ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
目次

第六問⑤

「……雄二。その、すまん」


「気にするな。だが、お前がこうして無事に戻ってきたってことは、囮のやつらは全員倒せたのか?」


「ああ。一応補習室送りにしてきた」


「……ほぅ」



 少し驚いた様な表情をする雄二。だけど、それも一瞬のことで、すぐにいつもの顔に戻る。



「そうか。ならいいさ」



 ニカッ、と笑う雄二。なんだ、こいつ意外と優しい奴なんだな。



「ただし、今から前線で暴れてこい。そうだな……五人補習室送りにしたら、お咎めなしにしてやる」



 ……え?



「……もし、できなかったら?」


「死刑のうえ私刑」


「行ってきますっ!」



 慌てて教室を飛び出す。やっぱりアイツは優しくなんかなかった。



                 ☆





「明久!」


「あれ、智也? どうしたの?」



 戦場に着くと、そこには明久と須川の姿が。



「いや、五人を殺さないといけないんだ」


「? どういうこと?」


「気にするな。それより、戦況は?」


「ああ、それなんだが、かなりマズいことになっている」



 明久の代わりに須川が答える。



「どうした?」


「島田が人質にとられた」


「「 なっ!? 」」



 今度は人質か……。卑怯な手段の王道だな。



「おかげで相手は残り二人なのに攻めあぐんでいる。どうする?」



 現在、明久の部隊は敵と睨み合いになってるらしい。



「……そうだな。とりあえず状況を見たい」


「それなら前に行こう。そこで敵は道を塞いでいる」



 須川が前を歩き、俺と明久が後に続く。

 部隊の人垣を抜けると、そこには須川の言うとおり二人のBクラス生徒と捕らえられた島田さん及びその
召喚獣の姿があった。
 そして、そばには補習担当講師もいる。



「島田さん!」


「よ、吉井!」



 なにこの茶番。



「そこで止まれ! それ以上近寄るなら、召喚獣に止めを刺して、この女を補習室送りにしてやるぞ!」



 島田さんを捕らえている敵の一人が明久を牽制する。

 そうか。数少ないFクラスの女子をただ戦死させるのではなく、人質にとって補習室送りをちらつかせ、
こっちの士気を挫く作戦か。効果的だ。

 このまま攻め込めば、俺達が相手を倒す前に島田さんに止めを刺され、補習室送りにされてしまう。どう
したものか……。


「総員突撃用意ぃーっ!」


「隊長それでいいのか!?」



 明久の突撃命令。こいつ最低だ。



「ま、待て、吉井!」



 敵からちょっと待ったコールがかかる。当然だろう。



「コイツがどうして俺達に捕まったと思っている?」


「馬鹿だから」


「殺すわよ」



 ……どうして、明久は人質にされている島田さんに気圧されているのだろうか?



「コイツ、お前が怪我したって偽情報流したら、部隊を離れて一人で保健室に向かったんだよ」



 なるほど。島田さんを騙すにはもってこいの偽情報だ。

 こんな可愛い子に好かれてるなんて、明久が羨ましい。



「島田さん……」


「な、なによ」



 心なしか島田さんの顔が赤くなっている。



「怪我をした僕に止めを刺しに行くなんてあんたは鬼か!」


「違うわよ!」


「なんでそうなった!?」



 やっぱり明久は馬鹿だ。どうしようもないくらい、馬鹿だ。



「ウチがアンタの様子を見に行っちゃ悪いっての!? これでも心配したんだからね!」


「島田さん。それ本当?」


「そ、そうよ。悪い?」



 ぷいっと顔を背ける島田さん。やべっ、可愛い。



「へっ。やっとわかったか。それじゃ、おとなしく」


「総員突撃ぃーっ!」


「「 どうしてよ (だ) っ!? 」」



 島田さんと声が重なる。この状況で突撃できるお前は、一体なんなんだ?



「あの島田さんは偽者だ! 変装している敵だぞ!」


「こいつバカだっ!」



 あんな完璧に変装なんてできるわけがない。アニメや漫画の見すぎだ。



「おい待てって! コイツ本当に本物の島田だって!」



 狼狽するBクラスの生徒。



「黙れ! 見破られた作戦にいつまでも固執するなんて見苦しいぞ!」


「だから本当に───」




英語W

Bクラス鈴木次郎
        33点
    VS

Fクラス田中明 
        65点



英語W

Bクラス吉田卓夫 
        18点
    VS

Fクラス須川亮
        59点



 とりあえず死にかけ二人の召喚獣を仕留める。
 あ、しまった。俺が仕留めるべきだった。ちくしょう!

目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。