっくり、弱った獲物をいたぶる獣のように、にやにや顔を歪ませながら近づいてきた。まるでソープ嬢に対面して我慢の限界を迎えているおっさんのように
すみません、母さん、父さん。俺はここで貞操を散らすことになるようです。はかなき青春(童貞、処女)は芥のように潰えようとしています。
「大丈夫ッッッ!!! すがくん!?」
俺が心中白装束に着替えていると、教室のドアがガッっと開き力強い女性の声が教室内に木霊した。
そして彼女、竹井久清澄高校麻雀部部長は、教室に赤混じりの茶髪を広げて教室へと歩を進めた。
部長!? もしかして助けに来てくれたのだろう!? この白装束、脱げちゃうのだろうか?!
部長は、この突然の事態に驚いている俺を見て、俺にやわらかなウインクをくれた。さらに、忽ちに原村へと向き直り、烈火の炎を蓄えた瞳を原村へと向けた。
原村は急な、部長の怒りとも取れる感情におびえながら、しかし原村はすぐにその狂気を取り戻して部長に応戦した。
「先輩どうしてここに!? あなたもチ〇ポ美学を信じていたのでは、なかっんじゃないですか!? 先輩も意気揚々とすがくんの貞操を奪う誓いを共にしたじゃないですか!」
「和……あんたさっきより大分正気を失っているわね……。だけどね、あいにく私はそんな馬鹿みたいな考えに染まるつもりはないわ! あんたも、私の周りの子たちも、朝突然目の色が変わって、朝飯の話してんのにチ〇ポとか急に言い始めたのんだから、ありゃこれは話通じないわって思って、これまであんたらに調子合せてたのよ」
「だから、わたしはあんたらに擬態していただけで、腹の底では、こいつらやばいんじゃないの……って思ってたわ」
今に至る部長の発言を聞く限り、部長、どうやら正気らしい。
この貞操が逆転して性欲に溢れた女子生徒しか今までの出会はなかったから、言葉にできない安らぎが身を包む。
「くっ、それでも、あなた一人になにができるっていうんです!」
「いやです」
即答した。過去、俺が原村にしたことについての謝意はある。だが、こんな意味の分からない新興宗教の神に俺のチ〇ポをささげるつもりはない。
「なぜですか! 私の覚悟が、思いが足りなかったとでも言うんですか!」
「いや、覚悟も思いも足りすぎてる。足りすぎてしまっていて、俺が手出しできる領域にはない」
「そんな、すがくん……。どうしてもチ〇ポをみせていただくことができないのですか?」
表情がガチなので、恐怖を覚える。あと、どことない猫撫で声で俺に懇願するので、一瞬気の迷いが生じる。もちろん、チ〇ポを晒すつもりはないが。
「できるわけないだろ」
「仕方ない、皆さんの思いを裏切るわけにはいきません。こうなれば強硬手段をとるまでです!」
そういった矢先に、原村は脚を前屈して前方へと飛び出し、一目散に俺へと接近してきた。
俺は身を翻して原村から逃げ、ちょうどあった机を持って、何台が原村が来るであろう箇所に設置し、原村との間に簡易バリケードをつくった。。
「いったん、俺の分かる言語で話合わないか? お前もちょっと疲れているだけだと思うし」
「いえ、話合う必要はありません。私にはすがくんのチ〇ポさえあれば十分ですので」
やはり、原村の言語は俺の解する言語ではなく、話合いに持ち込むのは無理らしい。いま、原村は高尚なチ〇ポ美学を思考するための能力を手に入れた代わりに、元来の話ことばの能力を失っている。端的にいえば、チ〇ポバーサーカーなのかもしれない。
ちょっと俺の思考も毒されてきたな。
「ああそうかよっ!」
そう言葉を残して、俺は教室の出口に向かった。いまの原村を相手にするのは狂人を相手にするのと等しい。いや、いまのあいつは狂人だが。ともかくも、こいつを相手にするのは時間の無駄だ。
「あらあら逃げてしまっていいのですか。外は猛獣でいっぱいですよ♡」
原村の言葉に危機を感じ、俺は足を止めて原村の言葉に耳を傾けた。
「どういうことだ……?」
「んふ♡ 逃げようとなんて無駄ですよ、すがくん。すがくんのチ〇ポイデアを求めているのが、まさか私一人だとお思いですか?」
質問の意味が分からなかった。いや、想像がつかないということはないのだが、正確にいえば、解りたくなかった。
「私一人ではなく、私のクラス中の女生徒、ひいては全校の女性徒です。彼女らは全員私のチ〇ポ美学を聞いて虜になり、その現実媒体であるすがくんを求めています」
原村の口から、衝撃の真実が明かされる。まじか、そんなやばい奴らにも貞操が狙われているのか……。しかも全校女性徒までに。
「そして、これはもはや私のクラスに留まる現象ではなくなりました。私のクラスのチ〇ポ美学家たちは、その素晴らしさを波及しようと学校内の女生徒を対象に伝道を行いました」
「伝道は、すぐさま清澄高校の全女子生徒に響き渡り、皆、すがくんのチ〇ポにメロメロになってしまいました」
「もうお分かりですね? この学校中の女生徒はすべてチ〇ポイデオロギーの徒となったのです。私は電話一本で信徒たちを呼びよせられるのです」
教室から出たら、最期ということか。原村の脚力が俺にかなわないとしても、携帯を使って原村の言う信徒を呼び出せば、俺を捕まえるのは容易い。
いまの俺は、まさに袋の鼠なのだろう。
「さあ、すがくん。あきらめて投降してください。投降したところでとくに扱いが軽くなるわけではありませんが」
喜々として言い放つ原村は、もう勝利を完全に確信した様子だ。たしかに、このまま俺一人では逃げる術なんてない。どんな方法で逃げたとしても、必ず原村の術中にはまる。
「わかった原村……。投降する……。」
言葉にあきらめを含ませながら、俺はつぶやいた。
すると原村は、こんどこそ念願が叶うといった喜びで恍惚の表情をした。そして、俺に、ゆっくり、ゆっくり、弱った獲物をいたぶる獣のように、にやにや顔を歪ませながら近づいてきた。まるでソープ嬢に対面して我慢の限界を迎えているおっさんのように
すみません、母さん、父さん。俺はここで貞操を散らすことになるようです。はかなき青春(童貞、処女)は芥のように潰えようとしています。
「大丈夫ッッッ!!! すがくん!?」
俺が心中白装束に着替えていると、教室のドアがガッっと開き力強い女性の声が教室内に木霊した。
そして彼女、竹井久清澄高校麻雀部部長は、教室に赤混じりの茶髪を広げて教室へと歩を進めた。
部長!? もしかして助けに来てくれたのだろう!? この白装束、脱げちゃうのだろうか?!
部長は、この突然の事態に驚いている俺を見て、俺にやわらかなウインクをくれた。さらに、忽ちに原村へと向き直り、烈火の炎を蓄えた瞳を原村へと向けた。
原村は急な、部長の怒りとも取れる感情におびえながら、しかし原村はすぐにその狂気を取り戻して部長に応戦した。
「先輩どうしてここに!? あなたもチ〇ポ美学を信じていたのでは、なかっんじゃないですか!? 先輩も意気揚々とすがくんの貞操を奪う誓いを共にしたじゃないですか!」
「和……あんたさっきより大分正気を失っているわね……。だけどね、あいにく私はそんな馬鹿みたいな考えに染まるつもりはないわ! あんたも、私の周りの子たちも、朝突然目の色が変わって、朝飯の話してんのにチ〇ポとか急に言い始めたのんだから、ありゃこれは話通じないわって思って、これまであんたらに調子合せてたのよ」
「だから、わたしはあんたらに擬態していただけで、腹の底では、こいつらやばいんじゃないの……って思ってたわ」
今に至る部長の発言を聞く限り、部長、どうやら正気らしい。
この貞操が逆転して性欲に溢れた女子生徒しか今までの出会はなかったから、言葉にできない安らぎが身を包む。
「くっ、それでも、あなた一人になにができるっていうんです!」
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