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私立光星学園不思議研究部

ジャンル: ロー・ファンタジー 作者: 渚
目次

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そう言われた俺はそんなことないと思いながら浩輔を見ると、見事に筋の入ったキレイなオールバックだった。

「浩輔!そんな髪型だっけ?」

『いつもだぜ!セットに2時間はかかるからいつも4時起き!キレイに筋を入れるのが難しいんだよ。だからいつも3~4回はやり直すね。よかったら颯太もやる?教えてやってもいいけど、俺に教わるなら・・・高いぜ!!』

なんでそんな無表情のままで自慢気に自信満々な文章を当ててくるんだこいつは。オールバックって、高校生でやる髪型か?あり得ないだろ普通。しかも2時間もかかるならやらなきゃいいだろ。

「髪型以外にも廊下は走らないとかね。」

「なんか普通の決まり事って感じですね。それって校則なんですか?」

「どちらかというと、守らなかった人に罰則があるっていう校則よ。」

「罰則?どんな罰則ですか?」

「校長と1年間交換日記。」

あ~絶対やりたくないやつだ。そりゃ廊下を走りたくなくなるよ。どんなに急いでても校長の顔が浮かぶしなぁ。

「だから学校内が静かなのかしら。安東くん。1回走ってみてくれる?」

「は?嫌ですよ絶対!!」

「だって本当にそうなるのか実験して見たいじゃない?」

「う、上目遣いで可愛く言っても絶対にやりませんからね。大体霞ヶ原部長が自分で実験してみれば良いじゃないですか。」

「何言っているの?安東くん。私、校長と1年も交換日記なんて死んでも嫌よ。」

「いやいや、超真面目な無表情でそんなこと言わないでくださいよ。さすがに校長が可愛そうになってきます。」

「私、部長との交換日記なら何年でも・・・・何年でも・・・・いやーーーー恥ずかしいーーー!私ちょっとお花摘みに行って来ます!」

バタン!!

この人は何処までお花を摘みに行くんだろう。きっとキレイな川のほとりかな。その川渡っちゃダメなヤツですからちゃんと戻ってきてくださいね。

「お花摘みといえば、校則じゃないけど授業中に席を外すとか恥ずかしいわよね。」

「あ~トイレに行きたいきとか困りますよね。」

「安東くん廊下走っちゃった?」

「いやいや、なんでにっこり笑顔で校内電話を持っているんですか?校長室に直通とかやめてくださいね。」

「かけないわよ。安心して。」

「じゃぁ、一旦受話器置いてもらっていいですか。」

ガチャリ。

『そういえば、女子が血がどうのとか言って騒いでたけど、部長?あれなんなんでしょう?』

「女の子には女の子の事情があるのよ。」

「浩輔!そんな話題やめろよ!恥ずかしいだろ!」

「私も先週出血しちゃったな~」

乗っかるんかい!!
どうしてもツッコミを入れたくなってしまった僕だった。

「授業中に出血しちゃったけど、我慢してたら大変な事になってたのよね。」

「一応聞きますけど・・・な、何があったんですか?」

もじもじした表情で顔をほんのり赤らめている。部長の様子が変だ!やっぱりアレだよな。アレですよね?

「部長、やっぱいいです!僕が悪かったです。もう大丈夫ですから!」

「前の日に激辛メニューの食べ放題でハッスルし過ぎちゃって。てへっ。
その日は一日中鼻血が止まらなかったのよ。」

「紛らわしいわ!!」

「だって女の子だもん。」

ガラガラ

「おーい。今日はもう下校時間過ぎてるから早く帰れよー。」

「あら。ハゲズラ先生。もうそんな時間ですか?」

「いやいや、私の名前は萩原だよ。は・ぎ・わ・ら。
霞ヶ原くんはいつになったら私の名前を覚えてくれるんだ。」

突然部室に入ってきたこの先生は学園の教頭である。
何故か不思議研究部の顧問という立場を持っている。普通教頭が顧問になるなんて事はないが、この部活だけは例外らしい。それこそ校則に顧問が教頭ではいけないという文言がないからなのだろうが、これも霞ヶ原部長の力という噂もあり、不思議研究部の一員としてはまずそこから調べて見たいものだ。

「時間ならしょうがないわね。帰りましょうか。」


部長の一言をきっかけにして、部員のほぼ全員が身支度を始めた。
バタン。
ガチャ。

「戸締まり完了っと。ハゲズラ先生。鍵お願いしますね。」

「私の名前は萩原だよ、霞ヶ原くん。」

そう言いながらも、霞ヶ原部長から鍵を受け取った教頭は渋々職員室へと向かった。
今日も平和な部活動が終わったが、明日は何をやらされるのか・・・

「は!!霞ヶ原先輩は何処?」

あ、そういえば桐原先輩そのままだったような気がするけど、明日でいっか。
今日も平和に1日が過ぎいていった。
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