平均的な家
「これが人間のお部屋なんですかぁ」
「うん・・・まぁ、ね」
これが人間の標準的な部屋・・・といえばそうなのだろうか。僕にはまったく分かりません。
「何か・・・人間っていろいろなものを部屋においているんですねぇ」
「そうかなぁ」
僕は去年から一人暮らしを始めたばっかりで貧乏だからそんなに部屋にあるものは少ない。でも山から来た雪女から見るときっと珍しいものだらけなのに違いない。
「これは何なんですか?殿」
「あぁ、それは電子レンジ」
「でんしれんじ・・・?」
おゆきは首をかしげた。
「そうだなぁ・・・」
僕は、とりあえず冷やご飯を取り出し、それを電子レンジで暖めた。
「何をしているのですか?殿」
「こうやって電子レンジに冷たいものを入れれば・・・」
一定の時間ご飯を温めると、僕はご飯を取り出して雪女の前に出した。
「ご飯・・・」
「食べて見てよ」
僕にいわれて、おゆきはお箸を握ってご飯を口に運んだ。が、
「熱!熱いです~~~~~!!」
そういうといきなり口から冷たい息を吐いた。途端に部屋がいきなり寒くなり、おゆきの周りが凍り始めた。
「ひえっ、寒っ、寒い~~~!!」
僕はあまりの寒さに固まりついてしまった。一方おゆきは固まった僕を見て慌てふためいた。
「ひえっ、ひえええ!すいません!すいませ~~ん!」
そういっておゆきが息を吸うと、全部元通りになって、僕も動けるようになった。
「お怪我、ありませんかぁ・・・?」
「おゆき、泣いてる・・・の?」
そのおゆきという雪女は目から涙を流していた。・・・といっても目から氷が出るのを涙と呼ぶのかは分からないけど・・・。
「すいません。雪女が泣くだなんてはしたないですね・・・」
「あ、いや・・・あの」
雪女が僕を抱きしめてあまり泣くもので僕はちょっとおかしくなってしまった。
「この氷・・・しょっぱい」
「は、はい。涙氷ですから」
「るいひょう・・・っていうんだ」
僕は自分の力で起き上がると、おゆきに向き直った。
「僕の名前は由布由」
「ゆふ・・・よし殿ですか」
「変な名前だよねぇ。区切りが悪いからゆふよしって呼ばれてる」
「そんな・・・!いい名前・・・だと思います」
おゆきは白い浴衣の袖から、白い手を出した。
「人間は・・・肌色なんですね。やっぱり」
「肌色・・・」
おゆきは少し笑った。
「私、もっと人間のことが知りたくって、人間のお友達がほしくって山から降りてきたんです」
「人間の・・・お友達かぁ」
「は、はい。あと、人間のお婿さん・・・とかもゴニョゴニョ・・・」
「ん?何かいった?」
「あっ、いえ!何でもありません。とにかくこれからお願いします。由布由さん!」
おゆきはいきなり反則なほどにべったりくっついてきた。なんだか体はほてってきたのに隣りの雪女は冷たいという不思議な現象に僕はなんだか体がおかしくなりそうだった。
「じゃぁ、とりあえず私はここで寝させていただきますね」
「えっ?ここで?」
「はい、雪女ですからこれくらいがちょうどいいのです。人間は布団とかいうものにくるまって寝るみたいですけど」
「いや、いくら雪女とはいえなぁ・・・」
「気にしないでください。じゃぁ、おやすみなさい」
おゆきはそういうと、すーすー寝息を立てながら眠ってしまった。
「まったくー・・・何なんだろう」
僕はそういいながらちょっと、やっぱり気になって、おゆきの上から毛布をかけた。
「やっぱり何もなしっていうのも・・・いくら雪女だからってね」
→ → → → →
「何ですと?ならば姫は行方不明ということですか!?」
「・・・」
男のその慌てた質問に帰ってくる答えはなかった。
「一体どこに・・・どこに姫は!」
「心当たりがあるわよ・・・」
いきなり暗闇から誘うような女の声が聞こえた。
「その声は?」
「ふふっ、人間界でいうところの情報屋・・・とでもいうかしらねぇ」
「心当たりがあるといったが」
するとその女は少し間をおいた。
「人間界に降りてった・・・」
「なにっ?人間界に?何でまたそんなところに・・・」
「ほれた女を取り戻しにいくのならそれは私の口から聞かないほうがいいんじゃないかい?」
男は唇を噛みしめた。
「分かった、案内しろ」
「承知、うふふふ・・・」
そういうと、影から女が姿を現した。
「うん・・・まぁ、ね」
これが人間の標準的な部屋・・・といえばそうなのだろうか。僕にはまったく分かりません。
「何か・・・人間っていろいろなものを部屋においているんですねぇ」
「そうかなぁ」
僕は去年から一人暮らしを始めたばっかりで貧乏だからそんなに部屋にあるものは少ない。でも山から来た雪女から見るときっと珍しいものだらけなのに違いない。
「これは何なんですか?殿」
「あぁ、それは電子レンジ」
「でんしれんじ・・・?」
おゆきは首をかしげた。
「そうだなぁ・・・」
僕は、とりあえず冷やご飯を取り出し、それを電子レンジで暖めた。
「何をしているのですか?殿」
「こうやって電子レンジに冷たいものを入れれば・・・」
一定の時間ご飯を温めると、僕はご飯を取り出して雪女の前に出した。
「ご飯・・・」
「食べて見てよ」
僕にいわれて、おゆきはお箸を握ってご飯を口に運んだ。が、
「熱!熱いです~~~~~!!」
そういうといきなり口から冷たい息を吐いた。途端に部屋がいきなり寒くなり、おゆきの周りが凍り始めた。
「ひえっ、寒っ、寒い~~~!!」
僕はあまりの寒さに固まりついてしまった。一方おゆきは固まった僕を見て慌てふためいた。
「ひえっ、ひえええ!すいません!すいませ~~ん!」
そういっておゆきが息を吸うと、全部元通りになって、僕も動けるようになった。
「お怪我、ありませんかぁ・・・?」
「おゆき、泣いてる・・・の?」
そのおゆきという雪女は目から涙を流していた。・・・といっても目から氷が出るのを涙と呼ぶのかは分からないけど・・・。
「すいません。雪女が泣くだなんてはしたないですね・・・」
「あ、いや・・・あの」
雪女が僕を抱きしめてあまり泣くもので僕はちょっとおかしくなってしまった。
「この氷・・・しょっぱい」
「は、はい。涙氷ですから」
「るいひょう・・・っていうんだ」
僕は自分の力で起き上がると、おゆきに向き直った。
「僕の名前は由布由」
「ゆふ・・・よし殿ですか」
「変な名前だよねぇ。区切りが悪いからゆふよしって呼ばれてる」
「そんな・・・!いい名前・・・だと思います」
おゆきは白い浴衣の袖から、白い手を出した。
「人間は・・・肌色なんですね。やっぱり」
「肌色・・・」
おゆきは少し笑った。
「私、もっと人間のことが知りたくって、人間のお友達がほしくって山から降りてきたんです」
「人間の・・・お友達かぁ」
「は、はい。あと、人間のお婿さん・・・とかもゴニョゴニョ・・・」
「ん?何かいった?」
「あっ、いえ!何でもありません。とにかくこれからお願いします。由布由さん!」
おゆきはいきなり反則なほどにべったりくっついてきた。なんだか体はほてってきたのに隣りの雪女は冷たいという不思議な現象に僕はなんだか体がおかしくなりそうだった。
「じゃぁ、とりあえず私はここで寝させていただきますね」
「えっ?ここで?」
「はい、雪女ですからこれくらいがちょうどいいのです。人間は布団とかいうものにくるまって寝るみたいですけど」
「いや、いくら雪女とはいえなぁ・・・」
「気にしないでください。じゃぁ、おやすみなさい」
おゆきはそういうと、すーすー寝息を立てながら眠ってしまった。
「まったくー・・・何なんだろう」
僕はそういいながらちょっと、やっぱり気になって、おゆきの上から毛布をかけた。
「やっぱり何もなしっていうのも・・・いくら雪女だからってね」
→ → → → →
「何ですと?ならば姫は行方不明ということですか!?」
「・・・」
男のその慌てた質問に帰ってくる答えはなかった。
「一体どこに・・・どこに姫は!」
「心当たりがあるわよ・・・」
いきなり暗闇から誘うような女の声が聞こえた。
「その声は?」
「ふふっ、人間界でいうところの情報屋・・・とでもいうかしらねぇ」
「心当たりがあるといったが」
するとその女は少し間をおいた。
「人間界に降りてった・・・」
「なにっ?人間界に?何でまたそんなところに・・・」
「ほれた女を取り戻しにいくのならそれは私の口から聞かないほうがいいんじゃないかい?」
男は唇を噛みしめた。
「分かった、案内しろ」
「承知、うふふふ・・・」
そういうと、影から女が姿を現した。
※会員登録するとコメントが書き込める様になります。