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バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
目次

第六問③

「さて皆、総合科目テストご苦労だった」



 教壇に立った雄二が机に手を置いて俺達の方を向いている。

 今日も午前中がテストで、ついさっき全教科のテストが終わって昼食を取ったところだ。総合科目勝負な
んてやったものだから、補給のテストが多くて大変だった。



「午後はBクラスとの試召戦争に突入する予定だが、殺る気は充分か?」


『『『 おおーっ! 』』』



 一向に下がらないモチベーション。俺達のクラスの唯一の武器と言ってもいいだろう。



「今回の戦闘は敵を教室に押し込むことが重要になる。その為、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けるわけ
にはいかない」


『『『 おおーっ! 』』』


「そこで、前線部隊は姫路瑞希に指揮を取ってもらう。野郎共、きっちり死んで来い!」


「が、頑張ります」



 むさ苦しい男のノリについていけないのか、若干引き気味な姫路さんが一歩前に出る。



『『『 うおおーっ! 』』』



 姫路さんと一緒に戦えるとあって、前線部隊の士気は最高潮に達しようとしていた。

 とりあえず、今回は廊下での戦闘に勝ちに行くらしい。ここで負けると話にならないから、戦力もFクラ
ス約五十人中四十人を注ぎ込む。

 そこには、我が軍最強の戦闘力を持つ姫路さんもいる。廊下での戦闘はまず取れるだろう。



 キーンコーンカーンコーン



 昼休み終了のベル。すなわちBクラス戦開始の合図だ。



「よし、行ってこい!目指すはシステムデスクだ!」


『『『 サー、イエッサー! 』』』



 主戦場をなるべくBクラスの教室の近くにする為、馬鹿達は全速力で廊下を駆け出した。



「元気だなぁ……」



 走り去っていく馬鹿達を見送り、俺は雄二の下に向かう。



「んで? 俺は何をすれば?」



 雄二の話では、俺は前線部隊ではなく、単独行動をするのだとか。本来なら姫路さんの近くで他の奴の戦
闘をのんびりと観戦したかったんだが……仕方がない。



「ああ、お前には特別任務を与える」


「……特別任務?」


「ああ、それは――」












 Fクラス横の階段。
 俺は一人ここで背後の守りを任されることになった。


 ……さ、寂しくなんか、ないんだからねっ!


「……ん?」



 開戦からしばらく経ったころ。
 階段に座り込み、うとうとしていた時だった。



「……人影?」



 ちらり、と階下から見えた人影。Bクラスの生徒だろうか?



「…………はぁ、しゃあねえな」



 一応守りを任されている以上、敵は倒さなければいけない。


 一つ、嘆息すると、俺は階段を駆け下りた。


                 ☆



「お前等、Bクラスの生徒か?」


「ああ、そうだ」



 人影を追って、一階まで降りる。と、そこには待ち受ける二人の生徒と、教師であろう一人の人物が。

 おそらく、俺の見た人影はこの生徒二人の内の一人だろう。



「本当なら、わざわざお前を誘き寄せずに強行突破したいんだけどな。失敗すると根本がうるさいだろうし
、まあ念には念をってことだ」


「…………は?」


「ああ、馬鹿は意味がわからなくていいぞ。どうせここで戦死するんだから」



 高らかに笑う男二人。なんだ? 何を言ってるんだ?



「ほら、さっさと構えろ、馬鹿。試獣召喚!」


「試獣召喚!」



日本史

Bクラス谷川流
        165点
    &     

Bクラス田中太郎 
        157点




 召喚獣を呼び出す二人。
 
 それにしても、まさか俺のはじめての相手がこんな冴えない二人だとは……。



「……はぁ。どうせなら、初戦はBクラス代表がよかったな……。試獣召喚、っと」



 足元に現れる幾何学的な魔法陣。教師の立会いの下にシステムが起動した証だ。そして、姿を見せる召喚
獣。



日本史

Fクラス竜崎智也
        425点



「……やれやれ」



 溜息混じりにそう呟いて、俺は召喚獣を動かした。




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