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ポケモンアドベンチャー

原作: ポケットモンスター 作者: ruru
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15話「ノモセシティ~リッシ湖」

俺はノモセシティのジムリーダー・マキシに勝ち、フェンバッジを受け取った。マキシは最後のゴンベの動きをえらく感心していた。

「まさかフローゼルのあの速い攻撃を受け止めるなんて思いもせんかったぞ!小僧も小僧のポケモンも俺の弟子にしたいぐらいだ!」

「いやあ、俺も自分のポケモンに驚かされることが多いですよ。ありがとうございました」

そう言い、俺はジムを後にする。

俺が再びコトブキシティを出発してから一週間が経つ。ノモセシティの大湿原を堪能してから213番道路に向かい、次に行く町はナギサシティかトバリシティのどちらにしようか悩んでいると、ホテルが見えたのでひとまずそこで休むことにした。

ホテルの受付で部屋を取ろうとしていると、そこの従業員から夕食にレストランをおススメされる。

「お客様、ジムバッジを付けてらっしゃるのですね。それなら近くのレストランにいらっしゃってはいかがでしょう?あそこのレストランはポケモン勝負する場所も設けており少し普通とは趣が違ってトレーナーのお客様達には大変人気なのですよ」

俺は従業員に薦められた通りにレストランに向かう。そこはセレブもいればギタリストの若者もいて客層を問わないレストランだった。しかし俺のような10代の少年はいたとしてもそれは男女のカップル同士であり、そもそも一人でいる客なんてほとんどいない。老人の男性が一人でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるのを見つけて自分も一人でレストランに来たことに少しばかりの安心感を得ようとしている。

するとレストランのウェイターから席が空いていないので相席で良いかと尋ねてくる。さっきの一人の老人にももう一人のウェイターが申し訳なさそうに喋っているので俺はあそこに座らされるのだろう。別に構いませんと答えて俺は老人の向かい席に座る。

俺はレストランでナポリタンを頼んだ。それが一番安くて何が出されるか分かるからだ。このレストランは値段がピンからキリまであるので、それがこのレストランが客層を問わない理由の1つなのだろう。俺は初めて食べ物なんかにここまで金を払う必要があるのかと思わせるほどの金額の食べ物のメニューを見た。だって量がナポリタンより少ないのにあり得ない。

ナポリタンを待っていると、相席していた老人から話しかけられる。

「君はレストランに来るの初めてだよね?どこから来たんだい?」

「あ、コトブキシティから旅をしてここまで来たんです」

「コトブキシティかぁ!ずいぶん遠いねぇ。僕も使ってるよ、ポケッチ」そう言い腕に付けている赤色のポケッチを見せる。

「ポケッチ、赤色ですか!俺は緑です」俺も左腕に付けたポケッチを見せる。

「あぁ、ポケッチもどんどんニューバージョンが出てくるけど手が出ないんだよねぇ。こっちで大分使い勝手が良いから」

「俺も初めて買ってもらったこれしかずっと付けてませんよ。お互い物持ちが良いほうですね」

俺達はそんな他愛もない話を続け、互いに夕食を楽しんだ。この老人の名前はハルアキ、リッシ湖をボランティアとして清掃活動していることを話す。ナギサシティで働いていたが仕事を定年退職してからやりがいを見つけようとリッシ湖のボランティアに志願したらしい。ボランティアは以前起きたギンガ団の爆破被害の時はかなりの人数が参加してくれたらしいが、今は5人程度の参加者しかいないと嘆いている。

「確かにあの時たくさんの人が集まり助けてくれたおかげで、どんなに悲惨な状況でも復活してやり直せるんだという事を教えられた。しかし、元通りになったからもう何もすることはないというのはおかしい。今の綺麗な湖を守り続けることこそが一番の大事なことだというのに、湖がピンチじゃないと助けに来ないというのは僕にとってはギンガ団と同じ冷徹な人物ではないかと疑うよね」

「・・・」俺は言葉を失う。ハルアキの言葉に強く胸を打たれたからだ。しばらく沈黙が続き、空気を良くしようとハルアキから話す。

「まぁ、人それぞれ頑張っている分野が違うんだからお互いの頑張っている部分を認め合わないとって割り切ってるんだけどね。それでも本当に人手が足りないもんだからこうして愚痴りたくなる時があるんだよ、ごめんね」

「いえ、大切なお話しを聞けました。もしよければ、明日リッシ湖の清掃活動を手伝わせていただけないでしょうか?」

「おお!ぜひ来てくれると助かるよ。僕達は明日空洞にも入ってアグノムが生息しているか確認するから楽しみにしておくと良いよ」

明日は早い時間帯に集合だからとレストランでのポケモンバトルは止めて夕食を終えた後ハルアキと別れてすぐにホテルに向かう。そして後日、俺はリッシ湖に向かう。

「おはようございます、今日はよろしくお願いします」

「いやあ、本当に来てくれたんだね。とても嬉しいよ」

「その子、ハルさんが電話で言ってた子ですか?初めまして。今日は私が指示をするから君はこれとこれを持っておいて、掃除に使うから。服装は汚して大丈夫なやつ着て来てる?よし、じゃあ皆さん行きましょうか」他のボランティアの人に声を掛けられ、俺達はリッシ湖の清掃を始める。

清掃はまず湖の清掃ではなく最初に周りの陸の草むしりやゴミ拾い、ポケモン達の状態のチェックだった。そして湖の時もコイキングを何匹か状態を調べていた。

「ポケモンの状態を調べれば、何か自然に対し異常が起きてないかすぐに分かるからね。ポケモンはこういうのにも役に立つんだよ」

清掃をしている時に少し気になった事がある。それは俺を含めて6人しかいないと思っていた清掃活動をしている人がさらにもう一人いた事だ。ハルアキは以前手伝っていた人が時々手伝いに来ることも稀にあると言う。しかしその人は全く俺達の近くで清掃活動をしていないのだが。1人で黙々とやっているその人を奇妙に思いながらも、リッシ湖の清掃は大分進んだ。リッシ湖は底がそれなりに深く、半日が軽くぶっ飛ぶほどの結構なハードワークだったのでハルアキの体力が心配になった。

「お疲れって言いたいとこだけどまだあります!今日はアグノムの様子も見に行くからね。皆少し休んだ後に準備してー」

アグノムという言葉を聞いて、俺は少し元気が湧いてきた。初めて見る伝説のポケモン!とても期待が高まり胸を躍らせる。

 (手持ちポケモン バリヤードLv.38 ブビィLv.35エレキッドLv.37ゴンベLv.44)
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