雪男襲来
→ → → → →
「やっぱり人間界は暑いんですねぇ」
おゆきは、商店街を歩きながら額の汗をぬぐった。
「雪女にはちょっと暑いかもしれないな」
商店街はなんとなく生暖かい。それがおゆきには暑いと感じるらしい。夏みたいな格好をして歩いているからびっくりだ。と、そのとき肩に手がかけられ、その後に声がかかった。
「おいっ、お前」
「ん・・・」
俺が振り向くといきなり目から火が飛んだ。俺は宙をとび、倒れた。頭上からおゆきの悲鳴が聞こえる。
「な、なんだお前・・・」
「そりゃこっちのセリフだ」
男の声が聞こえ、またしても体が宙に浮かび上がる感覚に陥る。どうやら相手が襟首をつかんで俺を持ち上げているようだ。参った・・・喧嘩には自信がない。
「なんだってんだよ・・・恐喝か?」
俺が言うと相手が俺を投げ飛ばした。恐喝だと思って俺は叫んだ。
「おゆき・・・逃げろ!」
俺はそういって体を立て直したが、体がよろめいた。徐々に視界がはっきりしてきて、目の前におゆきがいることに気がついた。
「逃げるぞ、おゆき・・・」
俺はおゆきの手を引いて逃げようとしたが、それをさえぎるものがあった。何か羽織のようなものを羽織った少年だった。てか一体今日はなんだっていうんだ?こいつも恐喝の仲間か?
「うっふっふ、つーかまえたよー。子猫ちゃん」
そういって女の声がして、振り向いた。そこにいるのはワンピースにツインテールの女だ。俺は首を傾げたが、おゆきは顔色を変えていた。
「"猫又"・・・」
おゆきが聞きなれない言葉を口にした。
「何でこんなところに・・・」
「それはこちらのセリフですよ。お姫様」
ツインテールの女が皮肉めいたことを言った。
「お姫様・・・?」
俺は何か頭の中が混乱してきた。お姫様って・・・おゆきのことか?てか、そうだよな。
「お姫様、戻りますよ山に。そして祝言を挙げるのです」
「嫌だ、やだよ!」
雪女が猫又から逃げようとするが、逃げた先には先ほどの羽織を来た少年が立っている。
「参りますぞ姫様。このカラスめがお供します」
「お前まで、嫌だ。私は人間界にいたいんだよ!」
嫌がる雪女を少年とツインテール、そしてさっき俺を殴った男が押さえつけるようにして捕まえていた。
ど、どうしよう。俺。このままじゃ雪女が連れて行かれて・・・、いや、連れて行かれれば厄介払いが出来るはずじゃ。そうだ、厄介払いが出来るんだ。・・・なのに、この感情って、何なんだこの気持ちは。くそう、俺ってやつはどこまでお人よしなんだ!
気がついたときに俺はもう言葉を発していた。
「おい、おゆきが嫌がってんだろうがお前ら」
「あぁん?」
そういって振り向いたのは男だ。あーやっべー、怒ってるよあいつ・・・。
「俺たちのことに人間が口出しするつもりか?」
「そういうお前は人間じゃねぇのか?」
男はくっと笑うと、壁を思いっきり殴りつけた。すると、壁が粉々に壊れた。
「この俺が人間だと思うか?」
「・・・いや、化け物だな」
俺は必死につよがって見せたが、正直おしっこちびりそうだ。
「そうか、化け物に口出しした償いをさせてやらぁ。光栄に思え」
そういうと、思いっきり男がこぶしを握った。あー、もう俺終わったな。だが・・・、だがいいんだ!最後に意地を張れた。意地は曲げらんねぇ・・・。歯を食いしばるか。
俺が覚悟を決めて目をつぶったときだ。いきなり俺の後ろのほうから数本の毛のようなものが飛んできて、男に刺さりやがった。
「人間に手出しするのはダメでしょう。雪男」
そういって俺の後ろから男が一人やって来た。
「の、のっぺらぼう!お前・・・!」
「ゆ、雪男・・・?」
俺の頭に疑問符が浮かんだ。
「おゆきちゃんを離してやりなよ、"からす天狗"」
のっぺらぼうと呼ばれた男が羽織を着た少年にいった。
「し、しかしのっぺらぼう!」
「気が変わったんだよ。離してやりなって」
からす天狗、と呼ばれた少年は嫌そうにそれを離した。
「ち、ちっくしょう。のっぺらぼうめ・・・。覚えてやがれ!」
そういうと雪男が行ってしまった。後には、猫又とのっぺらぼうとからす天狗、そして俺とおゆきがが残った。
「やっぱり人間界は暑いんですねぇ」
おゆきは、商店街を歩きながら額の汗をぬぐった。
「雪女にはちょっと暑いかもしれないな」
商店街はなんとなく生暖かい。それがおゆきには暑いと感じるらしい。夏みたいな格好をして歩いているからびっくりだ。と、そのとき肩に手がかけられ、その後に声がかかった。
「おいっ、お前」
「ん・・・」
俺が振り向くといきなり目から火が飛んだ。俺は宙をとび、倒れた。頭上からおゆきの悲鳴が聞こえる。
「な、なんだお前・・・」
「そりゃこっちのセリフだ」
男の声が聞こえ、またしても体が宙に浮かび上がる感覚に陥る。どうやら相手が襟首をつかんで俺を持ち上げているようだ。参った・・・喧嘩には自信がない。
「なんだってんだよ・・・恐喝か?」
俺が言うと相手が俺を投げ飛ばした。恐喝だと思って俺は叫んだ。
「おゆき・・・逃げろ!」
俺はそういって体を立て直したが、体がよろめいた。徐々に視界がはっきりしてきて、目の前におゆきがいることに気がついた。
「逃げるぞ、おゆき・・・」
俺はおゆきの手を引いて逃げようとしたが、それをさえぎるものがあった。何か羽織のようなものを羽織った少年だった。てか一体今日はなんだっていうんだ?こいつも恐喝の仲間か?
「うっふっふ、つーかまえたよー。子猫ちゃん」
そういって女の声がして、振り向いた。そこにいるのはワンピースにツインテールの女だ。俺は首を傾げたが、おゆきは顔色を変えていた。
「"猫又"・・・」
おゆきが聞きなれない言葉を口にした。
「何でこんなところに・・・」
「それはこちらのセリフですよ。お姫様」
ツインテールの女が皮肉めいたことを言った。
「お姫様・・・?」
俺は何か頭の中が混乱してきた。お姫様って・・・おゆきのことか?てか、そうだよな。
「お姫様、戻りますよ山に。そして祝言を挙げるのです」
「嫌だ、やだよ!」
雪女が猫又から逃げようとするが、逃げた先には先ほどの羽織を来た少年が立っている。
「参りますぞ姫様。このカラスめがお供します」
「お前まで、嫌だ。私は人間界にいたいんだよ!」
嫌がる雪女を少年とツインテール、そしてさっき俺を殴った男が押さえつけるようにして捕まえていた。
ど、どうしよう。俺。このままじゃ雪女が連れて行かれて・・・、いや、連れて行かれれば厄介払いが出来るはずじゃ。そうだ、厄介払いが出来るんだ。・・・なのに、この感情って、何なんだこの気持ちは。くそう、俺ってやつはどこまでお人よしなんだ!
気がついたときに俺はもう言葉を発していた。
「おい、おゆきが嫌がってんだろうがお前ら」
「あぁん?」
そういって振り向いたのは男だ。あーやっべー、怒ってるよあいつ・・・。
「俺たちのことに人間が口出しするつもりか?」
「そういうお前は人間じゃねぇのか?」
男はくっと笑うと、壁を思いっきり殴りつけた。すると、壁が粉々に壊れた。
「この俺が人間だと思うか?」
「・・・いや、化け物だな」
俺は必死につよがって見せたが、正直おしっこちびりそうだ。
「そうか、化け物に口出しした償いをさせてやらぁ。光栄に思え」
そういうと、思いっきり男がこぶしを握った。あー、もう俺終わったな。だが・・・、だがいいんだ!最後に意地を張れた。意地は曲げらんねぇ・・・。歯を食いしばるか。
俺が覚悟を決めて目をつぶったときだ。いきなり俺の後ろのほうから数本の毛のようなものが飛んできて、男に刺さりやがった。
「人間に手出しするのはダメでしょう。雪男」
そういって俺の後ろから男が一人やって来た。
「の、のっぺらぼう!お前・・・!」
「ゆ、雪男・・・?」
俺の頭に疑問符が浮かんだ。
「おゆきちゃんを離してやりなよ、"からす天狗"」
のっぺらぼうと呼ばれた男が羽織を着た少年にいった。
「し、しかしのっぺらぼう!」
「気が変わったんだよ。離してやりなって」
からす天狗、と呼ばれた少年は嫌そうにそれを離した。
「ち、ちっくしょう。のっぺらぼうめ・・・。覚えてやがれ!」
そういうと雪男が行ってしまった。後には、猫又とのっぺらぼうとからす天狗、そして俺とおゆきがが残った。
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