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真っ白なパンツスーツを着た嫁は一家の癒し

ジャンル: 現実世界(恋愛) 作者: rodann
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モデル仲間とのやり取り その1

今日の仕事はバラエティの密着取材。
私の事で特集を1時間やるみたいだ。
今日は、その初日。
密着と言っても家までついてくる訳では無いから、そこは安心。

スタッフ「はい、取材終了です。 では、また後日お伺いしますね。」

潤「分かりました~!」

取り敢えず今日の密着取材は終了。
後の仕事も同時進行で写真の撮影の仕事を終えたのでこの後はフリーだ。

潤「んん~ありゃ、まだ時間あるわ…。 どうしよ…。」

時刻を見ると、[15:08]、お昼も貴ちゃんのお弁当を食べたからお腹なんて空いてないし…。
かといって家に帰っても、まだ誰も帰ってきてないだろうから…家にいてもなぁ…。
しかもオンラインのゲームに至っては、メンテナンス中でログインできないし…。
ゲームで時間を潰す事も出来ない。

潤「どうしようかな…。」

??「あれ? 潤ちゃん?」

仕事終わりで辺りをたむろしてると、突然を声を掛けられる。
声を掛けた人物の正体は私のモデル仲間でもある、[安岡 沙織(やすおか さおり)]ちゃんだ。

潤「沙織ちゃん!」

沙織「あらら、潤ちゃんお久しぶり! どうしたの今日は?」

潤「今、仕事が終わった所、どうしようか悩んでててね。」

沙織「そうなんだ、でも他にやる事ってないの?」

私は沙織ちゃんにやれる事の全ての現状を話した。

沙織「そりゃ大変だね…時間を潰すにも、何もしないで過ごすのも大変だわ…。」

潤「でしょー、だから大変なの。 それよりも沙織ちゃんは?」

沙織「私? 私、今日はフリーなのよね、家でいてもどうにもならないと思ってね…外出する事にしたの。」

潤「それは…何と言ったら良いのか…。」

沙織ちゃんの外出理由に私は言葉を詰まらせてしまう。
多分、空気とか相手の事を感じなかったら…彼女自身が仕事無いからだろうと言ってしまいがち。
だがそれは、過去の自分にも言える事であって無闇に言っては行けない言葉ではあるだろう。
そう考えたらここは無闇に言わないのが無難だ。

沙織「まあ、私これから服買おうと思ったんだけど、潤ちゃんも行く?」

潤「行く行く!! 普段着とか私、あまり無いからね。」

沙織ちゃんから服の買い物に誘われ、私はその誘いに乗った。
誘いに乗ったのも普段着が足りてない為だ。
普段着はあまり無いし、今着てる普段着も5年くらい前に買ったものだ。
そんなに数も無いし、いつボロボロになってダメになってもおかしくないものばかりだ。
そうなる前に買っておくのも良さそうだと思い、私は誘いに乗った。

そして、沙織ちゃんと一緒に連れられた服屋で私は色んな服を見ることにした。
値段はどれも2000~4000円程のものばかり。

潤「これでこの値段なんだ…良いものばかりだね…。」

沙織「そりゃそうだよ、高くてもね良いかどうかなんて本人が着たいかどうかに変わるし。 高いと高いなりに勿体無いと思って着る機会を失う事も有りがちだからね。」

沙織ちゃんの言葉で私はある事を思い出した。
それは…貴之君とまだ出会う前の頃だった…。
モデルの仕事を始めた当初、私はお金に困っていて…アルバイトをしながら生計を経てていた位だ。
しかし、直後に私にパンツスーツのモデルのスカウトがやって来て、私はそれを機にモデルで食べていける状況になった。

その際に普段着とか、5000円以上もするようなものばかりを買っていたが…そんな時代も一気に無くなってやむを得ずフリーマーケットとかで売りに出した事を思い出す。

結婚した今では、パンツスーツしか着る機会が無くなったから普段着なんて着る機会あまり無くなった…。

それどころか…パンツスーツばかりを見ていたから普段着なんて目もくれなかった。

潤「何か…パンツスーツとは違った魅力とかが有るね…。」

沙織「まあ、そうなるね。」

潤「うん、じゃあ着れる奴を探して買っていこうかな? 私もあまり無駄遣いはしたくないし…。」

沙織「もしかして、旦那さんが怖いの?」

潤「それはちょっと有るね。」

本当なら沢山買える位の財力は有るが、貴之君はこの事を知らない訳だからね。
彼に黙って無駄遣いすると…怒られるかも知れない…正直、怒った彼の姿は見た事無いから…トラウマになりそう…。

私は何着か服を買い、店を後にした。

そして、店から出た後、沙織ちゃんから貴之君の事についてこんな事を聞かれた。

沙織「ねぇねぇ、プロポーズとかってどっちが先にしたのかな? 私気になるんだよね?」

潤「えっ…そ…それは…。」

何とプロポーズはどちらが先にしたのかという事だった。
思わぬ質問に私は恥ずかしくなって答えるのを躊躇ってしまう…。

沙織「良いじゃん、別にさ。 恥ずかしがらなくても~♪」

グイグイと迫ってくる沙織ちゃん。
黙っていても…はぐらかしても無駄だと思った私は…意を決して…言う事に。

潤「そりゃ…私の方からだよ…。」

すると…

沙織「うひょー! そりゃ最高だね! だって潤ちゃんが惚れたって事だからね~!!」

予想通り茶化してく沙織ちゃん。
これが無かったら良いのに…。

潤「まあ、貴之君の事は好きだしね。 初めて会った時から、かっこ良くて…頑張り屋さんで…。」

沙織「例のお見合いパーティーでしょ? 良いな~私もそれに出たかったな~。」

沙織ちゃんは残念そうにそう語った。
その時、彼女は仕事が有ったもんだからね。
まあ…今でもあの時の事は良い思い出として私の中に刻まれてる。
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