放出
部屋の中に、小さくリップ音が響く。
私達はベッドの中で、身体を抱きしめ合いながら、何度も何度も唇を重ね合わせた。
始めは、触れ合わせるだけの軽めのキス。
「んーっ。まだまだ足りないっ」
そう言った日菜が、舌を使って私の唇の間をノックするように突いてくる。
拒む理由など、何もない。
私は小さく口を開き、日菜の舌を受け入れた。
お互いの舌を絡ませ合い、吸ったり吸われたりを繰り返す。
「ふっ、んっ……」
日菜が、切なそうな吐息を漏らした。
「はぁっ……おねー、ちゃん……好き」
「私も、好きよ……。愛してるわ」
お互いに、呼吸が苦しくなり一度唇を離す。
肩を上下に揺らし、呼吸を整えている日菜の目はとろんとしていて、普段人に見せることのない、色気をまとっているようだった。
その表情を目に、下腹部がジンと熱くなるの感じる。
私の身体も、日菜を求めたくて仕方なかった。
でもそれ以上に、もっと日菜に気持ち良くなってほしい。
そう思いながら、私は日菜が身に纏っているパジャマの中へ、ゆっくりと手を侵入させ、上のほうへと這わせていく。
「あっ……」
直にその膨らみに触れ、優しく包み込むように丁寧に揉んであげると「あっ、あっ」と、日菜の短い嬌声が部屋の中に響いた。
たまに強く揉んで緩急をつけてみると、身体をビクッと震わせ「んんぅっ……!」と悩まし気な声色に変わっていく。
パジャマのボタンを1つずつ外していき、露わになった白くてかたちの良い胸。
そこへそっと顔を近づけ、膨らみの頂を口に含んでみる。
すると、日菜の声が一層高くなっていった。
「ひゃっ……あぁっ!」
室内に日菜の甲高い嬌声が響いた。
思いの外大きなその声にドキッとし、1度動きを止めてしまう。
「しーっ。あんまり大きな声を出したら、お母さんたちに聞こえてしまうわよ?」
両親はいつも22時には就寝しており、寝室も1階にあるため距離を考えると、よっぽどの大声を出さない限り、気づかれることはないでしょう。
けれど、念のため釘を刺しておく。
世の中には、このような”誰かに気づかれてしまうかもしれない”といったシチュエーションにスリルを感じる人も居るらしいけれど……。
現実的に考えて、この行為が両親に気づかれでもしたら、空気が凍ってしまうことは必須。
下手したら、親子関係にヒビが入ってしまうことも考えられるので、今はまだ私達の関係に気づかれるわけにはいかなかった。
「そんなこと言ったって、気持ち良いんだもんっ……抑えられないよぉ……」
「なら、もう少し声を小さくするよう努力して」
「うん、分かった。気をつけるから……続き、して?」
日菜のその言葉を信じ、すでにコリコリと硬くなった頂に再び吸い付く。
「あ、あっ……!だめぇ……っ。あぁ!」
舌で転がしたり指でつまんだりを繰り返し、絶え間なく刺激を与えていった。
私の背中に回されていた日菜の腕に、ぐっと力が入る。
そして2、3度ビクビクと身体が大きく震え、その後腕に込められていた力がゆっくりと弛緩していくのが分かった。
「日菜?イッたの?」
「はぁ……っ、うん……イッちゃった」
額に薄く汗を滲ませた日菜の扇情的な顔がたまらなくいやらしい。
「ね、おねーちゃん」
「なに?」
「そろそろ下のほうも触ってほしい……」
身体をもじもじさせた日菜が、私の手をとり自らの下腹部の方へと導いていく。
「もう、仕方ないわね」
日菜の、こういうストレートな言葉の伝え方や行動は嫌いじゃない。
昔は、そのせいでギクシャクしてしまったこともあるけれど、今ではその素直さも日菜を愛しく思う要素の1つだったりする。
ショーツの上から割れ目の上をなぞると、そこは既にぐしょぐしょに水気を帯びていた。
「胸だけでこんなに濡れてしまったの?」
「だって、おねーちゃんに触られたとこは全部気持ちいいもん」
「ふふ、ありがとう」
ショーツを脱がせ、秘部の中へと指を少しずつ埋めていく。
ぐちょぐちょになっていた日菜のそこは、すんなりと私の指を咥えこんでいった。
「あぅっ……、はぁっ!」
浅いところを指でゆるゆると掻き回してあげると、その度に日菜の身体がビクビクと震えていく。
「奥の方まで挿れるわよ?」
「うんっ……」
指の数を1本から2本に増やし、膣内の奥へと進めていく。
日菜の中はとても温かくて、挿れているこちらも心地よさを感じるほどだった。
指先が子宮口へと到達し、傷つけてしまわないように優しくとんとん突くと、その度にぎゅっぎゅっと指が締め付けられていく。
「はぁっ……、んっ!おねーちゃんの、指……長いから奥まであたって気持ちいい……」
「でも、あなたが好きなのはココじゃなくて、こっちでしょう?」
言いながら、指を子宮口より少し左にずらし、その内壁を突いていく。
「あっ……!そこ……っ、あぁぁーっ!」
ひときわ大きな嬌声をあげた日菜が、全身をグッと強張らせる。
ビクビクっと、大きく身体を震わせ、やがてぐったりと力が抜けていった。
「日菜、おつかれ様」
「おねーちゃん、チューして……」
「んっ」
日菜の唇を啄むように2、3度キスをし、髪を撫でてあげると、私の手の平に「んー」と言いながら頭をすりすり擦りつけてきた。
「こうやって、おねーちゃんに頭撫でられるの好き。すごーく、るんってする」
「私も、あなたの頭を撫でるの、結構好きよ」
猫のような愛くるしいその姿は、犬派の私でも心を奪われるものがある。
そして、日菜の身体に溜まった熱を私の手によって放出させてあげるこの行為は、私自身も満たされた気持ちでいっぱいになるものだった。
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