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321…

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
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空「それだけじゃない!俺はずっと、ずっとゆりの事が好きだった…!なのに…恨めるわけないよ…」

「仲間だった友達が皆殺しにされたのに?不便な生活することになったのは私のせいなのに?片耳が聞こえないのも、片目がないのも、全部私のせいよ。」


空「違うっ…あれは俺が…俺がゆりの指示を無視したから…」

「無視されるような指示を出した私の責任よ。…きっと、最初から私がそこに居なければ、みんな生きてたかもしれない。空だって何不自由なく過ごせたかもしれない。…そんなこと今更考えたって遅いのはわかっているの。…だから私は一人でいることを選ぶ。」

空「一人でって…!そんなの苦しいじゃん!辛いじゃん!悲しいじゃん…………俺は、一人に耐えられなかった…だからFBIにひろってもらった…」

「賢明な判断よ。…なぜ貴方が日本に来ているのかは知らないけど、これ以上組織と関わりを持たないで。」

空「ゆり…」

「話は済んだでしょ。キーを返して。」

空「いやだ!返したら、ゆりと会えなくなる気がする…!!」

「…会えない方が私はいいわ。」

空「俺は嫌だ!」

赤井「まぁ落ち着け。…茶でも飲むといい。」

空「秀にぃ…」

…ゴクッ…

空「あれ…何入れ…Zzz」

「ありがとう。さ、キーを渡して。」

赤井「それは出来ない。空が何処かに隠しているみたいだからな。」

「…どこ。」

赤井「俺は知らない。……まぁ座れ。…こいつの話をしようか。」

「結構よ。」

赤井「………空はFBIに来てからずっと日本に行きたがっていた。…お前に会うためにだ。…成績を上げ検挙率No.1までのぼったこともある。…その不便になったはずの耳と目を生かしてな。」

「…」

赤井「しかし去年の秋頃、仲のよかった同僚を殺されて、そこからおかしかなった。…殺した犯人を血眼になって探すことに囚われ、周りを見ずに突っ走り、大怪我をした。」

「え…」

赤井「幸い今はこの通り元気にしているが、殺された当時は周りとの関わりを一切経とうとし、起きた時には大泣きだ。…辛かったと泣きじゃくり、日本にいるゆりもそうなんじゃないかと心配していたからこっちに来たんだ。」

「空が一人でなんて、無理に決まってるじゃない…」

赤井「それでもお前はこいつを突き放せるのか?」

「…」

赤井「やめておいた方がいい。」

「…貴方に空を頼むわ。」

赤井「構わないが、一人でこいつの相手をするのには少々疲れる。」

「…;否めない…」

赤井「普通にしてやるだけでいい。…何とかならないか。」

「…普通に話すだけよ。…空が私について詮索したりしてきたらその時点で切るわ。」

赤井「あぁ。俺から厳しく言っておく。」

「ありがとう。…じゃあ明日の朝にでももう一度取りに…」

赤井「もう少し話さないか?…うまい酒がある。」

「…少しだけね。」


赤井「今日はいつもよりとげとぜしかったが。…何かあったのか」

「少しだけね。」

赤井「そうか。」

「バーボンも、お酒は美味しいわね。」

赤井「ふっ。安室透か。」

「まあね。」

赤井「血の気の多いやつだ。」

「ほんっと。」

赤井「聞いてもいいか」

「何?」

赤井「なぜ一人になろうとする。」

「…私に関わった人間は皆死んじゃうのよ。」

赤井「空は生きている。」

「生きていても、一生傷を負わせてしまったわ。…そんなの、だめよ。」

赤井「…死なないなら関わってもいいのか?」

「無理よ。いつか絶対守れなくなる時が来るもの。」

赤井「?」

「…そんなに長生きは望まないわ。」

赤井「…もしかして…」

「……話すぎちゃったわ。…もう一杯頂いていいかしら」

赤井「あぁ。」

…ゴクッゴクッ…

赤井「よく飲むな。」

「まぁね。こうでもしなきゃ…」

赤井「寝ていくといい。」

「え…」

赤井「どうせ空はまだ起きない。…ここで寝れるまで飲めばいい。」

「…以外と優しいのね。…でも…」

赤井「俺は死なない。…組織は俺を死んだものと思っている。…標的からは外れているはずだ。」

「…そう…。………じゃあ今日だけお言葉に甘えようかしら。………何もかも、忘れるまで飲みたい気分なの。」


「…Zzz」

便がひと瓶まるまる空いた頃、ゆりはようやく眠りについた。

赤井「とんでもない酒豪だな。」

赤井はそう言いつつ布団をかけようと布団を探しに行き、降りてきた時だった。

まだ眠りについて1時間も経っていないというのに、ゆりはひどい有様だった。

「…イヤァァア!!殺さないで!!逃げて!!…来ないで!!イヤァァア!!…皆私のせい………ゴメンナサイッゴメンナサイゴメンナサイッ!!」

ゆりは身の回りにあったものを手当たり次第に投げていたが力が入らないためか、それほど飛ばずに周りに散らばっていた。

物音と声を聞いて流石に空も起きたのだろうか。

空「…ん………え…?ゆり…?」

「…イヤァァア!!」

赤井「…落ち着け。ここには奴らはいない。」

「…イヤァァア!!!皆が!!恨んで………!!殺しに…!!!」

…グイッ…

赤井「目を開けろ。ここは俺と空しかいない。」
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