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Gray

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
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組織が滅亡して暫くした頃、毎日のようにゆりは殆どの仕事を一人でこなしていた。

毎日睡眠も食事もまともにとらすに働きづめだった。

降谷「夜神」

「何でしょう?」

降谷「少しは休んだらどうなんだ」

「仕事がまだありますので…^^」

降谷「それはお前に与えられた仕事じゃないだろ。」

「いえ、私の仕事ですよ^^」

相変わらず口元だけで笑顔を作る彼女は疲れ切った顔をしていた。

上司「夜神、もういいんだぞ、俺たちの仕事だ…。今まで…すまなかったな…」

「大丈夫ですよ、私仕事好きなので^^…勉強の一環ですよ…^^」

上司「もう休めなくなるほど仕事を抱えなくていいんだ…」

降谷「先輩もそう言ってる。少し休め。」

「あはは…何言ってるんですか…私がトロいだけなんです^^…これは勉強の一環ですよ、大丈夫です^^お気持ちだけ有難く頂戴させていただきますね^^」『休むって?…なにそれ、麻痺しててわかんないや…いっぱい仕事して早く…楽になろう…死んだらきっとこんな毎日からも抜け出せるよね?』

部下「夜神さん!そ、それ俺たちにやらせてください!俺たちも勉強しないと…」

「なに言ってるんですか^^私の方が勉強不足です、全然役に立たないし…^^皆さんしっかりお仕事されてて勉強できてますよ…」

そんな会話をしている時だった。

狩生「矢神、ちょっといいか」

「はい」

突然ゆりのデスクに来た狩生に一言返事をすると狩生の後をついていった。

ある会議室の一室に呼ばれるとそこにぞろぞろと降谷を含めた公安の人間が入って来た。

そして全員が一斉に頭を下げたのだった。

「狩生さん、これは…?」

狩生「矢神、お前のこと、両親のことも話した。こいつ達はお前の事をかなり誤解していたんだ。…もっと早くこうするべきだった…すまない。」

そう言うと狩生まで立ち上がりゆりに頭を下げたのだった。

「え、ちょっと…狩生さんまで…皆さん頭を上げて下さい」

上司「すまない。謝って済む事じゃないんだ。…許してくれなんて都合のいい事をいうつもりもない。…ただ、矢神にひどい事をしてしまった…」

「わ、わたし何もされてませんよ…」

部下「すみません、俺たちも事実とか知らないのに…勝手に仕事押し付けたり…その…殴ったり…」

「殴られる原因がある私にも非があります」

狩生「違う。…俺も事実を伝えるなという矢神の意見を無視するべきだった。ここまでひどくならないと行動にうつせなかったんだ。…すまない」


「やめてくださいよ、狩生さんまで…」『今更謝られたってどうしたらいいのよ…』

全員が自分に頭を下げる光景に戸惑っていた。

風見「すまなかった矢神…。お前が助けてくれたのに礼を言うどころか酷い態度をとっていた…」

全員「すみませんでした」

「み、皆さん…取り敢えず頭を上げてください…」『どういう風の吹き回しよ…今更都合よく頭下げられたってどうすればいいのよ…。許す?何を?私は何をされて何をしでかしたの…?皆何が悪いか本当にわかってて頭を下げてるの…?』

その言葉に全員が頭をゆっくりと上げた。

狩生「矢神、頼む。休んでくれ。」

「何言ってるんですか…。私が仕事が終わらないのは私がトロくて…勉強不足だからで…」

降谷「もう仕事をすることに無理に理由なんてつけなくていいんだ。矢神」

「え…」

降谷「お前はそうやって自分を追い込んで、ご両親のやり遂げられなかったことをやろうとした。…てももう組織も壊滅した。やり遂げただろ」

「やり遂げた…?何のことですか…?私はそんな綺麗な感情で仕事をしていませんでしたよ…。…最初はそう思ってやってましたけど…………。最後は自分のためでした。………組織を潰す為にここで利用されてきたんだって、だから皆さんが仕事を大量に押し付けてきてたり、そんなことくらいわかってましたよ?…だから私は自分が楽になりたくて仕事をしてたんですよ…。仕事をして、ただただ自分を休ませずに早く過労死でもできたらなって…。最低じゃないですか?私。自分が楽になるために親を理由にして頑張る振りをして。私は両親を利用した最低な人間ですよ。…こんなの、何もやり遂げたことにならないですよ…ハハッ…」

狩生「矢神…そんな悲しいことを言うもんじゃない…」

「………。皆さん、私のこと誤解しすぎです。」

全員「…えっ…?」

「本当のこと言います。…私が過労死でも生きたくなかったのは事実です。でも、それに加えて私…少しでも皆さんが罪悪感感じたらいなって思ってました。最低じゃないですか?お世話になった先輩方、頼ってくださった後輩、皆に罪悪感感じてほしいなんて思ってたんですよ?誰も感じるわけないのに…ハハッ…。私がいきなり死んで仕事に困ればいいとか、最低なことばかり最近はずっと思ってました。組織を壊滅させたのだってそう。私の人生を狂わせたのは組織の人間だって、そんな思い込みだけで私は…仕事をしてたんですよ。誰かのせいにしないと仕事ができない…私はそんな最低な人間ですよ。」
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