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始まりは···

原作: その他 (原作:ルームシェア素顔の彼love days) 作者: WMW
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始まりは···126話

紗菜「アキ··ちゃん?どういう事?」

目の前にはコンタクトを外した砂原と紗菜と同じ目をしたアキオが立っている。

アキオ「それから腕」

紗菜「私達と同じホクロ」

アキオ「ごめん。初めは半信半疑だった。けどこの前広瀬の方の方達をみた時に確信に変わった。俺の兄と妹に似ていたから。」

紗菜「アキちゃんの兄妹?」

アキオ「兄は4つ上、障害があって、俺が物心つく前に亡くなった。妹は8つ年下、こちらも知的障害などがあって12才で亡くなってる。父と母は家の子なら強く遺伝が出るから腕にホクロがあって目の色が違うはずなのに、と言っていたけど、結局それは俺だけで、広瀬家にすり替えられた二人を育てた。」

紗菜「私達は病院で?」

アキオ「田舎の産院だから今ほどシステムもよくなかった。これが35年前10/21にいた入院者のリスト。こちらは23年前の紗菜が生まれた日」

紗菜「広瀬##子、椿○○○二つとも同じ名前がある。」

アキオ「智也は広瀬の方に行ってすぐ施設に入れられた。多分智也はたまたま同じ日に生まれたからすり替えられただけ。広瀬の方の親は10代だったからまだ遊び半分だったんだろう。紗菜は見た目も他の赤ちゃんと違うし、女の子だったからすりかえた。」

紗菜「私を利用するのにでしょう。それから広瀬の方の兄を面倒みさせるため。でもアキちゃん、アキちゃんのご両親亡くなってるって、、」

アキオ「亡くなってる。妹がなくなってすぐ。俺に全部相続させて。だから福島の家や土地はすべて売り払ってこちらに引っ越した。特に未練もないから。」

紗菜「アキちゃん。良かった。アキちゃんがお兄さんならうれしい。兄妹なの教えてくれてありがとう。ずっと一人で沢山の事抱えてたはずなのに、私、ごめんなさい」

アキオ「もう兄と妹で同じ事言うんだから。二人も産まれてすぐから辛い思いしたんだから三人おあいこでしょ。特に紗菜ちゃんは女の子なのに辛い目にあって。これからは私もお兄さんになっていい?」

紗菜「家族が増えてるなんて素敵じゃない。」

アキオ「でも紗菜ちゃん、本当は元女子社員Bに後ろめたさを持っていたでしょう?」

紗菜「··出生については初めて言われたからそれもショックだったけど、両親だって思っていた人もまともではなかったし、天秤にかけてしまったら私にはないものばかりで。そこに裕介さんと並ぶなんて釣り合うところないって言われて当然じゃないかって。」

アキオ「あなたは沢山持ってるわよ。仲間も心配してくれるファミリーも、自分の努力で手にした物も。それから両親がいなくても最強のお兄ちゃんもいるでしょ。もうそんな事天秤にかけちゃダメよ。」

紗菜「今日またお兄ちゃん増えたから、私本当は幸せいっぱいだったんだね。なのに逃げてごめんなさい。これでは私がみんなを傷つけてるのと同じ」

アキオ「逃げたんじゃない。私達が守るからもう一人で戦わなくていいの。」

紗菜「アキちゃん··ありがとう」

アキオ「なら改めて、私は椿翠臣宜しくね。」

紗菜「えっ待っ··アキちゃんってアキオさんじゃ··?」

翠臣「本当は翠臣。でも両親が亡くなってからはアキオって名乗っていたの。」

紗菜「椿家に生まれていたら私達の名前は?」

翠臣「翠尊(あきたか)と翠歩。全員翡翠の翠が入った名前よ」

紗菜「翡翠の翠。」

翠臣「カワセミと言う鳥いるでしょう?私達の家系がカワセミのような色の目をしているから、翠の字を入れたそうよ。」

紗菜「そうなんだね。私は紗菜です。これから宜しくお願いします」

翠臣「じゃあリビングいきましょうか。裕介さんには智也からリークされてるし、小鳥遊邸の皆さんにも、祐也さんにももうリークされてるわ。」

紗菜「あっ私のお兄さん全員上司だね。」

翠臣「そうね。偶然って面白いわね。ニューヨークの駅で助けてくれたのが実の兄で、会社の社長も血は繋がらないけど兄、それから暫くして紗菜ちゃんが来た。何かが引き寄せてくれたのかしら?」

紗菜「それなら素敵でいいな。もう1ついい?違和感をもった切っ掛けって?」

翠臣「ロッカーでたまたま濡れたワイシャツを智也とふたりで着替えてる時に。私と同じ所にホクロがあったから。二つ目は広瀬の方の息子が私と育った子達と似てたから。あとは紗菜ちゃんよ。あなたのコンタクト外した顔が母とそっくりだったから。」

紗菜「私、アキちゃんのお母さんと似てるの?」

翠臣「智也もよ。多分私もかしら?それから私だけの母じゃないわ紗菜ちゃんのお母さんでもあるわよ。」

紗菜「そうだね。もう少し自分の中で整理出来たら··」

翠臣「これからだから慌てなくていいわ。そのままでもいいし。」

紗菜「それは··駄目だよ。せっかくアキちゃんもお兄さんだって分かったのに。」

翠臣「ありがとう」

砂原「おーい腹へった。夜ご飯食べいかないか?ラーメンとか」

裕介「ちょっと智兄、中年腹でちゃう!」

翠臣「裕介さん何の心配してるの。やーね。」

裕介「俺今日嬉しいな。お兄さん増えちゃった!ね、紗菜」

翠臣「二人で言うこと一緒ね」

砂原「紗菜にはこっちとニューヨークあわせて20人近くお兄さん、お姉さんいるぞ。大変だな裕介。」

紗菜「そのなかの三人は癖がある上司でもあります。特に小さい方のお兄さん。」

砂原「小さい方ならアキだな。ポジション譲ったぞ」

紗菜「間違えました。真ん中」










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