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バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
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第九問⑤

「勝者、Aクラス」



 高橋先生の言葉の直ぐ後に、Aクラス側からは歓声が、Fクラス側からは溜め息がそれぞれ聞こえてきた




「や、やった……やったのか!? 勝ったのか!?」


「ぐっ……」


「は、はは……ハッハッハッハッ! 見たか、竜崎智也! やはり私の方が格上ではないか!」



 高らかに笑う鳳。余程嬉しいのか、先程までの冷たい視線は、綺麗さっぱりなくなっていた。
 だが、そんなことよりも――


「……お前、何であのこと知ってんだよ」


「む? あのこと? ……ああ、本気女装写真のことか?」


「……ああ」


「そんなの、貴様の幼馴染みに聞いたに決まっているだろう」


「……ですよね~」



 あの悪女には、いつかお仕置きしてやらねば。……お仕置きした後のお仕置きが怖いから、大したことは
できないだろうけど。



「そんなことよりもだ、私との約束、覚えているだろうな?」


「……約束?」



 ……何だっけ? 『大きくなったら、結婚する』 みたいな約束は、こいつとはしてないはずだし……。



「……まさか貴様、忘れているのか!?」


「……てへ☆」


「『てへ☆』 じゃないわっ! ……まあいい、この話はまた後でにしよう」


「ん? 珍しいな。いつものお前なら、『私との約束を忘れるなんてゆるさないっちゃ! 死刑っちゃ!』
 みたいなことを言うはずなのに」


「誰が言うかっ! ふん! まぁ今回は、私の代わりに貴様を懲らしめてくれる奴がいるみたいだしな」


「……?」


「では、また後で、な。竜崎智也」


「ん、ああ」



 ひらひらと手を振りながら、Aクラス生徒達の中へと消えていく鳳。
 鳳の代わりに俺を懲らしめる奴ってのは、一体誰のことなのだろうか?












「……さて、何か弁明は?」


「…………実は――」


「よし、殺せ」


「まだ何も言ってないよなっ!?」



 Fクラスのところに戻ると、待ち受けていたのは、鬼の形相をしたクラスメイトたちだった。


「ま、まあ待て、お前ら。まだ俺たちの負けと決まったわけじゃないだろ? ってか、もともと雄二がAク
ラス代表を一騎打ちで倒すってのが、俺たちの作戦だったはずだ。俺の負けは気にするな」


「た、確かに」



 よし、明久は説得できた! 後は雄二だけだ。



「気にするに決まってるだろ!」



 ……駄目だった。ですよね~。



「ていうか、智也。本気女装写真って何?」


「明久、お前を殺すぜ? 今すぐにだ!」


「え? 何で智也は木刀なんて持ってるの? な、何でそんな怖い顔してるのっ!?」


「そんなの、明久の記憶を消すためだろ?」


「なんでそんなさも当たり前のように答えるのっ!? い、いやぁぁぁぁーー!!」



~5分後~



「ふう」


「ものすごいすっきりした顔で帰ってきたのう」


「ああ、すっきりした」



 あの金髪チビに負けた悔しさも、これで幾分か解消できた。明久に感謝しないとな。



「ああそうだ、雄二。一応負けたのは悪かったとは思ってる。謝らんがな」


「謝れよ! ……まあいい。確かに、さっきの智也の言ったとおり、元々俺と翔子の一騎打ちで決着を着けるつもりだったしな」


「……雄二」



 お前、いい奴だったんだな……。



「ただ、約束通り今度何か奢れよ」



 前言撤回。やっぱり雄二は嫌な奴だった。

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