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バカとテストと転校生

原作: その他 (原作:バカとテストと召喚獣) 作者: のんの
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第三問③

「さてと、後はここで待機かな」


「そうですね」



 予想外の事態に、若干取り乱しはしたものの、ここで歩みを止めては、Fクラスが戦争に負けてしまう。

 当初の予定通り、二階の渡り廊下を渡り、無事に新校舎側へとたどり着くことができた。

 あとはここで待機して、時機がきたら傍にある階段を上ってDクラス代表の前に行くだけだ。



「あの、竜崎君」


「おう?」


「さっきのことなんですけど……」


「大丈夫、誰にも言わないって」



 この会話、実はこれで4回目だったりする。よほど姫路さんは心配性なのか、はたまた俺が信用に値しな
い人間なのか。できれば前者であってほしい。



「…………」


「…………」



 少しの沈黙。階上から聞こえる喧騒が、やけに煩い。

 姫路さんは俯いて何かを考えているみたいだし、暇つぶしに階上の戦闘の様子を聞き取ろうと耳を済ませ
る。



『ああっ! 霧島さんのスカートが捲れているっ!』


『『『 なにぃっ!? 』』』



 ……見たい。今すぐ階段を駆け上がりたい。


 ガシャァァン!


 霧島さんとやらのパンチラ情報の後、間髪入れずに窓を割った様な破砕音が聞こえてくる。



『うわっ! 島田さん! そんな物をどうする気だよ!』



 ブシャァァッ!



 今度は、明久のものであろう声の後、景気の良い音が聞こえてきた。おそらく、消火器かなにかだろう。

 島田さん……君は何をやってるんだい?


「あの、竜崎君」


「おう?」



 階上での喧騒が落ち着いてきた頃、今まで俯いていた姫路さんが顔を上げる。

 その表情には、何かを決心したかのような、そんな感じが見て取れた。



「その……聞きたいことがあるんです」


「聞きたいこと?」


「はい。えと……その……」



 何故だか顔を赤らめて恥ずかしそうにもじ
もじとする姫路さん。聞きたいことってなんだろう? もしか
して明久よりも俺のことが好きになったとか?



「お、男の子って、どんな風に告白されたら嬉しいですか?」


「…………げふっ!?」


「り、竜崎君!?」



 そうだよな。人生そんな甘くはないよな……。



「ふぅ……そうだな~……」



 落ち着きを取り戻したところで、思案を開始する。



「……姫路さんの素直な気持ちを伝えればいいんじゃないかな?」


「私の気持ち……ですか?」


「ああ。姫路さんが思ったことを伝えるんだ。好きだ、ってね。俺だったらそう告白されたら嬉しいかな」



 もっとも、知り合って間もない以上、明久のことは分からないけどな。そう続けると姫路さんは、また頬
を赤くして、もじもじとしていた。

 ……そんな姿を見ていると、お持ち帰りしてしまいたくなる。


 持ちこたえろ、俺の理性!


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