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ポケモンアドベンチャー

原作: ポケットモンスター 作者: ruru
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14話「ノモセシティ」

ノモセシティジムリーダーマキシとのジム戦、お互い残り2匹という状況でマキシはヌオーを繰り出してきた。ヌオーもトリトドンと同じ水・地面タイプ、電気技が効かない。なら草タイプの技が通用すると思えばギャラドスの破壊力でK.O.される。流石にタイプ相性だけで勝てるようなジムリーダーではない。メリッサ戦だってダブルバトルでなければ力負けして敗北していた、今まで勝ち続けてきたのは運が良すぎたのかもしれない。

そんな怖気ずくようなことを考えていたのではない。ただ目の前にいるマキシが本当に自分より強く、ヨスガコンテスト決勝での敗北が一瞬チラついたのだ。自分より強い相手に挑むのは早計だと知っているのに今挑んでいる、そんな矛盾?嫌、俺だけなら無理だろうけどポケモン達と一緒だと出来ないことが出来るようになる不思議な魔法。だから俺は自分より強いマキシに挑んでいるんだなと改めて実感した、それだけだ。こんな時に感傷に浸ってしまったと反省しながら、俺はポケモンの可能性を信じて挑む。

「ブビィ、日本晴れ!」

「ヌオー、マッドショット!」

「火の粉でプールに泥を撃ち落とせ!」

ブビィは日本晴れでフィールドを日差しが強い状態にし、ヌオーの攻撃を火の粉で防ぐ。トリトドンの泥爆弾の時のようにステージの足場を泥だらけにされると不利だからだ。だがそれはブビィに攻撃が出来ないようにさせ、同時にスタミナも奪う。

「どうした、ヌオーはまだ無傷だぞ!そっちから攻撃を仕掛けてこんとな!」

「言われなくても行かせてもらいますよ!ブビィ、行っけー!」

ブビィはヌオーが立っている足場に体当たりの勢いで向かっていく。

「速い!だが、叩き付ける!」

ヌオーはブビィが間合いに入った一瞬を捉えて尾で叩き付けようとする。が、ブビィは後ろにバックして元いた足場に戻る。

「ガハハ、簡単に近づけさせはせんぞ!」

「いいえ、一瞬近づけました。それだけで十分なんですよ、この技は」

「ガッハッハ、何を・・・むぅ!?一体どうしたのだヌオー!?」

ヌオーは何やら苦しんでいる。ブビィが一瞬近づいたその時からだ。種明かしをすると、ブビィはヌオーに近づく時にスモッグを発していた。スモッグをヌオーが受けて毒状態になった、ただそれだけの事。毒状態にならない可能性もあるから一か八かだが。

「ガハハ、だったら一矢報いる形にしよう。水鉄砲!」

「プールに逃げられなくなるのを待ってたんですよ、ソーラービーム!」

ブビィはソーラービームで水鉄砲を押し返してヌオーを戦闘不能にする。

「なるほど、毒状態でプールに逃げて長期戦をすることが出来なくなるように仕向けたという事か!・・・だが、最後のこいつにはそんな戦略も通用しないかもしれんぞ?ゆけっ、フローゼル!」

マキシは最後の一匹にフローゼルを繰り出す。フローゼルはマキシの荒くれた性格を体現したかのように大きく吠える。かなり強そうだ。

「フローゼル、雨乞い!」

フローゼルの雨乞いでさっきまでの日差しが強い状態の天気は一気に一粒一粒が痛く降り注ぐ強い雨となった。これではブビィが雨にやられてしまう!

「まずいブビィ、日本晴r」

「アクアジェットでぶっ飛ばせ!」

フローゼルは目で捉えられない速さでブビィに体当たりする。ブビィは俺の足元まで吹っ飛ばされ、戦闘不能になってしまう。

「ガッハッハ!これがすいすいによる素早さ上昇!この素早さに追いつける人類はこのマキシマム仮面ただ一人なのだ!凄いだろう!」

一体何を言ってるのか分からないが、このフローゼルの素早さは今まで見てきたどのポケモンより素早い。テレビで見たチャンピオンのシロナのポケモンよりも。

「・・・だけど、ゴンベ!お前は俺の手持ちの中で一番強い!一緒に頑張ろう!」

俺は最後の一匹ゴンベを繰り出し、1対1の運命戦が始まる。

「雨が降ってる以上、もう小僧のポケモンが攻撃するチャンスはないかもしれんな!フローゼル、アクアジェット!」

「ゴンベ、何とか受け止めてフローゼルを捕まえろ!」

ゴンベの耐久ならフローゼルの攻撃を耐えてどこかの隙でフローゼルに一撃を食らわせるのが良いという考えだ。しかし、その策は非常にいい意味で裏切ってくれた。

「これは・・・!フローゼルが痺れている?」

フローゼルの最初の攻撃、ゴンベは耐えるも捕まえることは出来なかった。しかし接近した時一瞬フローゼルを舌で舐め、麻痺状態にすることに成功したのだ。

「これは度し難い!フローゼル、何とか動いて水中に逃げてくれ!」

今フローゼルはゴンベの目の前の水中から体の上半分を出している状態で痺れて動けずにいる。ここがゴンベにとって攻撃のチャンスとなる場面!・・・なのに、肝心のフローゼルに大きなダメージを与えられる技がない。

(くそっ、のしかかりじゃ水の底に押し出すだけだし体当たりじゃ決定不足。ならかなり大きな賭けに出るか)

「ゴンベ、指をふる!」

「ゆ、指を振る?攻撃のチャンスだというのに。ガッハッハ!やはり小僧は面白い奴!だがフローゼルにとっては逆にチャンスになる!覚悟はいいな、小僧ども!」

ゴンベの指を振るに掛けたのは間違いかもしれない。だがゴンベの攻撃力なら一発きついのを当てればフローゼルも瀕死に追いやることが出来るかもしれないと踏んでの事だ。

「隙を見せたことを後悔するが良い!フローゼル、気合パンチでフィニッシュだ!」

(まずい!ゴンベ何でもいいからやってくれ!)

俺の雑だが必死な願いはゴンベに届くことが出来た。ゴンベは腕から尖った刃のような葉を出し、フローゼルの素早い気合パンチを右腕で楽々と受け止める。

「いっけー、リーフブレード!」

ゴンベはもう一つの左腕でフローゼルを切り裂く。のけぞった隙に右腕でもう一発。そして最後にもう一発左腕で切り裂き、フローゼルは倒れ戦闘不能になる。俺はマキシとのジム戦に勝ったのだ。

 (手持ちポケモン バリヤードLv.37 ブビィLv.35エレキッドLv.36ゴンベLv.44)
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