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ポケモンアドベンチャー

原作: ポケットモンスター 作者: ruru
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12話「212番道路~ノモセシティ」

ウラヤマの屋敷を後にしてから数時間、ノモセシティに着いた。ノモセシティは大湿原が特に有名で俺も小さい頃に一度両親に連れてきてもらったことがある。そこはたくさんのポケモンがいて、保護という形で生活している。

大湿原やポケモンという自然を守るために造られた町、そこのジムリーダーはかなりの大義を背負ってジムリーダーを務めている。大湿原に何か悪さをしようとするならジム戦を途中で止めて大湿原に全速力で向かって騒動を鎮圧したというのはこの町では伝説となっているらしい。

俺は翌日、ジムに向かった。ジムリーダーのマキシ、その男は先程俺より前に挑戦していたトレーナーを3タテして勝利していた。だが自分はそうはいかないといつもより声を遠くに響くくらい張り上げる。

「朝早くにすみません!ジムに挑戦しに来ました!」

「ほう、今日は元気の良い若造が多いな!そして私も朝は一番元気になる!どんどん挑戦して来い、まだまだ若い者には負けん!」

マキシは水タイプの使い手、ステージも特別に深さ10メートル以上ありそうな水中ステージが俺の足元に出来た。後はゴウカザル2匹がギリギリ居られそうな足場が2つあるだけ。正直この水中での戦いは予想していた。エレキッドが水中で放電すれば大体倒せるだろと腹をくくっていたがまさかの予想外の出来事に俺は一瞬言葉を失った。

「ゆけっ、トリトドン!」マキシはトリトドンを繰り出す。

トリトドンは水タイプがあり電気技は効果抜群!・・ではなく、地面タイプも含んでいるから電気技はなんと効果がない、ダメージを与えられないのだ。

「仕方ない、頼むぞバリヤード!」

「ではジムリーダーと挑戦者の4対4のバトル開始!」審判の合図と共に試合が始まる。

「ではトリトドン、泥爆弾!」

「バリヤード、サイコキネシスで跳ね返せ!」

「水中に潜って躱すんだ!」

トリトドンはサイコキネシスで飛んでくる泥爆弾を水中に入っていともたやすく防いでしまう。

「サイコキネシスでトリトドンの動きを封じろ!」

「もっと深く潜って念力が届かないところまで逃げろ!」

トリトドンは一番深いところまで潜ってバリヤードのサイコキネシスを躱す。やはり水中戦は水ポケモンがいないと戦闘にすらならないのか?そんな疑問が頭をよぎる。

「今度はこちらからいくぞ!波乗り!」

トリトドンは深層から波乗りを繰り出して水中から波が押し寄せてバリヤード目がけて波を叩きつけようとする。

「・・!これひょっとしたら!バリヤード、飛び込め!」

バリヤードは足場から水嵩の減った水中に飛び込む。だが水中に入ると言っても水嵩が減ったのでバリヤードでもより深くに到達できる、サイコキネシスがトリトドンの所まで届くほどには!

「バリヤード、サイコキネシス!」

「ぬぅ、波乗りの水が落ちて嵩が元に戻るまでに仕留めようというわけか!だがこのトリトドン、そう簡単には倒せんぞ!」

「狙ったのはトリトドンじゃありませんよ。バリヤード、栓を抜いたらバリアーで自分の呼吸を確保しているんだぞ!」

「栓?一体何のことを・・っ、そういうわけか!何と大胆な!」

バリヤードはサイコキネシスでプールの下にあった栓を抜き、そこに水中の水が流れ込んでいく。そしてあっという間に10メートルもあった水の深さが5メートル、0メートルと減って水はなくなったのだった。

「これで陸上戦に持ち込める。ここから逆転させてもらいますよ」

「ガッハッハ!このマキシマム仮面、このような大胆な真似をされたのは久しぶりよ!・・・しかし、水があるからこそオレらしいバトルが出来るというのにこのような事。水には申し訳ないことをしてしまったな」

「水なんてこの町ではたくさん手に入るから大丈夫なのでは?」

「ガッハッハ、水が多く手に入るからこそ贅沢な使い方が出来る。だが贅沢というのは決して無駄使いをしているという意味ではない。貴重な水をこのような使い方をして反感を買うこともあるが、我々はきちんと感謝をしながらこの水を使っている」

「そうだったんですね。それなのに俺、こんなことをして。すみません」

「下らん余興話に付き合わせてしまったな!ガーハッハ!それではバトル再開といこうか!」

再びバトルが始まる。マキシの話に心を打たれながらも、今の状況は把握している。トリトドンの攻撃の火力は低い、これならソーラービームのエネルギーを溜めることが出来て且つ水中でなく陸上なら命中させられる。

「バリヤード、ソーラービームの準備だ!」

「トリトドン、泥爆弾を撃ち続けろ!」

トリトドンの泥爆弾を喰らいながらも、バリヤードの特殊耐久の高さのおかげで耐え、遂にソーラービームのエネルギーが溜まる。

「いけぇ!ソーラービーム!」

「ミラーコート!」

「っ!?」

バリヤードのソーラービームはトリトドンのミラーコートで跳ね返ってバリヤードの方に飛んでいく。そしてバリヤードはソーラービームを受け、戦闘不能になってしまった。

「そんな!?俺のバリヤードが!?」

「勝負は一手ひっくり返したところでまだ勝敗は分からんぞ!そして小僧には残念だが、プールの水はジムリーダーか挑戦者のどちらかの手持ちポケモンが半分以下になれば水は全部入れ替えるようにしている。今回は4対4だから、どちらかの2匹の手持ちポケモンが戦闘不能になった時点で一旦水を入れ替えてもらうようになるからな!」

「・・・えっ?そんな、馬鹿な・・・」

マキシの言葉が俺を絶望へと誘う。水ポケモン無しではたして勝てるのかどうか・・・?

 (手持ちポケモン バリヤードLv.37 ブビィLv.34エレキッドLv.36ゴンベLv.44)
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