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バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
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第三問④

「さてと……そろそろかな」



 待機すること数十分、ようやく時機が訪れた。

 さっきまでは人っ子一人いなかった廊下も、下校する生徒でうめ尽くされる。



「行こっか、姫路さん」


「はい!」



 俺達は、下校する生徒に混ざりながら、Dクラス代表のもとまで歩き出した。





                  ☆



『Dクラスの本隊だ! ついに動き出したぞ!』



 誰かの声が聞こえる。

 あそこにFクラスの本隊も見えるから、これでこの廊下には双方の主戦力が集っていることになる。



「本隊の半分はFクラス代表坂本雄二を獲りに行け! 他のメンバーは囲まれてる奴を助けるんだ!」


『『『 おおー! 』』』



 Dクラス代表と思われる生徒の号令の下、あっという間にFクラスの本隊と雄二の周りがDクラスのメン
バーで囲まれる。



「Fクラスは全員一度撤退しろ! 人ごみに紛れて攪乱するんだ!」



 一際大きな雄二の声。確かに、このままでは雄二がやられるのは時間の問題だ。ここは一度退くべきだろ
う。



「逃がすな! 個人同士の戦いになれば負けはない! 追い詰めて討ち取るんだ!」



 個々の実力に勝るDクラスだから取れる作戦。見れば本隊の奴等も分散し、追討にかかっているようだ。



「今がチャンスだな……。姫路さん!」


「はいっ!」



 Dクラス代表の周りは、邪魔な近衛部隊がいないほどに防備が薄くなっている。
 それを見逃さず、俺は姫路さんに声を掛ける。姫路さんも気づいたらしく、Dクラス代表の下へと駆け出
した。

 さて、後は静観してることにしよう。べ、別に面倒くさいわけじゃないんだからね! 

 なんて、一人エアツンデレをしていると、明久が一人突っ込んで、横から現れた女子に邪魔されていた。



『残念だったな、船越先生の彼氏クン?』


『ち、違う! アレは雄二が勝手に』


『そんなに照れなくてもいいじゃないか。さ、玉野さん。彼に祝福を』


『わかりました』


『ちくしょう! あと一歩でDクラスを僕の手で落とせるのに!』



 そりゃ無理だ。



『何を言うかと思えば、彼氏クン。いくら防御が薄く見えても、さすがにFクラスの人間が近づいたら近衛
部隊が来るに決まってるだろう? ま、近衛部隊がいなくてもお前じゃ無理だろうけど』



 その通り、明久じゃ無理だろう。だけど――



「やっちまえ、姫路さん」


『あ、あの……』



 代表の後ろから、申し訳なさそうに姫路さんが肩を叩いた。


『え? あ、姫路さん。どうしたの? Aクラスはこの廊下は通らなかったと思うけど』



 未だ現状を認識できてないDクラス代表。そりゃそうだ。雄二曰く、Aクラスでもトップクラスの実力を
持つ彼女が、Fクラス所属なんて普通は誰も思わない。



『いえ、そうじゃなくって……』



 もじもじと言いづらそうに身体を小さくする姫路さん。あんな可愛い子が明久のことを好きなんて、普通
は誰も思わない。



『Fクラスの姫路瑞希です。えっと、よろしくお願いします』


『あ、こちらこそ』


『その……Dクラス平賀君に現代国語勝負を申し込みます』


『……はぁ。どうも』


『あの、えっと……さ、試獣召喚です』




現代国語

Fクラス姫路瑞希 
        339点
    VS     

Dクラス平賀源二 
        123点



「え? あ、あれ?」



 戸惑いながらもDクラス代表の平賀は召喚獣を構えさせ、相対する。

 けど、相手にならないだろう。姫路さんの点数は、平賀の点数を圧倒的に上回ってる。



『ご、ごめんなさいっ』



 背丈の倍はある大剣を軽々と扱い、素早い動きで相手に肉薄する姫路さんの召喚獣。

 平賀の召喚獣は反撃することすら叶わず、姫路さんの召喚獣に一撃で下され、この戦いの決着となった。

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