第2話「ソフィア」
唇による出し入れでマオの肉棒に再び力を入れさせたソフィアは、ソレを口から抜いた。
硬くそそり立っているマオの少年の証しは、彼女の唾液でベトベトに濡れている。
ソレを熱く見つめた銀髪の美女は、体を起こす。そして、荒く呼吸をしているマオの腰の上で膝立ちとなった。
ソフィアは、ゆっくりと腰を落としていく。
銀毛で隠されている淫裂に、肉棒の先端が触れた。股間の銀毛は濡れている。
自分の愛撫で悶えるマオの姿を見て興奮し、ソフィアの秘洞は淫らなメスの蜜を分泌していた。それが、股間の銀毛を濡らした。
股間に硬い肉の感触を受けた美女は、一気に腰を落とす。
淫裂は左右に割り広がり、マオの肉棒を根元まで収める。
「はうんっ!」
淫蜜で熱く濡れている女の洞に少年のモノが埋没すると、快感が混ざった衝撃が走ってくる。ソフィアは首を反らし、甘い声を漏れ響かせた。
秘肉で怒張を包まれたマオも、熱い吐息を漏らす。
銀髪の美女は腰を上下に動かしはじめる。
「ああっ……あっ、あふっ!」
マオの少年の証しが出入りすると、秘洞から快楽が疾走してきた。ソフィアの白い肌は疾走する悦楽でほんのりと赤く染まっていく。
彼女が腰をうごかすたびに肉棒から快感が生じて、マオは肩を震わせながら、うめき声をこぼした。
そんな彼の目の前で、豊満な乳房がユサユサと派手に揺れている。
淫蜜で濡れているソフィアの秘洞はウネウネと妖しげに蠢き、彼の怒張に刺激を加えた。
怒張している肉棒から全身へと広がる強烈な快楽。マオがこぼすうめき声が大きくなっていく。
そんな彼の様子は、銀髪の美女を興奮させる。
興奮は、無意識のうちに腰を上下させる動きを速く、そして激しくさせていた。
マオが得ている悦楽は、強烈さを増す。秘洞の中で、彼のモノは脈動をはじめる。
先ほど放ったばかりだが、もう次を放ってしまいそうであった。
それを感じ取ったソフィアは、まるで射精を促すかのように腰の動きをさらに激しくさせてきた。
「はあ、ああ……んっ、ああっ!」
マオの肉棒でえぐられる秘洞から快感が疾走する。乳房を揺らしながら腰を上下させるソフィアは、美貌を真っ赤に染めて甘く喘いだ。
駆け抜ける快楽が、熱く濡れている秘肉の蠢きをより妖しくさせていった。
淫蜜で濡れて蠢く秘肉で刺激され、マオの肉棒は脈動を大きくさせる。
腰を上下させてマオのモノを出し入れさせるたびに、ソフィアの中の快感も大きくなっていく。赤く染まっている肌が、快楽の汗で濡れていった。
ソフィアが腰を動かすたびに、股間からはグジュグジュと淫らさを感じさせる粘った水音が響く。
彼女が腰の動きを速めると、その水音は大きくなる。体の内側で膨らんでいる快感も、さらに大きくなる。
そしてマオの少年の証しは、今にも爆発を起こしそうであった。
ソフィアは肉棒が抜けるギリギリまで腰を上げ、勢いを乗せて一気に落とす。
根元まで深々と突き刺さるマオの怒張。
「んくうううっ!」
彼の腰の上で、ソフィアは背中を弓なりに反らした。彼女の中の快感が、破裂した。
弓なりに反った裸身が、破裂して暴れ回る快感によってビクビクと震える。
マオの肉棒が埋まる秘洞からは淫らな蜜が噴き出し、彼の股間をベトベトに濡らしていった。
ソフィアが絶頂したのと同時に、マオの肉棒も爆発を起こしていた。
秘洞の中に、白濁した体液が放たれる。
「はあ、ふぅ……」
マオが放ったものを熱く感じながら、ソフィアは彼の上に倒れた。マオの胸に乳房が押され、形をたわませる。
マオは自分の上に倒れてきたソフィアを抱きしめた。熱くなっている彼女の裸身。その熱さが心地よかった。
彼の体も熱くなっていて、ソフィアも同じようにその熱さを心地よく感じていた。
部屋の中には、少年と美女の荒くなっている呼吸の音だけが響いていた……。
◇◇◇
翌日。【ゼロポリス】の繁華街の道路を【アイギス】の車が走っていた。運転しているのは【アイギス】の制服を着たソフィアだ。
車載されている通信機からは、事件が起きたという通信は流れてこない。
「今日は平和ねえ」
そんな言葉が、彼女の口から出る。
平和が一番である。事件など起きない方がいい。
今日は平和なまま仕事を終えることができそうだ、などと思ったときであった。
爆発音が、ソフィアの耳に届いた。慌ててブレーキを踏み、車を止める。
「なにっ!?」
耳をすますと、人々の悲鳴も聞こえてきた。
ただ事ではない。
「ったく、平和な一日だと思ったのに!」
そうも行かなくなったようだ。ソフィアは所属している支部に通信を送り、車から降りた。そして爆発音がしたと思われる場所に向かって走る。
繁華街の中にあるジュエリーショップ、爆発音はそこから聞こえてきたらしい。窓ガラスはすべて割れており、出入り口付近が破壊されていた。
そんなジュエリーショップから、バッグを持った男たちが出てくる。ソフィアは男たちが持つバッグの中に宝石類が入っているのを見た。
どうやら男たちは強盗のようだ。
「【アイギス】よっ!」
ソフィアはジャンパージャケットの内側から衝撃弾を放つオートマチックの拳銃を抜き、男たちの前に立ちふさがった。
男の1人が、ソフィアに向かって右手を突き出す。彼女の体は無意識のうちに動いていた。咄嗟(とっさ)に横に飛ぶ。
すると、それまで立っていた場所で爆発が起きた。路面がえぐれるほどの爆発。その場に立っていたら、ただでは済まなかっただろう。
ジュエリーショップの出入り口付近を破壊したのは、その男のようだ。
特定の場所に爆発を起こす超能力……男たちは超能力犯罪者だ。
「邪魔するなよ、【アイギス】っ!」
別の男がソフィアに向かって炎を放つ。
「わわっ!」
自分に向かって伸びてきた灼熱の火炎を、銀髪の美女は身をひねって避けた。
炎を避けながら、拳銃のトリガーを引く。発火能力者に当たるかと思った衝撃弾だが、それはピタリと止まった。そして地面に落ちる。
ソフィアは男たちの一人から、自分と同じ力を感じた。念動力……それが衝撃弾を止めたのだ。彼女は横に跳ぶ。すぐ脇を、目に見えない力が通過していくのが分かった。
男たちの1人……念動力を持っている超能力者による攻撃だ。跳ぶのが少しでも遅かったら、念動力によって吹き飛ばされていただろう。
(さすがに1人じゃキツイわね)
1人ひとりのレベルは大したことはなさそうだ。1人ひとりが大したことがなくても、集団になれば厄介である。
超能力のレベルが3であるソフィアでも苦戦する。
超能力にはレベルがあった。5段階に分かれているレベル。数字が高ければ、その分、威力や効果が高い。
男たちの超能力のレベルはおそらく1か2といったところ。ソフィアよりも下だ。
レベルの低さは数や連携で補うことが可能だ。レベル3の超能力者であるソフィアでも、1人で多数の超能力者を相手にするのは、いささか不利であった。
応援の【ガーディアン】や【アイギス】はまだ、この現場に到着しないようだ。ソフィアは1人で戦わなければいけない状況だ。
「どうした、どうした【アイギス】!」
念動力を持つ超能力犯罪者が、笑いながら念動力でソフィアを攻撃してくる。
ソフィアはそれを念動力で作ったシールドで防ぐ。
爆発を起こす超能力犯罪者が、ソフィアの周囲で爆発を発生させた。爆風が銀髪を揺らす。
超能力犯罪者たちは、防御しかできないソフィアをなぶって楽しんでいた。
さらなる超能力の攻撃を加えようとしたときだった。超能力犯罪者の超能力からソフィアを守るように、1台の車輌が割って入ってくる。
【アイギス】の車だ。
「ソフィア! 大丈夫!」
運転席から降りるのは、【アイギス】の制服を着たマオだった。
「助かったわ、マオ」
援軍が来てくれて、ソフィアは安堵する。
ソフィアと同じようにパトロール中だったマオ。通信を受け、急いで駆けつけたのだ。
1人ならともかく、【アイギス】が2人になったら厄介であった。超能力犯罪者たちは、さっさと退散を決める。
超能力犯罪者たちが背を向けると、
「逃がすかっ!」
レベル3の超能力の使い手であるマオは超能力を発動させた。
強い風が吹き、超能力犯罪者たちの行く手をさえぎる壁のようになる。
「くそっ!」
撤退するのを邪魔された超能力犯罪者のうち1人、爆発を起こす超能力者がマオを攻撃しようとした。
だが、それよりも速く、ソフィアの念動力が発動する。
爆発能力者の体がフワリと浮かんだかと思うと、
「ぐあっ!」
地面に叩きつけられた。そのまま意識を失う。
念動力使いがマオを攻撃しようとするが、先にマオの攻撃が放たれる。
突風が念動力使いを吹き飛ばす。吹き飛ばされた念動力使いは地面に落ち、いやというほど背中をぶつけ、やはりそのまま意識を失った。
ソフィアとマオ、レベル3の超能力者が2人。残っている超能力犯罪者も、またたく間のうちに叩きのめされる。
【ガーディアン】や他の【アイギス】が駆けつけた頃には、ケリがついていた。
超能力犯罪者たちは捕縛され、護送されていった。
ジュエリーショップは損壊したが、幸いなことに怪我人などは出ていない。
「まったく、今日は平和に終わると思ったのに」
ソフィアは文句を口にする。
「そんなふうに思っていると、事件って起きるものだよ」
マオの言葉に、彼女はまったくだ、と思った。
報告やらなにやらで、今日も帰りは遅くなりそうであった。
◇◇◇
昼間はまるで墓場のように静かだが、夜になると賑やかになる区画。
明るいうちは人通りが少ないが、陽が沈んだ今は大勢の人がいた。
この区画に並んでいるのは、バーや風俗関係の店。
ここは【ゼロポリス】にある歓楽街の1つだ。
そんな場所の通りを、1人の男が歩いていた。30代と思われる、スーツ姿のビジネスパーソン風の男。
歓楽街は賑やかだが、静かな場所もある。
一部の人間だけが通える高級な店。そんな店が並んでいる場所は静かであった。
スーツ姿の男……長谷川という名の男が向かっている店は、そんな場所にある。
一見すると高級な邸宅に見えるが、れっきとした店であった。
それを示すかのように看板がある。【夜の黒猫亭】、それが店の名前だ。
ドアを開け、長谷川は店の中に足を踏み入れる。
「【夜の黒猫亭】へようこそ」
さまざまな衣装を着た、さまざまな年齢の女たちが彼を迎えた。
「ご指名はございますか?」
マーメイドドレスを着た女が問う。長谷川は「ああ」と、うなずいた。
「シオンを頼む」
「かしこまりました」
長谷川の答えを聞くと、マーメイドドレスの女は彼の前から離れる。そして代わりのように、
「ご指名ありがとうございます」
顔に笑みを浮かべたマゼンタのブレザー姿の少女が長谷川の前に立った。
茶色の髪をショートにしている少女……シオンだ。
ブレザーの制服を着ているが、彼女は学生というわけではない。着ているのは、『客受けがいいから』という理由でコスプレショップで買った架空の学園の制服だ。
【ゼロポリス】で賞金稼ぎをしているシオンだが、『もう1つの顔』があった。
娼婦という顔だ。
【夜の黒猫亭】、ここは男たちに一夜の夢を見せる場所……娼館であった。
シオンはここに所属している娼婦である。
「さっそく部屋に行きますか?」
架空の学園の制服姿のシオンに聞かれ、長谷川は「ああ」と返す。
シオンは長谷川の腕に抱きつき、一緒に店の奥にあるエレベーターへと向かった。
サービス用の部屋で長谷川と2人きりになったシオンは、
「いつも指名ありがとう、おじ様」
と少しくだけた口調になって長谷川に告げた。
そしてベッドの端に腰かけた彼の前でブレザーとその下のニットベストを脱ぐ。続けてスカートも脱ぐ。
「キミのことが気に入っているからな」
シオンが服を脱ぐのを眺めながら長谷川は言った。
彼女はブラウスとスカートも脱ぎ、レモンイエローのブラジャーとショーツ、そしてソックスだけという格好になる。
長谷川は両腕を広げ、そんな格好になったシオンを招く。
シオンは招かれるまま、彼の方に歩み寄っていった。
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