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180cmカップル

ジャンル: 現実世界(恋愛) 作者: rodann
目次

180cmの彼女は数字のゲームが大好き その3

HIT&BLOWで対決となった僕と蒼ちゃん。
僕の2回目のターンが終わり、次は蒼ちゃんの番。

蒼「では今度はボクのターンですね。 えー…"519"。」

蒼ちゃんの2回目の申告"519"。
それを聞いた時、僕の自分の選んだ3桁の数字と比べた。
何度も何度も確認をして…一応ホッとした…。
百の位の5が一致、1が使われてるので判定は

恭平「1HIT1BLOWだね。」

という判定。
この判定で僕と蒼ちゃんの優劣は変わらなくなっただろう。
運命の3ターン目…ここからが勝負かな…。
僕は何とか考えて悩んで…推理をして…導き出した3桁の数字は…

恭平「"792"」

これに決め申告した。
すると蒼ちゃんはビックリした表情になり、周りをキョロキョロと視線が定まらなくなってる。
そんな状態が続いて…蒼ちゃんの判定は…。

蒼「2HIT…0BLOWです…。」

何とまさかの結果は先程の"792"のうち2つが位置も数字も当たってるとの事。
これはかなり追い詰めたのではないかと思う僕。
だが、追い詰めたと言っても次の申告で勝てる確証はまだ無いのだ。

蒼「先輩スゴいですね、ボク結構ヤバいですよ。」

恭平「そうは言ってもね…。」

と言う蒼ちゃんだが、また次蒼ちゃんの申告の番だから下手したらこれで決まる可能性はある。
むしろ慣れてる蒼ちゃんが次決めて僕が負けるパターンが想像つく。
そんな蒼ちゃんの3ターン目。
まあ、まさかの2HITの判定が結構効いてるのか…かなり悩みに悩む蒼ちゃん…。
こんなに真剣になるのは、やはりそれだけ数字に関する事は負けたく無いのだろう…。
悩みに悩みぬいて、遂に蒼ちゃんから3桁の数字が申告される。

蒼「えー…"594"。」

その3桁の数字を聞いた瞬間、僕は身体の力が一気に抜けてしまった。
そう、僕の選んだ3桁の数字と同じ数字を蒼ちゃんは申告したからだ。
つまり…僕は負けてしまったのだ。
だが、これも仕方無し…どんな事であれ負けは負け。
僕は潔く、その判定結果を蒼ちゃんに伝えた。

恭平「参りました! 3HIT!」

蒼「えっ…マジですか!?」

勝ちが分かった時の蒼ちゃん、喜ぶどころか、「まさか当たるとは」という感じの表情を見せた。
まあ、お互いに数字の候補は絞れたものの、まだ確実に"これだ!"というのは無かった訳だからね。

恭平「やっぱり強いわ~。 "594"言われた時、力が抜けたもん。」

蒼「あ…あれ…負けたからだったんですか…。」

どうやら蒼ちゃんも僕のあの時の行動には気づいてたみたいだ。
だがそれが、負けてしまったという事には気づかなかった模様。

蒼「いやー、どうしよう…先輩に勝っちゃった…。 うわー…。」

蒼ちゃんは小さな声で、勝った事に対して「申し訳ない」や「勝って良かったのか」と勝って申し訳無いみたいな感じを出していた。
それに対して僕は

恭平「そこまでにならなくても、経験や数字好きとか、所属の学部を考えたら僕が負けるのは目に見えてるよ。」

と何とかフォローした。

蒼「う~ん…。」

しかしながら彼女は複雑なのだろう。
ましてや…先輩に勝つというのは彼女にとって罪悪感満載な事なのだろう…。

恭平「まあ、それは何よりも…蒼ちゃん、おめでとう!」

蒼「う~ん…ありがとうございます!」

僕はそれでも彼女を祝ったが、
彼女は少し言葉を唸らせた後、素直に喜んだ。
何よりも彼女自身が勝った事に喜んでくれるなら僕も安心する。

恭平「蒼ちゃんさ、勝った記念に何か買ってくる? 食べたい物とか欲しい物とか。」

蒼「んー…大丈夫です! 気持ちだけで充分です!」

恭平「本当に? いいの?」

蒼「はい!」

彼女は満面の笑みでそう言った。
僕に勝ったというだけでも相当嬉しい事なのかな?

恭平「ねぇ…蒼ちゃん…。」

蒼「ん? どうしました?」

恭平「実はHIT&BLOW結構気に入ったんだ。 もう一回勝負しない?」

蒼「ええっ!?」

僕は、蒼ちゃんに再戦を要求。
何だかんだで、僕もこのゲームが気に入ったからだ。
再戦を聞いた蒼ちゃんは驚き

蒼「いやいやいや、もう一回って…ええっ!? そんな無理しなくても!」

何と再戦を断ってしまう。

恭平「いや…お願いできないかな?」

僕は何とかお願いするが…

蒼「ダメです! これ以上、先輩に土をつける訳には行きません!」

恭平「いや…別に負けた事に関しては僕は気にしてないけど…。」

彼女は頑なに拒否した。
理由としては僕が負けてしまうのは嫌だとの事。
しかも僕が気にしてないと言うと…彼女は…

蒼「先輩は気にしてなくても、ボクが嫌なんです! ですから、勝負は一回切りで! お願いします!」

今度は彼女がお願いしてしまう立場に。
こういう時の彼女のお願いには弱いんだよな僕…。
僕に結構甘えたりするんだけど、彼女は僕が傷ついたりする事は人一倍嫌いなんだよな。

恭平「う~ん…仕方無いか…。」

蒼「もし次やる事になったら、ボクはわざと負けますからね! 本当に嫌なんですよ…。」

膨れっ面にして拒否する彼女、まあこんな可愛い反応を示したら僕も負けてしまうな。
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