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私達は忍術学園を守るんだ…!

原作: NARUTO 作者: コアラ
目次

漆話 紹介兼小手調べ




今日は寐玲の紹介兼小手調べの日。

寐玲の戦闘は尾浜、潮江、食満の三人は見ている。

次元が違うと痛覚した。

だが、学園長をはじめとした他の人達はまだ見ていない。

だから"五・六年生と相手して貰おう"などと言えるんだ、と尾浜は思った。


「寐玲!おはよう!」


「あぁ、勘右衛門か…おはよう」


名前で呼んでもらう様に頼んだが、それによって寐玲との距離が少し近くなったと感じる。


「今日は小手調べだね…最初にあんなの見せられてるからさ、なんか戦うの気が引けるんだけど…」


「忍は恐れを抱いてはいけないぞ…例え叶わぬ敵だったとしてもだ」


「叶わぬ敵って……自信あるんだね」


「この学園の者には負ける気が無いな…総隊長を舐めるなよ?」


そう言い、フッと軽く笑う寐玲。

大人びていて尚、忍として成功している寐玲がとても自分と同い年とは思えない。


「本当に同い年なの?」


「勿論、同じ14歳だ…大人と関わりすぎたし地位の関係もあって年相応に見られないんだ」


今日は実力を見させてもらうぞと手を振って勘右衛門から離れた。

同時刻、立花は潮江の所へと来ていた。


「文次郎、いよいよだな…奴の小手調べ」


「ああ…あれは果たして俺らの相手になるのだろうか?」


少し遠くで学園長と話している寐玲を見て潮江は呟く。

立花も寐玲を見る。


「何だ、お前…怖気付いたか?」


「怖気付くって…あれはダメだ」


初めて会った時の寐玲が脳裏に浮かぶ。

部下だろうか…知り合いを容赦なく滅した。

それに加え、痛みに叫びもがいている者に“はしたない”と罵った。

あの冷たい声がいつまでも残っている。


「ダメ?ダメとは何だ?総隊長とかいう地位だが所詮は14の男児だ…我々とそう大して変わらないだろう?」


「そんなに変わらない?」


潮江はその言葉に反応し、しかめ面になる。

お前はあの状況を見てないから言えるんだ…。

あの悲惨で残酷な状況を…。


「どうした文次郎?」


「あぁ…少し考えていた…兎に角あいつはダメだ…格が違いすぎる」


どんな相手でも果敢に向かう潮江が珍しく食いつこうとしない。

そんな彼に対し、気持ち悪いと立花は思った。


「よう勘右衛門!今日はできそうか?」


「三郎…寐玲に勝てると思ってるの?」


「さあな…でもそれなりに追い詰める事位はできるだろ?同い年だし、そう大して変わらないだろ?」


三郎も立花と同じ事を思っていたようだ。


「三郎はあれを見てないから言えるんだよ…寐玲は別格だ…先輩達と向かっても勝てないと思う…」


何弱音を吐いてるんだと三郎に背中を叩かれる。


「寐玲君、今日は万全かね?」


「勿論忍たる者、常に己の体調管理は万全にするものだ」


学園長は流石じゃのうと笑う。

「ではそろそろ始めるとするかの…皆、整列!」


学園長の言葉に、生徒達は整列した。


「えー、おほんっ、今日からこの忍術学園の五年い組に編入兼全学年…特に五・六年生の実技を教える事になった寐玲君じゃ!」


学園長に促され、寐玲は一歩前に出る。


「本日より忍術学園で世話になる九重寐玲だ…私はここに来る前は暗部…里長直属の精鋭部隊の総隊長をしていた」


一年から四年の生徒達が騒めき出す。


「交流の為に生徒として編入し、実力を買われ先生として教える事になった…まぁ実力の有無はこれからの手合わせで見てもらえればと思う…取り敢えずよろしく」


首を少し動かすだけの簡単な会釈をする。

騒めく中から「何か感じ悪い」と言う声が聞こえてくる。



((感じ悪い、か……確かにそうかもしれんな…))


左右違う目、両目元の大きな十字傷。

見慣れない格好に五年生にしては大きめの五尺の身長[主は168cm]。

それに愛想も何も無い。

そう思うのも無理は無いだろう。


「こら、静かにせんか!と言うわけで今から五・六年生と手合わせをして貰うぞー!」


「学園長、少し時間を貰っても宜しいか?」


武器を準備したいので、と寐玲は言う。

学園長は少し考える。


「四半刻後でいいかの?」


ありがたいと寐玲は会釈し、瞬身の術で消える。

消えた事に皆は驚く。


「すげぇ、消えたー!!」

七松が目を輝かす。


「おい、お前達も準備しなさいっ」


はーい、と五・六年生達も得意武器を取りに行く。




ーーーー四半刻後



五・六年生達がストレッチする中、寐玲が現れた。


「待たせたな」


武器も何も持っていない。

変わった所と言えば、寐玲の右腿のあたりに何かの印が書かれている物を巻いているだけだ。


「本当に準備してたのか?」


「武器は全てここに仕舞ってある…出させたくば、それなりの実力を見せるんだな」


右腿をポンポンと叩きながらフッと寐玲は笑う。


「ああ!見せてやる!!」


挑発だと分かっているが、潮江と食満と七松の三人はそれに乗ってしまう。


「一人一人は面倒だから学年ごとで来い…それでも十分に戦える」


「いくら寐玲でも数が多すぎない?」


善法寺が心配そうに言う。


「同年代の五人や六人、相手に出来なかったら今の座に就いて無い…それか全員にするか?」


「いや!学年ごとでして貰おう!」


「そうか、じゃあ五年生…勘右衛門達が相手か…」


眼前で印を組む。


「白眼!」


寐玲の両目元に血管が浮かび上がる。


「何時でもかかってこい」


そして、小手調べが始まった。
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