7
地下のせいかじわじわと寒気が襲ってくる。
暗闇の中で余計に回想される思考。
不安
恐怖
震える体
刺された痛み
荒れる呼吸
頭痛による冷や汗
負傷したせいだけではないストレス
パニックを起こしそうな感情
叫び出したくなるのを堪えるので精一杯だった。
そしてその全てを隠し通すためにゆりはただ動かずに耐えていた。
ただそんなことをしらずに追い詰める降谷。
降谷「どういうつもりだ。お前は何を知っている?…お前は…」
…ポタッ…ポタポタッ…
抑えきれなくなった吐血がゆりの口から溢れ出した。
周囲に充満する鉄の匂い。
それを引き金にゆりのパニックは爆発した。
降谷「矢神…?」
「…ゴホッゲホッゲホッゲホッ…」
ゆりえの口からは血が溢れ出して止まらない。
降谷「おい…;矢神…?」
降谷には嫌な予感がよぎった。
「…っぅ…」
暗闇に慣れてきた目は彼女の姿を捉えることができた。
頭と心臓を押さえて呼吸を荒くしているゆり。
降谷「矢神!」
「…やっ…ごめん…なさっ…」
降谷「おい、どうした!」
「やっ…だ…。っはぁっ…はっ…」
降谷「おい、矢神!!」
降谷はゆりの肩を掴んだ。
「…いやぁっ!…っ…!ごめっ…なさ…っ…はっ…はぁっ…はっ…」
ゆりは暫く謝り続けながら涙を流していた。
降谷「矢神…?矢神!おい!しっかりしろ!矢神!」
降谷が一度彼女の顔を叩くと正気に戻ったようだが、苦しそうなのは変わらなかった。
「はっはぁっ…す、みま…ゲホッゴホッ…せ…っうっ…」
正気に戻って傷口の痛みも感じ始めたのか、傷口を強く押さえていた。
降谷「お前まさかあの時俺を庇って…」
「はぁっ…………はぁっ…」
降谷「矢神…?!」
彼女の呼吸の感覚が段々と長くなり、何も聞こえなくなった。
降谷「矢神!おい!矢神!」
何度呼んでも返事のないゆりの身体はどんどんと体温を失っていく。
降谷『はやく…ここから出ないと…!』
そう焦っていた時だった。
風見「降谷さん!」
狩生「降谷くん!」
降谷「風見!早く救急車を!」
警察たちが戻ってくる音にゆっくりと目を覚ましたゆりは持っていた拳銃を自分に向けた。
風見/狩生「矢神…?!」
降谷「お前何して…!」
「……ガハッゴホッゲホッゲホッゲホッ…」
狩生「矢神!しっかりしろ!」
辛そうにしながらもしっかりとゆりは自分の心臓に拳銃を突きつけたままだった。
「ガハッゴホッゲホッゲホッゲホッ…ハーッハーッ…」
息もろくに吸えていない。
「私が…っ!…いる…と…ゴホッゴホッ…ろくなことがない…っ!」
降谷「それは…」
「はっ…はっ…最初から、こうすれば……っ…よかっ…たっ…!」
そう言って力なく笑うと指に力を込めようとしたがそれさえできず、その場に倒れた。
その姿はまるで死んだように動かなくなった。
風見「降谷さん…一体何がっ…」
降谷「…っ…」
狩生「救急車を待つ時間はない!連れて行くぞ!」
降谷はその場から動けなかった。
狩生「降谷!お前がしっかりしないでどうする!」
降谷は絶望していた。自分のせいで今の状態を作り出してしまったことを。
降谷『俺の身勝手な行動で…』
…pi…pi…pi…
ゆりが目を覚ましたのはそれから2週間後の事だった。
「…」
狩生「矢神!」
「…狩生…さ…」
すっかり衰えたゆりは力なく狩生の方に顔だけ向けた。
その横には降谷もいて。
「降谷さん…無事でよかったです…」
降谷「よくない!お前は…!」
ビクッ
降谷の怒鳴る様子に怯え出したゆりえの様子はいつもと違った。
布団ごと心臓を握りしめて落ち着こうとしているように見える。
狩生「降谷くん、病院だぞ。」
降谷「っ。すみません…」
落ち着いたのかゆりはいつものような口調で口を開いた。
「…すみませんっ!仕事に穴を開けてしまいましたね;その上ご迷惑を…」
狩生「今回はお前がわざと捕らえられる時に送ったGPSのお陰で犯人逮捕に至った。」
狩生はにっこりと微笑むとゆりはそうですかと少し安心した様子だった。
がすぐに苦しそうに目を閉じると二人に背を向けて頭を押さえていた。
「っ…」
狩生「どうした?!矢神!」
「…すみません…薬…とってもらえませんか…私のカバンの中に…」
降谷「これか?」
「すみませんっ…」
ゆりはは差し出された薬を受け取るとプチプチと通常よりも多い量を出すとゆっくり起き上がろうとしていた。
それを狩生と降谷はそっとささえてやった。
「ありがとうこざいます、すみません^^;」
狩生「矢神、まさかまた…」
「何言ってるんですかーっ!こんなの全然大丈夫ですよっ!」
…ガラガラッ…
風見「矢神!!」
「あ、風見さん^^おはようございます^^」
風見「おはよう。って!そうじゃなくて!大丈夫なのかっ?!」
「全然大丈夫ですよ?明日からにでもすぐ復帰しますよ^^」
狩生・降谷・風見「は?!」
「2週間もおやすみ頂いてしまいましたし仕事が溜まっている頃ですから!」
降谷「そんなの無理に決まってるだろ!」
風見「降谷さんのいう通りだ!2度も刺されておいて!!」
狩生・降谷「2度も?」
暗闇の中で余計に回想される思考。
不安
恐怖
震える体
刺された痛み
荒れる呼吸
頭痛による冷や汗
負傷したせいだけではないストレス
パニックを起こしそうな感情
叫び出したくなるのを堪えるので精一杯だった。
そしてその全てを隠し通すためにゆりはただ動かずに耐えていた。
ただそんなことをしらずに追い詰める降谷。
降谷「どういうつもりだ。お前は何を知っている?…お前は…」
…ポタッ…ポタポタッ…
抑えきれなくなった吐血がゆりの口から溢れ出した。
周囲に充満する鉄の匂い。
それを引き金にゆりのパニックは爆発した。
降谷「矢神…?」
「…ゴホッゲホッゲホッゲホッ…」
ゆりえの口からは血が溢れ出して止まらない。
降谷「おい…;矢神…?」
降谷には嫌な予感がよぎった。
「…っぅ…」
暗闇に慣れてきた目は彼女の姿を捉えることができた。
頭と心臓を押さえて呼吸を荒くしているゆり。
降谷「矢神!」
「…やっ…ごめん…なさっ…」
降谷「おい、どうした!」
「やっ…だ…。っはぁっ…はっ…」
降谷「おい、矢神!!」
降谷はゆりの肩を掴んだ。
「…いやぁっ!…っ…!ごめっ…なさ…っ…はっ…はぁっ…はっ…」
ゆりは暫く謝り続けながら涙を流していた。
降谷「矢神…?矢神!おい!しっかりしろ!矢神!」
降谷が一度彼女の顔を叩くと正気に戻ったようだが、苦しそうなのは変わらなかった。
「はっはぁっ…す、みま…ゲホッゴホッ…せ…っうっ…」
正気に戻って傷口の痛みも感じ始めたのか、傷口を強く押さえていた。
降谷「お前まさかあの時俺を庇って…」
「はぁっ…………はぁっ…」
降谷「矢神…?!」
彼女の呼吸の感覚が段々と長くなり、何も聞こえなくなった。
降谷「矢神!おい!矢神!」
何度呼んでも返事のないゆりの身体はどんどんと体温を失っていく。
降谷『はやく…ここから出ないと…!』
そう焦っていた時だった。
風見「降谷さん!」
狩生「降谷くん!」
降谷「風見!早く救急車を!」
警察たちが戻ってくる音にゆっくりと目を覚ましたゆりは持っていた拳銃を自分に向けた。
風見/狩生「矢神…?!」
降谷「お前何して…!」
「……ガハッゴホッゲホッゲホッゲホッ…」
狩生「矢神!しっかりしろ!」
辛そうにしながらもしっかりとゆりは自分の心臓に拳銃を突きつけたままだった。
「ガハッゴホッゲホッゲホッゲホッ…ハーッハーッ…」
息もろくに吸えていない。
「私が…っ!…いる…と…ゴホッゴホッ…ろくなことがない…っ!」
降谷「それは…」
「はっ…はっ…最初から、こうすれば……っ…よかっ…たっ…!」
そう言って力なく笑うと指に力を込めようとしたがそれさえできず、その場に倒れた。
その姿はまるで死んだように動かなくなった。
風見「降谷さん…一体何がっ…」
降谷「…っ…」
狩生「救急車を待つ時間はない!連れて行くぞ!」
降谷はその場から動けなかった。
狩生「降谷!お前がしっかりしないでどうする!」
降谷は絶望していた。自分のせいで今の状態を作り出してしまったことを。
降谷『俺の身勝手な行動で…』
…pi…pi…pi…
ゆりが目を覚ましたのはそれから2週間後の事だった。
「…」
狩生「矢神!」
「…狩生…さ…」
すっかり衰えたゆりは力なく狩生の方に顔だけ向けた。
その横には降谷もいて。
「降谷さん…無事でよかったです…」
降谷「よくない!お前は…!」
ビクッ
降谷の怒鳴る様子に怯え出したゆりえの様子はいつもと違った。
布団ごと心臓を握りしめて落ち着こうとしているように見える。
狩生「降谷くん、病院だぞ。」
降谷「っ。すみません…」
落ち着いたのかゆりはいつものような口調で口を開いた。
「…すみませんっ!仕事に穴を開けてしまいましたね;その上ご迷惑を…」
狩生「今回はお前がわざと捕らえられる時に送ったGPSのお陰で犯人逮捕に至った。」
狩生はにっこりと微笑むとゆりはそうですかと少し安心した様子だった。
がすぐに苦しそうに目を閉じると二人に背を向けて頭を押さえていた。
「っ…」
狩生「どうした?!矢神!」
「…すみません…薬…とってもらえませんか…私のカバンの中に…」
降谷「これか?」
「すみませんっ…」
ゆりはは差し出された薬を受け取るとプチプチと通常よりも多い量を出すとゆっくり起き上がろうとしていた。
それを狩生と降谷はそっとささえてやった。
「ありがとうこざいます、すみません^^;」
狩生「矢神、まさかまた…」
「何言ってるんですかーっ!こんなの全然大丈夫ですよっ!」
…ガラガラッ…
風見「矢神!!」
「あ、風見さん^^おはようございます^^」
風見「おはよう。って!そうじゃなくて!大丈夫なのかっ?!」
「全然大丈夫ですよ?明日からにでもすぐ復帰しますよ^^」
狩生・降谷・風見「は?!」
「2週間もおやすみ頂いてしまいましたし仕事が溜まっている頃ですから!」
降谷「そんなの無理に決まってるだろ!」
風見「降谷さんのいう通りだ!2度も刺されておいて!!」
狩生・降谷「2度も?」
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