雪女襲来
「・・・、こいつか。雪女の身柄を預かっているのは」
雪の降りしきる山奥、そこにあまりに薄すぎる格好で立っている男。男は片手に写真、もう片方の手には杖。
「ゆき、俺は必ずお前を迎えに行く。待ってろ」
男はそういうと、裸足で雪の上を歩き、山を降り始めた。
→ → → → → →
「ふつつかものですが、どうかよろしくお願いいたします」
僕は今大いなる危機に見舞われている。危機といってもみんなの考える危機とは違うと思う。僕の常識概念に関する危機といおうか。
「えっと、君は・・・誰?」
僕はまず当然の疑問を口にした。待て、情報を整理しよう。僕は今ご飯を食べようとした。すると、いきなりドアをノックする音が聞こえて、外に出た。すると、外に雪をかぶってしかも裸足の姿の少女が立っていた。
「も、申し訳ございません。一晩でいいので宿を取らせていただけないでしょうか」
いや、この時点でいろいろとおかしいが、そのときの僕に突っ込む余裕などというものはなかった。雪なのに裸足ってどういうことなのかというパニック状態に陥り、とにかくしもやけを興してはいけないと家に入れはいいが、この子は今度はこういう風にしてくつろぎ始めたかと思いきや、三つ指を突いて
「ふつつかものですが、どうかよろしくお願いいたします」
などともうここに居座るのが決定というようにいったのだ。
「えっと・・・君は誰?」
「私はおゆきと申します。なれない人間界でご迷惑をかけるとは思いますが、どうかよしなにお願いします。貴殿のお名前を教えていただけますか?」
「えっと、僕は・・・」
って、何を僕は名乗ろうとしているのだ。名乗れば、おしまいだ何かよく分からないけどきっと。
「おゆき・・・ちゃん。まだ僕は泊めるとは一言も」
「そう・・・ですか。なら次の宿を探しに行きます。お騒がせをいたしました」
そういっておゆきちゃんはいきなり裸足で外に出ようとするものだから僕は慌てた。
「ちょっと、ちょーっと待った!」
さすがにこんな裸足の女の子をまた外に出すような非道なことは僕には出来ない!そう思った僕は慌てておゆきちゃんの行く手を阻んだ。
「わ、分かったよ。今日は遅いし、泊まってっても・・・」
「ほ、本当ですかぁ?」
そういうとそのおゆきちゃんは白い浴衣姿で飛びついてきた。
「う、うわぁっ」
「ありがとうございます。ありがとうございます。本当の本当に困っていたのです」
ん、可愛い・・・ではないか。
「ってか冷たっ!!」
僕はその子の体温の冷たさに飛びのいた。
「な、何者・・・?」
「あ、はい。実は私雪女なんです」
そういっておゆきちゃんはえへっと首を傾けて笑った。
「う、うぇっ・・・?雪女?」
「はいー、雪女です」
「雪女って・・・あの、人間を食べちゃうとかいうあれ?」
僕はちょっと怖くなって一歩後じさった。あの体温が原因か、疑う気はなかった。ただちょっと恐怖が体をめぐった。
「まさかぁ、人間を食べたりなんてしませんよ。多分まずいですし」
「ま、まずいって・・・」
僕はちょっと苦笑いをした。ってかここ笑うとこ?
「私、実は人間が大好きなんです!」
「人間・・・が大好き?」
「はい、人間が好きなんです」
そのおゆきと名乗る雪女は肩をすくめて笑った。笑うところなのかすら分からん・・・。
「へぇ・・・それなら安心だね」
「はい、断じて食べたりしないので安心してください。そーしーてー」
おゆきはちょっとにこやかに笑うと、こちらに近づいてきた。
「人間のこと、教えてください。実は私山以外まったく知らなくって、人間の世界に下りてくるのも初めてですし・・・ねっ?」
雪女はそういっていたずらっぽく笑った。
「あぁ・・・、分かったよ」
ここまで会話をして、僕はある大事なことに気がついた。
「あれ?何か最初の一晩泊めてもらうって言うところからかなりかけ離れてきてるような・・・」
雪の降りしきる山奥、そこにあまりに薄すぎる格好で立っている男。男は片手に写真、もう片方の手には杖。
「ゆき、俺は必ずお前を迎えに行く。待ってろ」
男はそういうと、裸足で雪の上を歩き、山を降り始めた。
→ → → → → →
「ふつつかものですが、どうかよろしくお願いいたします」
僕は今大いなる危機に見舞われている。危機といってもみんなの考える危機とは違うと思う。僕の常識概念に関する危機といおうか。
「えっと、君は・・・誰?」
僕はまず当然の疑問を口にした。待て、情報を整理しよう。僕は今ご飯を食べようとした。すると、いきなりドアをノックする音が聞こえて、外に出た。すると、外に雪をかぶってしかも裸足の姿の少女が立っていた。
「も、申し訳ございません。一晩でいいので宿を取らせていただけないでしょうか」
いや、この時点でいろいろとおかしいが、そのときの僕に突っ込む余裕などというものはなかった。雪なのに裸足ってどういうことなのかというパニック状態に陥り、とにかくしもやけを興してはいけないと家に入れはいいが、この子は今度はこういう風にしてくつろぎ始めたかと思いきや、三つ指を突いて
「ふつつかものですが、どうかよろしくお願いいたします」
などともうここに居座るのが決定というようにいったのだ。
「えっと・・・君は誰?」
「私はおゆきと申します。なれない人間界でご迷惑をかけるとは思いますが、どうかよしなにお願いします。貴殿のお名前を教えていただけますか?」
「えっと、僕は・・・」
って、何を僕は名乗ろうとしているのだ。名乗れば、おしまいだ何かよく分からないけどきっと。
「おゆき・・・ちゃん。まだ僕は泊めるとは一言も」
「そう・・・ですか。なら次の宿を探しに行きます。お騒がせをいたしました」
そういっておゆきちゃんはいきなり裸足で外に出ようとするものだから僕は慌てた。
「ちょっと、ちょーっと待った!」
さすがにこんな裸足の女の子をまた外に出すような非道なことは僕には出来ない!そう思った僕は慌てておゆきちゃんの行く手を阻んだ。
「わ、分かったよ。今日は遅いし、泊まってっても・・・」
「ほ、本当ですかぁ?」
そういうとそのおゆきちゃんは白い浴衣姿で飛びついてきた。
「う、うわぁっ」
「ありがとうございます。ありがとうございます。本当の本当に困っていたのです」
ん、可愛い・・・ではないか。
「ってか冷たっ!!」
僕はその子の体温の冷たさに飛びのいた。
「な、何者・・・?」
「あ、はい。実は私雪女なんです」
そういっておゆきちゃんはえへっと首を傾けて笑った。
「う、うぇっ・・・?雪女?」
「はいー、雪女です」
「雪女って・・・あの、人間を食べちゃうとかいうあれ?」
僕はちょっと怖くなって一歩後じさった。あの体温が原因か、疑う気はなかった。ただちょっと恐怖が体をめぐった。
「まさかぁ、人間を食べたりなんてしませんよ。多分まずいですし」
「ま、まずいって・・・」
僕はちょっと苦笑いをした。ってかここ笑うとこ?
「私、実は人間が大好きなんです!」
「人間・・・が大好き?」
「はい、人間が好きなんです」
そのおゆきと名乗る雪女は肩をすくめて笑った。笑うところなのかすら分からん・・・。
「へぇ・・・それなら安心だね」
「はい、断じて食べたりしないので安心してください。そーしーてー」
おゆきはちょっとにこやかに笑うと、こちらに近づいてきた。
「人間のこと、教えてください。実は私山以外まったく知らなくって、人間の世界に下りてくるのも初めてですし・・・ねっ?」
雪女はそういっていたずらっぽく笑った。
「あぁ・・・、分かったよ」
ここまで会話をして、僕はある大事なことに気がついた。
「あれ?何か最初の一晩泊めてもらうって言うところからかなりかけ離れてきてるような・・・」
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