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バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
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第六問⑦

「くそっ! ……はぁ。皆! 協定通り今から休戦だ。各自、自由に帰宅していいぞ」



 時刻は午後四時。協定通り、今から明日の午前九時までか休戦となる。


 なんとかBクラスの教室前まで攻め込むことができたのだが、こちらの被害も、決して少なくない。

 だが、今はそれよりも重要なことがある。



「……結局四人しか倒せなかった」



 残念なことに、雄二から課せられたノルマを達成することはできなかった。ああ、俺の命もここまでか。



「まあ、嘆いていても仕方ない、か」



 雄二に戦況を報告するため、Fクラスの教室に向かう。

 殺られるとわかっていて行かなければいけないなんて……気が重い。


                  ☆



「うぃーす」


 扉を開け、かび臭い室内へと入る。そこには、雄二と姫路さんと木下が。傍には、明久の死体も転がって
いる。



「おう。どうだ? 戦況は」


「一応、計画通りBクラスの教室前までは攻め込めた。そんで、これがうちの隊の被害だ」



 雄二にこちらの被害を書いたメモを渡す。



「ふむ……やはり被害は少なくない、か」


「ああ。廊下での戦いに、Fクラスはほぼ全力を注いだからな」


「まあ予想の範囲だ。……それより転校生」


「おう?」


「五人、殺れたのか?」


「……四人だけ」


「死ね! と、本来なら言ってるところだがな。まあ四人も戦死させたんだ、良しとしよう」


「あ、ありがてぇ~……」



雄二の優しさに涙が出る。



「……ここはどこ?」



 と、そこで明久が生き返った。永眠しててよかったのに。



「あ、気が付きましたか?」



 すぐさま明久の下へ近づく姫路さん。

 本当に、何でこんないい子があんなバカを好いているのだろうか? 催眠術でもかけられているのかもし
れない。



「心配しましたよ? 吉井君ってば、まるで誰かに散々殴られた後に頭から廊下に叩きつけられたような怪
我をして倒れているんですから」



 それ正解。



「いくら試召 『戦争』 じゃからといって、本当に怪我をする必要はないんじゃぞ?」



 いや、アレは戦争というよりは一方的な虐殺だったような……。



「ちょっと色々あってね。それで試召戦争はどうなったの?」


「今は協定どおり休戦中じゃ。続きは明日になる」


「戦況は?」


「一応計画通り教室前に攻め込んだ。もっとも、こちらの被害も少なくはないがな」



 雄二がこちらの被害が書いてあるメモを読み上げる。こうして改めて聞くと、やっぱり、こちらもかなり
のダメージを受けているようだ。



「ハプニングはあったけど、今のところ順調ってわけだね」


「まぁな」



 それでも、まだ油断はできない。

 Bクラス代表の根本恭二は、勝つためには手段を選ばない奴なのだから。
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