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321…

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
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あやり「テメェ、自分だけが辛いみたいな顔してんじゃねえぞ!ゆりはな…!ゆりは自分だってボロボロの癖にゆりは…!」『だめだ、ゆりには口止めされてるんだった…ゆりの話はしちゃだめだ…』

降谷「あいつが、何だ…」

あやり「…いや。…いいから食え。降谷自身が死んでも構わないって思っても死んだスコッチのこと考えてみなよ。もし降谷とスコッチが逆だとしたら、降谷はスコッチに死んで欲しいって思うのか?…そうじゃないだろ。スコッチは降谷が死ぬことなんて望んじゃないないはずだよ。…自分の死が無駄にならないようにあんたに仕事してもらいたい筈。とっとと組織を捕まえて平和な日本にしてくれって思ってるぞきっと。」

そう言ってあやりはおかゆが入ったお皿を押し付けるように降谷に手渡した。

それを降谷が受け取り食べ終えるのを待つと、うとうととし始めた降谷に毛布をかけて洗い物を済ませ、置き書きをすると静かに部屋を出て行った。


翌朝、目を覚ました降谷は机の上の置き書きに気が付いた。

"降谷へ"
しっかり飯食ってしっかり寝て早く仕事に戻れ。
冷蔵庫に食料入れてるから。礼なら仕事で返せ。職場で待ってるぞ。

降谷『…スコッチ…。お前のぶんまで…頑張るよ…そして…絶対に組織を…潰す。』

降谷は新たな決意をすると身だしなみを整え、署へと向かった。

案の定、上司や皆は心配しているようだった。

上司「ふ、降谷っ…まだ休んでてもいいんだぞ?…今お前に倒れられたら…」

降谷「大丈夫ですよ。…しっかり考える時間も休む時間も頂きましたので。…それに、一刻も早く組織を取り押さえたいので。」

上司「!…そうか、ならしっかり頼むぞ。…今は、いい顔になったな。降谷が戻ってきてくれて心強いぞ!…だがあまり無茶はしないでくれよ?」

降谷「はい」

降谷はしっかりとうなずくと自分のデスクへと向かった。

降谷のデスクはゆりのデスクの隣だ。

降谷「…おはよう。」

「あっ…お、おはようございます。」

スコッチが亡くなるまでは明るくタメ口で挨拶を交わしていたのに今は気まずさのせいで冷たくしてしまう。その冷たい声色に気がついたのかゆりは敬語で返して来た。正直…ありがたかった。


秀政「ふーるーやー!ひっさしぶりー!昼飯一緒に食おうぜ!」

昼休みになるとあやりの同期であやりの旦那である秀政が降谷のもとへやって来た。

降谷「あ、あぁ…」

秀政「ったくー降谷が居ないと俺のこのスペシャル愛夫妻弁当自慢を聞いてくれる奴が居なくて寂しいんだぞ!!そうだ!今日は俺の当番だったからお前のぶんまで作って来たからな?どーせ最近飯食ってなかったんだろー?ってことでじゃじゃーん!!」

降谷「…ふっ…全く、水沢夫妻にはかなわないな。全てお見通しか…ありがとう。…全く、水沢夫妻の世話になりっぱなしだな」

秀政「あ…お、おう!」『ゆりに頼まれたんだけどな…お前を誰より支えようとしてるのはゆりだぞ…降谷…』

秀政はそう言いながらゆりとのやり取りを思い返していた。

「ヒデくんっ!朝から呼び出してごめんねっ…」

秀政「かまわんかまわん!俺の可愛い妹分だからな!」

「あのね、お願いがあって…」

秀政「ん?」

「零くんもしかしたら昨日あやりちゃんに喝入れられて今日あたりに来るかもしれないからちゃんとご飯食べさせてあげて欲しくて…ヒデくん達夫婦で交代でお弁当作ってたし、そのついでって感じで零くんにご飯渡してくれないかな?あのねっ、普通のご飯より消化によくしてあるし栄養も取れるし…何より睡眠も取れるようにしてるから…」

秀政「それって睡眠薬入りってこと?」

「…あー、えっと…それは………えへへ;」

秀政「まじかよ!笑」

「あ!でも仕事が終わる時間に効き出すようになってるから大丈夫だよ!」

秀政「やっぱ睡眠薬入れてんじゃん; まぁ…さすがというか(笑)…OK!このひでじぃにおまかせあれ!」

「えへへ; …ありがとう!」

秀政「ゆりこそちゃんと休養取れよー!最近痩せすぎだぞー!んじゃな!」

「^^」

そして昼休み…

あやり「ゆりーっ!ご飯食べよー!」

「あ、ごめんっ!まだ仕事終わりそうになくて…先に食べちゃって^^」

相変わらず疲れた顔をしているゆりは目の前の事件のファイルをしっかりと捉えていた。

あやり「ちょっと、少しは休憩を…」

「あ!これだ!」

あやり「え?!」

「ありがと!あやりちゃん!犯人わかっちゃったから行って来るね!」

ゆりはそう言い残すと荷物を持って足早に上司の元へ行き何やら話すと上司と一緒に走って外へ出て行った。

あやり「ゆり…無理しすぎだよ…」

あやりはデスクの資料を見てそう呟いた。

1日ではとても終わることのない量の資料、書き込み、聞き取り調査のメモなど、ゆりが休まずに仕事をしている証拠だった。

そしてふと目を向けたゴミ箱の中には栄養ドリンクの瓶とカフェイン剤の空になつたシートが大量に入っていた。

あやり「人には栄養を与えといて自分はこれだけとか…もう…。通りであんなにやつれて…。」
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