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勘違いパワハラ

ジャンル: その他 作者: rodann
目次

裏切り、そして失踪


ブブッーーーー!!

祐介「ん? 誰からだ? あっ…!!」

僕の携帯が仕事中に震えだした、確認すると相手はこの前行った取引先の人だ。

祐介「あの、すいません、ちょっと退席します。」

僕は仕事場を離れ、別の場所で連絡を取る事に。

ブブッーーーー!!
ピッ!!

祐介「はい、もしもし浅川です。」

取引先重役「おおっ、浅川さん。 お疲れ様です!!」

祐介「あぁ~お疲れ様です! 今日はどういった用件で?」

取引先重役「貴方の頑張る姿を見て是非とも契約をと思いましてね。」

祐介「そんな…ええっ!?」

何と契約を結ぶという!!
しかも相手方は、僕の頑張る姿を見て契約したいとの事…
あんな、みっともない姿をしたのに…正直、信じられなかった…!!

取引先重役「それで…明後日の午後3時、会社に来て頂ければ…。 あ、貴方一人の方が楽に話せるので出来れば…。」

祐介「あっ、わ、分かりました!! 明後日の15時…ですね…はい!! 宜しくお願いします!!」

取引先重役「こちらこそ、宜しくお願いします。 では。」

ピッ!!

祐介「僕が…嘘…でしょ? いや…まぐれな筈だ…。」

まさかの契約を結ぶ…!?
いや…良く考えてみれば…課長のサポートが有ってだろうな…
僕の力じゃない…そうだ…!!
と…

ブブッーーーー!!

祐介「えっ!? 嘘!?」

なんと、直ぐにまた電話が掛かってきた!!

ピッ!!

祐介「はい、もしもし浅川です。 えっ…!? あ、はい!! あ、分かりました!! はい、宜しくお願いします!!」

ピッ!!

ブブッーーーー!!

祐介「また!?」

ピッ!!

祐介「はい、もしもし浅川です。」






ピッ…!!

祐介「嘘だろ…3件も契約が…!? こんな僕が…!?」

何と僕は3件もの契約に関する取引が…!!

祐介「よっしゃ…!! いや…課長に報告…。」

僕は課長に報告しようと考えたが…

祐介「(いや…下手に話しても…どうせ、嘘でしょとかって言われそうだ…。 もしかすれば、またどやされて…地の底にまで叩き落とされるな…。 まぁ、一応その時間、営業に行きますとでも話せば良いか。)」

また、精神的に病む可能性が有ったので課長に事細かく報告することは止めにした。

そして…

取引先重役「では、宜しくお願いします。」

祐介「はい、宜しくお願いします!!」






タッタッタッタッ…。

祐介「やった…遂に…やった…!!」

遂に相手から契約のサインを貰った…!!
こんな何も役に立たなかった…僕が…!!

祐介「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!! やったぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

僕はつい、嬉しさを爆発させてしまった。
大の大人が、こんな大きな声で喜ぶなんて…後から恥ずかしいと感じた。

祐介「よし…この契約書、どうしようかな~? そうだ、課長に~!」

僕はまず先に、この契約に関して僕の事をサポートしてくれた課長に報告することに。

祐介「うわっ…もう18時…怒ってるだろうな課長…。 まぁ、隠してた僕が悪いけどね…。」

スマホの時計で時間を確認すると時刻は18時を過ぎていた。
この時間帯になると…課長は怒ってるだろうな…。

祐介「まぁ、一応覚悟はしておきますか!!」

僕は意を決して、会社へ戻ることにした。





キィ…

会社に戻ると…社員の人はほとんどいなかった。
まあ、この時間帯だ、いる方がおかしいだろう…。

祐介「えーっと…課長はどこだ…?」

仕事場を見回すが、課長はいない。

祐介「退勤した? でも、退勤にはなって無いから…。」

退勤と思ったが、彼女の名前は退勤になってないし、間違いなく会社内にいる。

祐介「別の場所か…?」

僕は会社内をくまなく探した。
ようやく…

祐介「いた…!! 課長だ…!」

会議室の中で電話をしている課長を発見した。
ドアを少し開けて彼女の様子を窺ってタイミングを計ろうと試みる。

だが…

薫「あのバカ男、マジでウザったい!!! 人に迷惑かける事しか出来ない奴の癖に!!」

祐介「えっ…?」

何と彼女は、いきなりキツい言葉を言い放った。

薫「あんな役に立たない奴…正直言って迷惑…私の前から消えて欲しいわ!! あんなのが頑張っても何も意味は無いのよ!!! 鬱陶しいったらありゃしない!!」

祐介「…」

嘘だと信じたかった…だが…彼女の言葉を聞いて…今までの…事が…フラッシュバックで…思い出してきた…。
僕の為に…叱ったのは…
全部…八つ当たり…?
僕の存在は鬱陶しい…?
頑張っても…意味無い…?

ボクハイラナイ…?
メザワリ…?
ナンノタメ二…?
アナタノコトバハ…
ゼンブ…ゼンブ…



ウソ…!!!












僕が…再び気がついた時には…
課長の元を去って…会社も出て…
家に戻っていた…。
そして、いつの間にか退職願を書いてしまっていた…。

だけど…不思議と抵抗は無かった…。

もう…何もかも…全部無くなったも同然だから…!!

封を閉じ……そして…さらに大きな封筒に入れて閉じ…切手も貼って…ポストに投函し…。

ガサガサ…!!

カキカキカキ…。

最低限の荷物を持ち…
家に書き置きを残し…

僕は…

バタン!



姿を消す事にした…。
もう…イヤダ…ボクハ…モウ…
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