14
そんな時、彼女は突然ふと足を止めた。
安室「どうした?」
風見「?」
彼女の視線の先には子連れの夫婦やカップル、賑やかに遊びまわる子供達…のいるゲームセンター。
降谷「遊びたいのか」
「別に。」
素っ気なく視線を逸らすも親に甘える子供を羨ましそうに、そして寂しそうに見つめていたことに降谷も風見も気づいていながらも気がつかないふりをした。
風見「安室さん!ひ、久し振りにアレ、やりませんか!」
風見は彼女に気を回したのか風見は大きなヌイグルミのUFOキャッチャーを指差した。
安室「…ふっ。そうだな。」
降谷は風見の張り切る様子に笑みをこぼしながら彼女を呼んだ。
安室「少し付き合ってくれるか」
「別にいいけど。」
素っ気なく返事をしたつもりだろうがどこか目をキラキラさせながら降谷と風見の後をついてきた。
風見「実は結構自信が…ってあれっ、も、もう一回!」
安室「こういうのはだいたい景品を取られないようにアームが緩く設定されている。…だからアームそのものを使って…」
…ガコンッ…
「おぉ〜」
風見「なっ!!…こうしてっ…こうっ!」
…ガコン…
風見「取れました!取れましたよ!ふる…安室さんの言う通りにしたら取れました!」
子供のように喜ぶ風見に彼女は近寄って風見の頭をぽんぽんと軽く撫でた。
「風見もとれたんだ、おめでと。」
風見「あ、はいっ…、あの、この手は…」
「風見ってやっぱり犬っぽいね。それとよく似てるよ。」
そう言いながら彼女は安室と風見のぬいぐるみを指差した。
そのぬいぐるみは目つきの悪い犬だった。
「2人とも、犬がよく似合うよ。」
安室「俺もか?」
「うん。むしろ、根本的には安室の方が犬だよ。」
安室「どういう意味だ。」
2人の間に流れた少しの不穏な空気に風見は突然声をあげた。
風見「あー!あ、あれ!あれをしましょう!」
風見の指差す方向にはシューティングゲーム。
安室「…なるほど。…今度は貴女にも参加してもらいますよ。」
安室はそう言ってニヤリと笑みをこぼした。
「射撃…。」
安室「まずは俺と風見でやるからやり方を見て覚えてくれ。」
「…」
降谷と風見は夢中になって画面を撃ち込んだ。
風見「流石降谷さんですね!ランキング1位じゃないですか!」
降谷「たかがゲームだ。」
風見「それでもすごいですよ!」
「なんで風見負けてるのに嬉しそうなの?WINNERとLOSER逆みたい。」
風見「さ、次は貴女の番ですよ」
風見はそう言ってゲームの銃を渡した。
「へぇ、結構重いんだ。」
降谷「やり方はわかるな?」
「うん。撃ち殺せばいいんでしょ。」
降谷「そうだ。」
「所詮おもちゃのゲームでしょ。」
降谷「何だ、やる前から負ける気か?」
降谷にそう言われてもなんともやる気のなさそうに構えた彼女だった。
そしてスタートの合図と共におもちゃの拳銃を撃ち込んだ2人。
結果は圧倒的にアブサンが上をいくスコアだった。
風見「え…う、うそ…」
流石の降谷も驚きを隠しきれなかった。
構えも適当。なのに的確に的を射ていた。
驚く2人をよそに彼女は銃を置きながら欠伸をひとつ。
「やっぱゲームは面倒だなぁ。…人間なら1発当てれば死ぬのに。ゾンビ?は生き返ってくるからキモ…じゃなくて、グロテスクだね。…もっと面白いのあればいいのに。…あれ、2人ともどうしたの?」
降谷「あ、あぁいや…」
降谷はそう言いながら画面を見て鋭い目をせざるを得なかった。
ミス0回、スピードF1、的中率100%
風見もそれを見てゴクリと喉を鳴らした。
2人の頭の中で本能が叫んでいる。
敵に回してはいけない。
「次、あれがいい。」
風見「太鼓の名人ですか?」
「名前はわかんないけど、うん。あれ。2人でお手本見せてよ。」
降谷「やるか、風見」
風見「はいっ!」
そして2人が太鼓の名人を始めるとほぼ同時だった。
「…」
彼女は2人を見るよりも違う方向を見て目つきを変えた。
そしてすぐさま2人に見つからないよう、その場を立ち去った。
風見「あー!また負けた!…さ、次は…」
降谷「!!」
風見「居ない!」
降谷「クソっ…油断しすぎた…今日は逃げないだろうと…」
風見「手分けして探しましょう!方向音痴だと言ってたのでそう遠くに入ってないはずです!」
降谷「方向音痴…?…わかった。なら風見はこの辺りを。俺はあっちを見てくる。」
風見「はい!」
そして2人は別々に走り出した。
降谷『クソ…油断した…あの様子じゃ逃げたりしないと思っていたんだがな…まさか逃げられるとは…』
そうして走り出した降谷の元に風見から連絡が入った。
降谷「居たのか?!」
風見「いえ…。それが…」
風見は話しにくそうにしながら話を続けた。
風見「召集がかかりました…。」
降谷「こんな時にっ…!」
風見「現場はこのショッピングモールです。」
降谷「まさかっ…!」
風見「彼女が事件に関わっている可能性が高くなりました…。ここに爆弾が仕掛けられたと連絡があり…不審人物を見つけたらすぐに拘束しろとのことです。風見は本部と合流してくれ。俺はもう少し中を探す。」
安室「どうした?」
風見「?」
彼女の視線の先には子連れの夫婦やカップル、賑やかに遊びまわる子供達…のいるゲームセンター。
降谷「遊びたいのか」
「別に。」
素っ気なく視線を逸らすも親に甘える子供を羨ましそうに、そして寂しそうに見つめていたことに降谷も風見も気づいていながらも気がつかないふりをした。
風見「安室さん!ひ、久し振りにアレ、やりませんか!」
風見は彼女に気を回したのか風見は大きなヌイグルミのUFOキャッチャーを指差した。
安室「…ふっ。そうだな。」
降谷は風見の張り切る様子に笑みをこぼしながら彼女を呼んだ。
安室「少し付き合ってくれるか」
「別にいいけど。」
素っ気なく返事をしたつもりだろうがどこか目をキラキラさせながら降谷と風見の後をついてきた。
風見「実は結構自信が…ってあれっ、も、もう一回!」
安室「こういうのはだいたい景品を取られないようにアームが緩く設定されている。…だからアームそのものを使って…」
…ガコンッ…
「おぉ〜」
風見「なっ!!…こうしてっ…こうっ!」
…ガコン…
風見「取れました!取れましたよ!ふる…安室さんの言う通りにしたら取れました!」
子供のように喜ぶ風見に彼女は近寄って風見の頭をぽんぽんと軽く撫でた。
「風見もとれたんだ、おめでと。」
風見「あ、はいっ…、あの、この手は…」
「風見ってやっぱり犬っぽいね。それとよく似てるよ。」
そう言いながら彼女は安室と風見のぬいぐるみを指差した。
そのぬいぐるみは目つきの悪い犬だった。
「2人とも、犬がよく似合うよ。」
安室「俺もか?」
「うん。むしろ、根本的には安室の方が犬だよ。」
安室「どういう意味だ。」
2人の間に流れた少しの不穏な空気に風見は突然声をあげた。
風見「あー!あ、あれ!あれをしましょう!」
風見の指差す方向にはシューティングゲーム。
安室「…なるほど。…今度は貴女にも参加してもらいますよ。」
安室はそう言ってニヤリと笑みをこぼした。
「射撃…。」
安室「まずは俺と風見でやるからやり方を見て覚えてくれ。」
「…」
降谷と風見は夢中になって画面を撃ち込んだ。
風見「流石降谷さんですね!ランキング1位じゃないですか!」
降谷「たかがゲームだ。」
風見「それでもすごいですよ!」
「なんで風見負けてるのに嬉しそうなの?WINNERとLOSER逆みたい。」
風見「さ、次は貴女の番ですよ」
風見はそう言ってゲームの銃を渡した。
「へぇ、結構重いんだ。」
降谷「やり方はわかるな?」
「うん。撃ち殺せばいいんでしょ。」
降谷「そうだ。」
「所詮おもちゃのゲームでしょ。」
降谷「何だ、やる前から負ける気か?」
降谷にそう言われてもなんともやる気のなさそうに構えた彼女だった。
そしてスタートの合図と共におもちゃの拳銃を撃ち込んだ2人。
結果は圧倒的にアブサンが上をいくスコアだった。
風見「え…う、うそ…」
流石の降谷も驚きを隠しきれなかった。
構えも適当。なのに的確に的を射ていた。
驚く2人をよそに彼女は銃を置きながら欠伸をひとつ。
「やっぱゲームは面倒だなぁ。…人間なら1発当てれば死ぬのに。ゾンビ?は生き返ってくるからキモ…じゃなくて、グロテスクだね。…もっと面白いのあればいいのに。…あれ、2人ともどうしたの?」
降谷「あ、あぁいや…」
降谷はそう言いながら画面を見て鋭い目をせざるを得なかった。
ミス0回、スピードF1、的中率100%
風見もそれを見てゴクリと喉を鳴らした。
2人の頭の中で本能が叫んでいる。
敵に回してはいけない。
「次、あれがいい。」
風見「太鼓の名人ですか?」
「名前はわかんないけど、うん。あれ。2人でお手本見せてよ。」
降谷「やるか、風見」
風見「はいっ!」
そして2人が太鼓の名人を始めるとほぼ同時だった。
「…」
彼女は2人を見るよりも違う方向を見て目つきを変えた。
そしてすぐさま2人に見つからないよう、その場を立ち去った。
風見「あー!また負けた!…さ、次は…」
降谷「!!」
風見「居ない!」
降谷「クソっ…油断しすぎた…今日は逃げないだろうと…」
風見「手分けして探しましょう!方向音痴だと言ってたのでそう遠くに入ってないはずです!」
降谷「方向音痴…?…わかった。なら風見はこの辺りを。俺はあっちを見てくる。」
風見「はい!」
そして2人は別々に走り出した。
降谷『クソ…油断した…あの様子じゃ逃げたりしないと思っていたんだがな…まさか逃げられるとは…』
そうして走り出した降谷の元に風見から連絡が入った。
降谷「居たのか?!」
風見「いえ…。それが…」
風見は話しにくそうにしながら話を続けた。
風見「召集がかかりました…。」
降谷「こんな時にっ…!」
風見「現場はこのショッピングモールです。」
降谷「まさかっ…!」
風見「彼女が事件に関わっている可能性が高くなりました…。ここに爆弾が仕掛けられたと連絡があり…不審人物を見つけたらすぐに拘束しろとのことです。風見は本部と合流してくれ。俺はもう少し中を探す。」
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