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原作: ラブライブ! 作者: ミカサ
目次

新入生フラグ

 音ノ木坂学院高校の校門前では西木野真姫、星空凛、小泉花陽の3人が入学式を終えた新入生達にアイドル研究部の勧誘ビラを配っていた。
花陽は校門の右側でビラを配りながら、真姫からビラを受け取っている雪穂と亜里沙を見つけ、別の場所では新入生の前であたふたしている凛も目に入った。
(雪穂ちゃんと亜里沙ちゃん、受け取ってくれたんだね♪嬉しいな♪)
花陽はつい最近まで3年生だった絢瀬絵里が着けていた制服の緑のリボンを、今度は1年生の亜里沙が着けているのが微笑ましかった。
で・・・。
(凛ちゃんはなにをやってるんだろう。)
凛が気になった花陽だったが、まだ目の前に新入生達が歩いてくるので、とりあえず目の前のことに集中することにした。ちょうどその時、うつむきながら花陽を避けて通ろうとした1人の少女が目に入ったので、思わず近寄って声をかけた。
「音ノ木でスクールアイドルをやってるんだ。よかったらビラを受け取ってください。」
「え・・・。」
少女はビックリした様子だったが、出されたビラは素直に受け取っていた。
うつむきながらチラッと花陽のほうを見て小声で言った。
「わ、私なんかがスクールアイドルのビラをもらっていいんですか?」
「もちろんだよ。音ノ木坂の1年生でしょ?もし興味があったら部室を覗いてみてね。」
花陽は少女ににっこり微笑んだ後、また他の新入生達にビラを配りだした。

 凛は新入生の1人の少女に質問されて、何て答えていいかわからず目が泳いでいた。
(グループ名、まだ決まってないんだって言っちゃう??でもそれって部の第一印象悪いかも??なんかテキトーっぽいもんね。あーもーわかんないにゃー。)
その時、救いの声がした。
「凛ちゃーん♪頑張ってるー?」
入学式の片付けが終わり、生徒会の仕事も一段落した南ことりと園田海未がビラ配りを手伝いに駆けつけたのだった。
「ことりちゃん!海未ちゃん!」
凛はことりと海未が応援に来てくれたことでホッとしていた。
「凛、どうですか。順調に配れてますか?」
「ことり達もお手伝いするよ♪」
凛がことりと海未に話そうとした時、質問していた少女が急に声をあげた。
「ことりさん!!」
ことりは微笑みながら少女のほうに顔を向けた。
「あなた、新1年生?可愛いね。ハーフかな?」
「私、ずっとことりさんのファンだったんです!μ’sは終わってしまったけど、ことり先輩と同じ学校に入ってスクールアイドルをやりたくて、フィリピンから来ました!」
(え、そーなのー?)
凛はビラを配ることに頑張りすぎて、受け取った1年生達の顔を見ているようで全然見れてはいなかったのだ。
(ほんとだ。よく見たら外人さんだぁ。黒髪だから全然気にしてなかったにゃぁ。)
その少女は目鼻立ちの整ったエスニックな顔にワンレングスの黒髪ロングヘアーがとても似合っており、ワンレングスのヘアスタイルが15歳には見えない大人な雰囲気を作り出していた。そして、話すと歯の矯正だろう金属の装置がワンポイントになる小柄な少女だった。
「わぁ!海外から来てくれたんだぁ!」
ことりは目を輝かせながら思わず右手の指先を唇にそっとあて、その後落ち着いて少女に優しく微笑んだ。
「ことりのファンって面と向かって言われると、ちょっと照れちゃうな。でも凄く嬉しいよ。ありがとう。」
少女はことりにそう言われると、キャーと言わんばかりに両手で口を覆い、感激してる様子だった。
ことりの横にいた海未も、にっこり微笑みながら少女に話しかけた。
「ではあなたは私達と一緒にスクールアイドルをやってもらえるんですね?」
少女は大きく頷いて、海未に答えた。
「もちろんよ!ことりさんと一緒にできるんだもの!あなたは海未ね。会えて嬉しいわ。」
少女は海未に握手を求めて手を差し出した。
(ことりちゃんはことりさんで、海未ちゃんは海未なのにゃー。)
海未も凛と同じことを思ったのか少し苦笑いで少女に握手で返した。
「あなたは何て名前なのかな?」
ことりが少女に質問した。
「ミカです!」
「ミカちゃんかぁ。これからよろしくね♪」
「新入生の部活動への参加は新入生歓迎会後からなので、また後日部室に来てくださいね。」
「わかったわ!ありがとう、海未!」
海未はまた苦笑いだった。
少女はことりに一礼し、海未に手を振り、凛の横を素通りで帰っていった。
(グループ名のことは上手く逃れたにゃ。ホッ。だけどミカちゃん、凛もμ’sの一員ってことわかってたのかな?存在感が心配になったにゃ。)
そうこうしているうちに、新入生達は全て帰っていき、勧誘のビラ配りは無事終了となった。
全部配り終えた花陽と真姫が駆け寄ってきた。
「花陽ちゃん、真姫ちゃん、凛ちゃん、ビラ配りお疲れ様♪」
「ありがとう。穂乃果ちゃんはまだ生徒会のお仕事なのかな?」
「えぇ。私達2人が先に応援にきたのです。でももう終わってる頃だとは思いますが。」
真姫は凛のチラシが少しだけ残っているのを見て、少し怒った表情をした。
「もう、凛、全部配れてないじゃない。」
花陽は慌ててすぐに口を挟んで言った。
「あ、大丈夫だよ。もう少し後ろで凛ちゃんのほうから来た子もまとめてビラを渡したよ。凛ちゃん、新入生に話しかけられてるみたいだったから。お友達同士で歩いてるっぽい子は、2人で1枚とか3人で1枚とか渡して、新入生全員に見てもらえるよう配れたと思うよ。」
「かよちーん!」
凛は花陽にありがとうと抱きついた。
真姫は花陽がそう言うので、凛をこれ以上責めないことにした。
「凛ちゃん花陽ちゃん真姫ちゃん、ミーティングは明日だし、穂乃果ちゃんが来たら、これからみんなでお茶でもして帰るってのはどうかな?」
「それ、良いですね。」
「いいね!みんなでお茶するにゃー♪」
凛が嬉しそうに言うと、花陽はまた慌てて口を挟んだ。
「ごめんね、ことりちゃん、海未ちゃん。
今日はこのまま2年生3人で帰るね。」
「えーそうなのー?」
「えーそうなのー?」
凛とことりは同時に残念そうに言った。
「まぁ2年生は2年生で明日のミーティングのために何かすることがあるのでしょう。ことり、穂乃果のいる生徒会室に戻りますよ。」
「は〜い。じゃ、花陽ちゃん真姫ちゃん凛ちゃん、また明日ね〜。」
ことりと海未は手を振りながら、また校舎の方へ戻っていった。
2人を手を振って見届けた後、花陽は凛に顔を近づけて言った。
「凛ちゃん、みんなでお茶してる場合じゃないよね?」
「か、かよちん顔近いにゃ。」
真姫も腕を組みながら凛に言った。
「グループ名、決めなきゃでしょ。」
凛はハッとした表情で、花陽と真姫を見た。
「一瞬忘れてたにゃ!!」


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