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バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
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閑話①

 雄二と別れた後、とくに寄り道もせずに帰宅する。

 俺が住んでいるのは、最近立てられた最新鋭の設備等が導入されているマンションだ。自慢じゃないが、
部屋の広さは並じゃない。



「ただいま~」



 その上、両親は今どこで何をしてるか分からなかったりする。義理の妹なんて素晴しいやつもいない以上
、この家には俺一人しかいない。

 周りから見たら羨ましいだろうが、実際はそんなにいいもんじゃない。掃除もめんどいし。



「ふぅ」



 とりあえず、玄関のすぐ近くにある自分の部屋に入り、カバンをベッドの上に投げてから適当な服に着替
える。

 その後は、適当な漫画を持ってリビングへ。途中にある菓子貯蔵部屋 (命名俺) に寄ってポテチを取
るのも忘れない。



「よっ、と」



 両手が漫画の山とポテチの山でふさがっている為、いつもの様に足でリビングへの扉を開ける。



「ふぁ、ふぉはへひ」


「…………何で――」


「ほうひはほ?」


「――明日香、何でお前がここにいる?」



 扉を開けた先には、信じられない光景が広がっていた。



「ふぉふひへっへ」


「……とりあえず、それ飲み込め」


「ふぁふぁっは………… (ゴックン)」


「……それで? なんでお前がここにいるんだ?」


「決まっているじゃない。もちろん――」



 ソファに座ってくつろぎながら、シュークリームを口いっぱいに頬張っていた彼女、黒咲明日香は、とび
っきりの笑顔を浮かべながら、こう言った。



「――智也の困る顔が見たかったからよ」



 黒咲明日香。文月学園に転入する前にいた高校での同級生で、俺の幼馴染でもある。

 セミロングの黒髪に、整った顔立ち、高身長で巨乳、というわけではないが、バランスがいいスタイリッ
シュなボディ。認めたくはないが、かなりの美少女だったりする。ただし、あくまでも見た目は、だが。

 先程の台詞から垣間見えるように、性格が少しばかり歪んでいる。ただ、普段は真面目な優等生を演じて
いるので、そのことを知るやつは、俺を含めても数える程しかいない。



「それで? どうやって家に入ったんだ? 鍵かかってただろ?」


「ん? 普通に智也のお父様がくれたわよ? 智也のことを頼むって」



 ちりん、と鈴が付いた鍵を見せびらかす。
 ……あの糞親父、帰ってきたら去勢してやる。



「それより喉が渇いたわ。智也、紅茶でも淹れてちょうだい」


「淹れるかっ!」


「へぇ? いいの? 私に逆らっても」


「知るかっ!」


「ふむ……なら、この写真をばら撒くことにするわ」



 懐から一枚の写真を取り出し、床に落とす。

 俺はそれを拾って――



「ぐはっ!?」



 ――死にたくなった。

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