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321…

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
目次

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赤井「痛むか。」

「ちょっとね。………空ったら変な勘違いしてるのかしら。」

ゆりは目を瞑ったままふっと笑った。

赤井「ふっ。空は見かけによらずウブな奴だからな。」

「ふふ…そうね…。」

赤井「どれくらいのペースで痛むんだ?」

「年に1、2回…って言いたい所だけど一年前から毎月来るようになって。最近では毎週のように来るわ。…ほんと、なんなのかわかんない。」

赤井「そうか。…あまり無理をするな。少しは周りに頼ることもっと必要だと思うが。」

「そうね。…でも、このこと空には言わないで。責任感じちゃうと思うから。…空は何も悪くないのに。」

赤井「…あいつには言わないでおこう。………そのかわり、この家で生活をしろ。」

「何言ってんの。ここは工藤さんの家でしょ、勝手に私が住むわけにいかないわ。」

赤井「だがお前さんを一人にしておくわけにもいかない。」

空「し、しゅうにいっ!おれ、今日はなんかここで寝たいから上のベッド2人でつ、つかえよっ」

「空いいわ、私もうすぐ帰るから。夜も明ける時間だし。」

空「でもっ…」

赤井「このままで返すわけにはいかないな。」

「大丈夫よ。でも…もう少しこうしてていいかしら。…たまには頼っていいんでしょ?」

赤井「あぁ。」

「…こうしてるのが一番楽なのよ。…今日だけ…甘えさせて。」

空「///や、やっぱり俺部屋行ってる!!ま、また帰るとき声かけてくれよなっ!じゃ!」

「…ふふっ」

赤井「ふっ…」

「かわいいわね」

赤井「そうだな。」


「ありがとう。もう痛みは無くなったし、そろそろおいとまするわ。」

赤井「送っていこう。」

「結構よ。」

…ダダダダダッ…

空「お、送ってもらえよっ!てゆうか送ってもらわねえんなら返さねえぞ!」

赤井「だそうだ。」

「ならお言葉に甘えようかしら。」

空「お、俺は仕事あるからしゅ、しゅうにいたのんだ!」

赤井「あぁ。」

「…ありがとう。空も、秀一も。」

空「お、おう!また来いよ!」

「えぇ。気が向けばね。…じゃ、また。」

空「おう!またな!」

赤井「後ろで寝てていいぞ。」

「いい。」

赤井「ここでいいのか」

「ええ。…ありがとう。」

赤井「何かあったらいつでも連絡しろ。」

「えぇ。ありがとう。助かったわ。」

赤井「くれぐれも気をつけろ。」

「ええ。そっちもね。」

こうして2人は無事に別れた。


安室「こんばんは。」

「あら、もう来てたのね。」

安室「上司より先に来ていた方がいいかと思いましてね。」

「上司ってほどじゃないわ。」

安室「よく言いますよ。」

「………それより、取引相手は?」

安室「もう来てますよ。」

「珍しく早いのね。」

安室「で、どうするんです?」

「取引を済ませたらちょっと眠ってもらってずらかるわよ。」

安室「なるほど。」

「さ。終わったし帰っていいわよ。」

安室「………少し飲みませんか。」

「車を置いてから言いなさい。私はともかく、貴方は公安警察なんだから。」

安室「厳しいですね。」

「…私は帰るわ。…じゃ。」

安室「後で行ってもいいですか。話したいこともありますし。」

「嫌と言ったら?」

安室「勝手に押しかけます。」

「あっそ。じゃあね。」


ガタンッ…ギイイイ…

安室「お邪魔しますよ」

「…本当に来るなんて。」

安室「そう言いながらちゃんと用意してくれてるじゃないですか。」

「貴方のことだからくるだろうと思って。」

安室「ええ。」

「何飲む?」

安室「おまかせします。」

「スピリタスまるまる1瓶飲んでもらってもいいのかしら。」

安室「…;ウイスキーをロックで…」

「りょーかい。」

…コトン…

「どうぞ。………で、何、話って。」

安室「…先日はすみませんでした。」

「謝らなくていいわ。勝手に私がそうなっただけ。…ただもうこれ以上聞かないで。」

安室「それは無理な話ですね。貴女の…」

「…聞くなと言ってるの。」

安室「組織では貴女が上司でも、警察では僕が上ですよ。」

「…はぁ。」『全く…病み上がりなのに容赦ないわ…』

安室「あなたは公安の飼い猫にすぎない。」

「だから何よ。好きでやってるんじゃないわ。」

安室「そうですか?その割に…警察とは仲がいいようで。」

「調べたのね。….そうよ。私は公安の飼い猫。組織の潜入のために雇われただけよ。」

安室「そんな人がこんなところで生活だなんて、誰も思っちゃいませんよね?」

「何が言いたいの。」

安室「もう少し用心するべきだと言ってるんですよ。…あなたは無防備かつ弱い。」

「そうね。弱いから無防備なのよ。….誰も私を殺しやしないわ。」

安室「へぇ。そうですか。」

「…貴方と話すのは疲れるの。そろそろ帰ってくれる?」

安室「随分と嫌われていますね。」

「私は人間に好きも嫌いもないわ。ただの物質にすぎない。….面倒だわ。」

安室「そうですか。僕は貴女を気に入っていますがね。」

「…そう。」

安室「貴女のこの倉庫の鍵を開けることは簡単なので。また来ますよ。」

「来ないで。」

安室「それは無理なお願いですね。…また近いうちに会うことになりますよ。」

「…あっそ。」

安室「ええ。」
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