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勘違いパワハラ

ジャンル: その他 作者: rodann
目次

発覚、捜索。

社長「深澤君…こんな事態になったのは…何故か分かるかね?」

薫「はい…。」

私は冷や汗全開の中で…社長に問いかけられている…。
もはや、言い逃れは一切出来なかった…。
私にもう逃げ道は存在しなかった…。

カサッ…

社長「これが何だか…分かるかね?」

と、社長は…何故か大きな封筒を私に見せてきた…。
良く見ると…封は既に開けられている…。

薫「それは…?」

私はその封筒が何なのか、社長に聞くと…無言で封筒の裏面を見せられた…。
届けた相手の名前は…

薫「浅川 祐介…!!?」

何と祐ちゃんの名前が書かれている…!!
あの封筒は祐ちゃんが…!!?

社長「…問題はこの封筒に入ってた中身だ…。」

社長は、封筒の中から…また小さめの封筒を私に見せてきた…。
その小さな封筒には…"退職願"…と…!!

社長「深澤君…君はその中身の手紙を読みたまえ…。」

薫「は…はい…!!」

私は…社長の指示に従うしか無かった…。
私自身が蒔いた結果こんな事に…!!
退職願の手紙を見ると…書かれていたのは…。

彼の私に対する怒りと…今までの悲しみが強く書かれた文だった…。

自分に厳しくしたのは…自分の為じゃなく…ただの鬱憤ばらしや…最悪の裏切り…。

人の今までの頑張りを…踏みにじった最悪の上司だと…書かれた文は…私の心に強く効いた…。

読み終えて…私は手が震えた…。

あんなにまで…彼を追い詰めてしまった…事…。
それに気がつかなかった事…私は…バカだった…!

社長「深澤君…他の社員から…こういう証言も聞いたんだ…。 君が彼にだけ差別をしていたという事…。」

薫「!! そ…それは…!!」

社長「言い逃れ出来るのか…? 実際、この事は部長からも聞いている…しかも、彼自身から直接だ…。」

社長から聞かされた衝撃の事実…。
部長から…彼に私の事で相談された事…しかも、八つ当たりで…彼を叱ってしまった事…!!
もはや…言い逃れは出来なかった…。
私は事の詳細を…社長に話した…。

元カレに対する…しつこい連絡とイライラを彼にぶつけてしまった事…。
元カレからのしつこい行動…。
それを聞いた社長は…。

社長「…何と言えば良いのか…。 こんな理由に…もはや…怒りなんて…萎える程の事だ…。」

この言葉は私の心に大きなダメージを与えた…。
こんな言葉よりも…強くどやされた方がまだマシだった…!!
言われの無い罵声を浴びせられた方がマシだった…!!
だけど言われたのは…こんな言葉だった…!!
何も…言えなかった…!!

社長「…で、深澤君…そこでだ…。 君に責任を取って貰う為に…一つだけ指示を与える…。」

薫「…何でしょうか…!?」

私は社長からこんな事を…

社長「今から、浅川君を探しに行きなさい。」

薫「…。」

社長「浅川君がいなくなったのは、君の責任だ。 何としてでも浅川君を探して謝罪しなさい。」

祐ちゃんを探せとの指示だった…
この指示に私は…断る理由も無かった…。
「分かりました」の一言だけを言って…社長室を出て、早速祐ちゃんを探しに行った。

カッ…カッ…カッ…カッ…!!

薫「祐ちゃん…お願い…無事でいて…!!」

私は祐ちゃんの無事を願いながら街の中を探し回った…。
だが、現実はそう甘くは無かった…。

祐ちゃんに関する情報は一欠片も無く…ただただ…時間が過ぎるだけで有った…。

薫「祐ちゃん…。」

探してる最中…私は自分のやってきた…祐ちゃんに対する仕打ちを思い出していた…。

数々の罵声と厳しめの態度…。
その上で…自分かも知れないという悪態の言葉…。
もし…あんなの…祐ちゃんじゃ無くても…誰であっても…精神的に来るだろう…!!
しかも…責任感の強い祐ちゃんが聞いたら…祐ちゃんは精神的に…!!

最悪の場合…私の…せいで…
祐ちゃんが…自殺…なんて事も…!!

薫「うっ…!! うぅ…ごめんなさい…!! 祐ちゃん…ごめんなさい…!! ごめんなさい…許して…!!」

私は人目を気にせず…泣いてしまう…。

薫「祐ちゃん…祐ちゃん…。」

もはや…私は…何も考えずにただ…祐ちゃんをひたすら探し続けていた…。
そして…探してから…暫く時間が経ち…気がつくと夕方になりかけの頃…。
もはや見つからないと…私は…諦めていた…。
人知れずどこか…知らない場所にいるんじゃ無いか…そう…思っていた…。

薫「祐ちゃん…ど…こ…!?」

私は、ある公園のベンチに佇む一人の男性を見て…言葉を詰まらせた…。

薫「…ゆ…う…ちゃん…!?」

何と…ベンチに座っていた人物の髪型は…祐ちゃんとほぼ同じ髪型をしていた…。

薫「ま…さ…か…?」

私はまさかと思い…彼に気づかれないように…。
こっそりと近づく事に…。

すると…今度は…。

薫「…!? あれ…って…!? もしかして…!?」

近くにいた別の人物を見て…。
私は唖然とした…!!
見た事のある歩き方…!?
あの姿は間違いない…!!

薫「何で…元カレが…!?」

しかも…元カレは…祐ちゃんに少しずつだが…近づいている…!!!

私は祐ちゃんがいなくなる前日の言葉を思い出した…!!

薫『うっさいわね!! アンタの声も何もかも聞きたくないのよ!!! それに私は愛しの人がいるの、私の職場の大切な可愛い後輩!! あと少しで帰ってくるから、邪魔するな!!』

私は怒り任せに元カレを突き放す言葉を送ったが…冷静に考えれば…祐ちゃんが危ない…!!!
間違いなくアイツは祐ちゃんを…!!!
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